2014年09月02日

◆易しい単語を並べれば

前田 正晶


何故我が国では「英会話」だけ分離して考えるのだろうか。おかしなことだと思う。

私はそもそも「文法」、「単語」、「英文和訳」、「和文英訳」、「英作文」等々に区分けして教えること自体が誤りだと思っている。サッカーで言うならば足が速いだけの選手では使い物にならないし、野球ならば打てても守れないのでは余り価値がないのと同じである。

要するに「総合的な力があれば、自分の思うところを英語で言えるし、議論も激しい討論も可能になってくる」ということだ。

また、これまでに何度も指摘してことだが、個人的に指導というか教えて上げる機会を与えられた某商社の若手の精鋭に「何でそんな簡単な単語ばかり使って、そんなに難しいことがスラスラと言えるのですか」と指摘されたように、単なる単語の知識に依存するのではなく、所謂易しい単語で構成された慣用句(idiomatic expression)や「口語体」を使いこなせることが、自分の思うところを表現する重要な手段である。

易しい単語という表現は具体性に欠けるので、言うなれば「中学校の1〜2年程度の教科書に出てくる単語」と思っていれば良いだろうと思う。私は我が国の学校教育では「こういう表現が日常的に使われている」と教えられていないと経験的に感じている。

かく申す私もKT博士に「支配階層の英語」と指摘された表現が飛び交う世界にいて「こういう時にはこのように言うのか」と感じて(感心して?)覚えただけのことだ。そこに問題点があるとすれば、そういう場を与えられなければ学びようなないことか。

そこで、そのような機会から学べた(覚えることが出来た)表現の例を幾つか挙げてみよう。ここでは日本文を先に出すので、どう言えば良いかをお考え願いたい。但し、私の例文のみが唯一の正解では言うまでもないこと。

「彼は一向に食い下がって交渉しなかった」

解説)これは我が国の大手メーカーの常務さんが輸入する原料を緊急に増量を要求するために、アメリカの製造元に交渉に訪れた際の出来事だった。オウナー兼海外担当副社長はにべもなく撥ね付けた。常務さんはその一言で諦めて引き下がってしまった。

この状況を東京の上司である支配人に報告すべき表現に悩んでいた私は、通りがかった秘書に状況を説明して助けを乞うた。彼女は言った、

"You mean he did not press the point any further?" と。「それ頂き」で即座にテレックス(PC等ない時代だった)を送って解決。この何処に所謂難しい単語があるか。

「私は彼が今日は現れないと固く信じている」

解説)"every" をこう使えるとは思っていない方が多いと思う。私はアメリカの会社に転じてから初めて出会った表現だった。

"I have every reason to believe he will not show up, today." という言い方があるのだ。余談だが、"show" にも面白い点があって、ホテルなどでは予約客が来ない場合には "No show" と表現している。

「彼女はその時から我々と関わりを持つようになった」解説)この「関わり」をどう表現するかが要点だ。これには(私は慣用句だと思った) "come into the picture" というのがあって、

"She came (entered) into the picture, then." というのを学んだことがあった。これは「登場した」か「参加した」とでも良いかも知れないが、こう言えば通じるのが面白かったので、後々重宝に使えた。

「ミスター・スミスなる者が突然何処からともなく現れた」解説)これを慣用句式に言うのだが、「何処からともなく」が「青天の霹靂」に何処となく似ているのが面白かった。

"A Mr. Smith came into the picture out of the blue." なのだが、Mr.の前に "a" を付けると「〜なる者」となると聞かされたのが興味深かった。決して "Mr." が複数形を取れるという意味ではないのだそうだ。これは "out of the blue sky" が本筋だと言う人もいた。

「皆様。これは当店からのサーヴィスで無償提供です」解説)これを初めて聞いた時には、それこそ「へー」だった。

"It’s on the house, ladies and gentlemen." だったのだ。即ち、"onme" と言えば「私が勘定を持つ」になるのだ。似たような例になるかも知れないが、時としてウエイターは「お客様のどちらかの勘定ですか、それとも割り勘」と言いたくて "One check or separate checks?" と尋ねるが、これを応用して "One check, please." と言えば「私が払う」との意
思表示になる。

未だ未だいくらでも例があるが、今回はここまでとする。


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