2014年09月03日

◆「核」が日中開戦を抑止する(71)

平井 修一


弓野正宏氏(早稲田大学現代中国研究所招聘研究員)の論考「強軍の夢理想と現実の乖離」(ウェッジ8/12)から。
・・・

*中国軍をめぐる昨今の「3つの問題」

中国軍は現在、喫緊の課題を冷静に考えれば戦争どころではない。その理由は大きく分け3つある。

(1)徐才厚の党籍剥奪処分公表からも窺えるが、軍汚職は深刻で、取締りとそれに伴う権力闘争で人事異動が頻発し、「指揮命令が不安定」になっている事。治安維持部門を牛耳った周永康立件の影響もある。

(2)現在、軍の機構改革が模索されており、多くの部門の整理統合や人員削減を含む改革は、兵士にとって今後の将来にも関わる「深刻な関心事で気持ち的にも戦争どころではない」事。

(3)退役軍人の不平不満が高まり、デモが頻発し、地方政府や軍の対策部門にとってこれ以上もめ事を抱えたくないだろうという事である。35年前にベトナムとの間で勃発した中越戦争に参戦した老兵士たちが待遇改善を求めるデモを行っており、その対処に中央、地方共に頭を痛めている。

兵士からすれば「今日の退役軍人の境遇は明日の自分たち」を意味するから不安を拭いきれない。

習近平政権が盛んに謳い上げる「中国の夢」の大事な一部分に「強軍の夢」があるが、如何に建前と実情の乖離が激しいかが分かるだろう。「現実と理想の乖離」にただただ失笑せずにはいられない。

中国軍が盛んに威嚇し、海洋、上空、そして宇宙に兵を進め、勇ましいスローガンを唱えているが、肝心の「元軍人の社会保障という根本のところで制度が破綻」していることが窺えるだろう。

中国社会において退役軍人の問題はもはや治安維持という面に止まらない、深刻な社会問題になっているにも拘らず、国防という大きな大義のためにこうした問題に社会全体の関心は向かず、政府は問題に蓋をしようとして、そればかりか、威勢の良い宣伝文句ばかりを配信している。

また、(中国マスコミの)記事からも窺えるが、政府が懸命に行う愛国主義や国防教育のプロパガンダの背後にはこうした軍民関係の齟齬があり、同時にここに多額の費用が投入されて利益集団化していることも想像できよう。

汚職容疑で捕まった谷俊山は地方で軍の名義で土地を転がして巨額の暴利を得てきたし、汚職の噂が絶えない郭伯雄元中央軍事委員会主席の息子郭正鋼大佐は浙江省軍区で退役軍人対策の責任者を勤めている。

勇ましいスローガンの背後に「深刻で複雑な内部事情」があるのだ。(以上)
・・・

1980年頃に中共へ行ったら軍が航空会社を経営していてびっくりした。皆せっせと利権を創っていったのだ。戦争より財布、か。上記の論考は「戦争どころじゃないだろう」ということなのだが、Record China 8/22も「中国は急速に発展する一方で、さまざまな問題を抱えている。中国に存在する問題について、中国のネットユーザーは6つの悩ましい問題を提起している」と、こう指摘している。

1)台湾との統一に関しては、弱腰でも強硬でも解決できない。

2)尖閣問題に関しても同じような袋小路の状態だ。

3)汚職は取り締まらなければ腐敗がどんどん進むため、撲滅に力を入れるが、結果逮捕者が絶えない。

4)中国には政府への不満をあらわにした暴動がたびたび起きるが、国が武力行使すれば反発はより大きくなる。

5)貧富の格差の解決も難しい。格差が改善されなければ貧困層から不満が漏れ、解決に向け対策を打ち出せば富裕層が黙っていない。

6)不動産事情も軽視はできない。庶民は地価が高い場所には手が届かず、安いところでは劣悪な生活環境で正常な暮らしができない。

これらの根本的な問題の解決に中国は頭を悩ませている。(以上)

平井思うに、1、2は50年間放っておけばいいし、3は伝統・民族性なのだから「適当に」やり過ぎた奴らを取り締まればいいし、4は「自治区に君臨すれど統治せず」でいけばいいし、5は累進課税などで対処すればいいし、6は投機を抑制すればいい(3年間は転売不可とか)。

習近平は歴史に名を残したいのだろう、「適当にやる」「問題は先送りする」という知恵がないようだ。結局、中共は内政もきちんとできずに国民の不安と不満はつのるばかりになってしまった。

習は中共中央への国民の批判をそらすために米国や日本などアジア諸国との緊張を高めている。習のプロパガンダでは「中国は今苦しんでいるが、悪者は日米で、これを押し返せば中国、中華は偉大な復興、夢がかなう」というもので、だから日米に敵対するのだ。戦争して勝ちたいのだ。

<[香港・北京8/29ロイター]中国の海軍将校は今週国営メディアで、南シナ海上空の国際空域で前週に中国軍の戦闘機が米軍の対潜哨戒機に異常接近した問題について、「中国機は米軍機にもっと近づく必要があった」との見解を示した。

中国の軍事専門家らは、弾道ミサイル搭載潜水艦隊に対する米国の偵察行為を阻止する中国側の断固とした決意を反映し、今後も同国沖の危険な接近行為は続く見通しで、場合によっては強化されると指摘する。これは、パイロットの独断的な行動ではなく、上層部の指示の下での行為の可能性があるとしている。

張召忠・海軍少将(中国国防大学所属)は共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報に対し、「(これまでは)彼らに十分な圧力をかけていなかった」と述べ、「ナイフを喉に突き付けることが唯一の抑止力だ。今後は、米偵察機にさらに近づいて飛行する必要がある」と言明した。

米国防当局者は、米軍機に異常接近した中国のパイロットは海南島の部隊の所属で、この部隊は3月、4月及び5月の接近飛行にも絡んでいるという。米当局者は2013年末以降、米軍機に対する「非標準的でプロらしくない危険な」妨害行為が増加傾向にあるとした。

日本もこれまで、中国が昨年11月に東シナ海上空で設定した防空識別圏で、中国軍の戦闘機が自衛隊機に接近したとして批判している。4−6月に中国機に対して自衛隊機を緊急発進した回数は104回で、前年同期よりも51%多い>

習近平は一触即発を求めて、将校たちを煽っているとしか思えない。中共殲滅、支那解放の大義の下、日本は備えを固めよ、中共の海軍、空軍を撃滅せよ。(2014/8/30)
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