2014年09月24日

◆ヒトゲノムって知ってる?

渡部 亮次郎



不摂生な食事や運動不足の生活をしていても糖尿病にならない人もいる。同じ場所で同時に横綱に昇進した大鵬と柏戸。共に巨漢だったが、大鵬は脳卒中に悩まされ、柏戸は糖尿病に取りつかれた。

<引退後の柏戸は過去10人の柏戸は全員が伊勢ノ海部屋を継承した伝統に反して年寄鏡山として独立、自身の現役時代の戦場蔵前国技館最後の本場所となる昭和59年9月場所で優勝の多賀竜などを育てた。

平成8年12月8日58歳で亡くなると鏡山部屋は元多賀竜の勝ノ浦が継承した。腎臓病の悪化は深刻で亡くなる数年前には人工透析を受け続けた副作用で骨が弱くなり「おい、見てくれよ、脚こんなになっちゃったよ」と言っていたという。

これを見たかつての好敵手大鵬は少しでもよくなるようにと考えてカルシウム剤を渡したという。>『ウィキペディア(Wikipedia)』

腎臓病の悪化。その原因が糖尿病だった。わが師園田直とおんなじだ。糖尿病でまず盲目になり、腎臓機能不全を補うため人工透析開始したが、すぐ尽きた。享年70。

産経新聞によると、徳島大学の板倉光夫教授(ゲノム機能学)は日本人2000人以上の比較から「SOCS2」や「MYL9」と呼ばれる遺伝子の微妙な差が、糖尿病になりやすい体質に関係することを突き止めた。(2006年10月2日付)

この結果、板倉教授は、将来(5-10年後)は、自分が糖尿病になりやすい体質かどうか、子供の時に分るようになる可能性がある、と言っている。

恐ろしいことになっているのだ。人間は死ぬのがいつか分らないから漫然と生きていられる、といってきたのに、科学が進歩した結果、何の病気で死ぬのかが分るようになるというのだ。

従って結婚の相手を選ぶのは、容貌や出自よりも遺伝子を調べることが先というロマンのないことになるかもしれない。

<ヒトゲノムはヒトのゲノムである。 ヒトゲノムは核ゲノムとミトコン
ドリアゲノムからなる。

ヒトゲノムの塩基配列の解読を目的とするヒトゲノム計画は1984年に最初に提案され、1991年から始まり、2000年6月26日にドラフト配列の解読を終了、2003年4月14日に全作業を終了した。

ヒトの遺伝子数は3万〜4万個あると考えられている。

核ゲノムは30億塩基対あり、24種の線状DNAに分かれて染色体を形成しており、最も大きいものが2億5千万塩基対で、最も小さいものが5500万塩基対である。 染色体は22種類の常染色体とXとYの2種類の性染色体に分類される。

核を持たない赤血球をのぞく体細胞は2倍体であり、同じ種類の常染色体を2本ずつ、性染色体を2本(女性はXとX、男性はXとY)の合計46本の染色体を持っている。 生殖細胞は1倍体であり、常染色体を1本ずつ、性染色体を1本の合計23本の染色体を持っている。

ミトコンドリアゲノムは16569塩基対の環状DNAでミトコンドリアの中に多数存在している。 体細胞も生殖細胞も約8000個ずつ持っている。>(同)ヒトゲノム計画の成果と問題点

<すでにほぼ完成している染色体地図をもとに遺伝学的手法を使って、いくつかの病気に関係する遺伝子が発見されている。

嚢胞(のうほう)性線維症や筋ジストロフィー、ハンチントン舞踏病(→ 舞踏病)などの遺伝性疾患に関与する遺伝子も同定(!)同一であることを見極めること?生物の分類上の所属を決定すること)されてきている。

日本の研究機関も、大腸癌(がん)抑制遺伝子、急性骨髄性白血病遺伝子などを明らかにするという成果をあげている。これらは遺伝性疾患を治療するために、よりよい遺伝子スクリーニングや新薬、遺伝子治療を開発するための第1歩である。

ヒト遺伝子に存在する致命的な欠陥が修正できるようになれば、疾患に対する取り組みは激変する可能性がある。

しかし、遺伝子変異が発見されても治療法がないことも多く、患者への告知などが課題となっている。

また一方で、ヒトゲノムに関する情報が増加するにつれて、倫理的、社会的、法的な面から多くの論議が出ている(→ バイオエシックス:応用倫理学)。

すでにヒトゲノム計画の初期の発見をめぐって、塩基配列の特許を認めることが適切かどうか、保険会社やその従業員が遺伝子情報を入手できるようにするのは妥当なのか、悪用や乱用の規制はどうするのか、本来なら子孫に伝えられるはずの遺伝的な欠陥を修正してもいいのか、といった問題が世界中ではげしく議論されている。>

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医学に詳しくなった元NHK記者石岡荘十さんのコメント。

DNAの解析が話題になるずっと前から循環器内科の医者は、初診で糖尿病の家族がいないかどうかをしつこく訊くことになっていたそうです。

理由は―ー
<米国では、ほかの病気ではすべて死亡率が下がっているのに、糖尿病患者だけは死亡率が上がっているそうだ。

「それは日本でも同じ」と指摘するのは京都大医学部の臨床教授で、JR京都専売病院の桝田出(いずる)内科部長。

▽虚血性心疾患による死亡19%に上昇

「肥満などが原因で起こる2型糖尿病患者の最近10年間の死亡率は同傾向にある」という。

死亡率が高い原因は、糖尿病の合併症として知られている腎症・腎不全に加え、虚血性心疾患などの心臓病の発症が増えているためと考えられている。

「日本の2型糖尿病患者の死因分析では、虚血性心疾患による死亡が年とともに増加中。1970年代後半では全体の10・9%だったが、90年代前半には19%に上昇している」と桝田部長。

糖尿病を合併した心臓病(虚血性心疾患)については、いくつか問題点があるらしい。>(以上、共同通信Medical News web版)

このため循環器内科の医者はまず家族に糖尿病患者はいないか、しつこく聞くことにしています。DNAの解析以前に症例データの数から統計的に、「糖尿病体質は高い確率で受け継がれる」と考えていたからです。遺伝子レベルでの新たな研究成果はそのことを裏付けたことになるのかもしれません。

また癌についても慶応大学の放射線科部長、近藤誠医師が著書の中で、おおむねこんなことを言っています。「癌には2つある。癌を克服したとよく言うけどそれは本物(?)の癌ではない。癌もどきなのだ。だから治った。

本物の癌は生まれたときからDNAに組み込まれていて、全摘をしたからといって完治はしない。例の逸見(フジTVキャスター)さんの全摘はすべきでなかった」と自分の病院の心臓外科医を批判して話題になりました。彼の著書「患者よ、 がんと戦うな」(文春刊)はベストセラーになりました。

そんなわけで、いずれ遺伝子操作をめぐる大問題が確実に起きると私は思っています。ただし、それまでに早くて20年というところだそうでまあ、孫子の時代のことでしょう。

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