2014年09月24日

◆ようやく認めた朝日がなすべきこと

加瀬 英明



朝日新聞が8月に、1面と16、17面を全ページ使って、これまで32年にわたって、朝鮮半島出身の慰安婦について「強制連行」したと、誤報を行ったと認めて撤回した。

それでも、「報道の一部が誤まっていた」と弁明している。往生際が悪かった。

15年前に、自社のカメラマンが沖縄の海に潜って、珊瑚に傷をつけ、スクープとして「サンゴ汚したのは誰だ」という見出しをつけて、紙面に大きく載せたことがあった。

この時は、社長が責任をとって、辞任した。朝日新聞珊瑚記事捏造事件として、知られる。

慰安婦を強制連行したという報道は、河野官房長官談話をもたらし、日韓関係を不必要に悪化させ、日本の汚名を世界にひろめた。

たしかに、朝日新聞社の罪は重い。ジャーナリズムは、報道に正確を期さなければならない。

多くの識者がいきりたって、朝日新聞の社長が引責辞任すべきだとか、朝日新聞を廃刊すべきだとか、非難している。

だが、今回、朝日新聞は珍しくよいことをしてくれたと思って、評価した。

謝罪したり、社長が引責辞任するよりも、これまで日本を大きく誤らせてきた報道を、つぎつぎと検証して、撤回していってほしい。

金日成主席の北朝鮮が「労働者の天国」だと煽り立てて、1959年から84年にかけて、9万3千人以上の在日朝鮮人と日本人妻が、地獄へ渡った。このうち6千7百人あまりが、日本人妻とその子どもたちだった。

1958年の警職法改正や、1960年の安保条約改定に当たって、「戦争を招く」と世論をミスリードした。

1970 年代には、日中国交正常化を煽り立てた。

72 年9月に田中首相が訪中して、国交正常化が行われた時の社説を、再録しよう。

「日中正常化は、わが国にとって、新しい外交・防衛政策の起点とならねばならない。日米安保条約によって勢力均衡の上に不安定な安全保障を求める立場から、日中間に不可侵条約を結び、さらにその環をソ連にもひろげる。

あるいはアジア・極東地域に恒久的な中立地帯を設定する。そうした外交選択が可能となったのである」

まさに、憤飯物である。朝日新聞は毛沢東の中国をこれでもか、これでもかと礼讃して、「日中友好」ムードを盛りあげた。そのために、日本の進路を大きく誤らせた。

このような一連の報道によって、日本を骨抜きにして、日本の安全保障を大きく損ねてきた。

そういえば、朝日新聞は「A級戦犯」という言葉を、好んで使用してきた。

先月、私は福岡に講演に招かれた時に、中洲の古い料亭『老松』に案内されたが、玄関に緒方竹虎の揮毫が飾られていた。

緒方は福岡出身で、朝日新聞主筆、副社長を歴任したが、終戦とともに占領軍によって、「A級戦犯容疑者」として逮捕されている。朝日新聞は岸信介首相が、「A級戦犯容疑者」だったことは書くが、都合主義だから、緒方についていっさい触れることはない。

今回の慰安婦報道を撤回したことについて、社長が辞める必要はない。

社長が陣頭に立って、日本を弱体化してきた、これまでの報道を検証して、撤回することを期待したい。

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