2014年09月25日

◆報道や活字に騙されるな

平井 修一



エイチ・アイ・エス(HIS)グループを一代で大手旅行産業に築き上げた澤田秀雄。澤田は小生と同年だ。「【読書感想】H.I.S.澤田秀雄の『稼ぐ観光』経営学(木ノ内敏久著)」をfujiponさんが書いているが(ブロゴス9/22)、小生は違和感を覚えた。

本の内容はこうだ(「BOOK」データベースより)。

<創業以来一八年間、巨額の赤字だった長崎「ハウステンボス」をわずか一年で黒字化したエイチ・アイ・エス(H.I.S.)会長の澤田秀雄。H.I.S.を年商五〇〇〇億円の大手旅行会社に育て上げ、新興航空会社スカイマークの設立、証券会社の買収などで、常に動向を注視されるベンチャーの旗手は、いかに地方都市で「観光」ビジネスを進化させ、活性化させたのか。

ハウステンボス再建に惜しみなく注ぎ込まれた独自の経営手法、組織管理のノウハウを、日本経済新聞長崎支局長が徹底取材。地方の成長と直結した企業再生の要諦を読み解く! >

本書の内容の一部としてこんな記述も引用されている。

<澤田はオフィスにいない時は電動自転車で園内をこまめに周り、「あの目地が崩れている」「歩道にくぼみがある」など細かく社員に改善を指示する。「後ろを振り返ると常に社長がいる」と現場の社員に言わしめるほど園内をくまなく回り、スピード感を共有してもらうよう心がけた>

fujiponさんはこう感想を述べている。

<社員からすれば、こういう人が社長だと、けっこうキツイんじゃないかな、とは思うのです。でも、こういう人だったからこそ、ハウステンボスは危地を脱することができたし、社員たちも仕事を失わずにすみました>

これを読んで小生は元・毎日新聞の名物記者、内藤国夫の書いた「坪内寿夫 経営とはこうするんや」(1983年)を思い出した。坪内を「これでもか」とばかりにヨイショしていたが、その時が全盛で、坪内グループはその後に消滅した。

HIS元社員複数の口コミ情報によると5段階評価で2.5前後だ。まともな会社とは言えない。澤田は高給で20代の若者を採用し、ノルマ、ノルマでこき使うが、30代になると他社の方が待遇が良く、多くが辞めていった。つまり30代以上は要らない、というわけだ。要は使い捨て。結果的に人件費は安くて済むから格安航空券、格安旅行を売ることができた。

HISがのし上がる以前は旅行会社は一生を託すに足る職場だった。HISが煽った価格競争で多くの旅行会社は低賃金、短期雇用の契約社員ばかりになり、すっかり魅力を失った。家族を養える産業ではなくなった。澤田は個性的な海外個人旅行の促進、拡大に大いに貢献したが、罪作りでもあったのだ。

彼の作った航空会社スカイマークの経営危機が取りざたされている。円安で主力の海外旅行も伸び悩んでいる。HIS第3四半期連結業績(平成25年11月1日〜平成26年7月31日)の純利益は前年同期比14.5%減だった。ハウステンボスもどうなるか分かったものではない。一介のバッタ屋から大企業を作った澤田も今が頂点ではないか。満つれば欠ける。(2014/9/23)


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