2014年09月30日

◆反北京学生・知識人が中環に座り込み

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成26年(2014)9月29日(月曜日)通巻第4349号>   
 
〜香港の未来は「真っ暗」なのか? 反北京の学生・知識人が中環に座り込み
   13000人の学生が授業ボイコット、10月1日から本格的な行動開始〜


香港のセントラル(中環)は金融街である。

しかも国際的な取引が成立する、世界で有力な市場をかかえ、この金融中枢が麻痺すると、香港ばかりか直接的に中国経済に悪影響が出る。

セントラルには香港を代表する「香港上海銀行」本店、隣は中国銀行の摩天楼、近くに証券取引所。まわりは外資系金融機関が軒並み入居する複合ビルとマンダリン・ホテル、最高級のリッツ・カールトン、やや高台がシャングリラ・ホテルにマリオット・ホテルなど五つ星ホテル群が屹立している。

10月1日、このセントラル地区に学生、労働者、知識人らが「選挙の民主化」を求めて座り込みを開始する。

9月下旬からすでに「前哨戦」としての座り込み抗議行動が始まり、警官隊が暴力的に排除、暴力沙汰が続いており、多数の負傷者がでている。

高校生リーダーを含む74人が警官隊に拘束されている。高校や大学では13000人が授業ボイコットという史上稀な行動を取っている。

座り込みによる抗議行動は、ウォール街を占拠し「われわれは99%」というプラカードを掲げてウォール街を操る強欲資本主義に対抗した一軍の貧困層の動きは、米国ばかりか世界のメディアが注目したように、引き続き2014年3月には台湾に飛び火して学生らが国会を占拠した。

国会が機能麻痺に陥ったのは前代見本である。

この台湾の「ひまわり学生運動」には全島から熱狂的な支持者が駆けつけ、大学の教授陣らは署名を集めて連帯を表明し、李登輝も応援に駆けつけた。支援グループのテント村には炊き出し手チームや医療班。

弁当やパンが山積みとなり、はては翻訳班が15ヶ国語に学生らの主張を翻訳、メール送信したため世界中からも多くのメディアが台北に集まって、学生の主張を報道した。

とうとう国民党は譲歩せざるを得なくなり、馬英九政権は窮地に立たされた(詳細は拙著『台湾烈々』、ビジネス社を参照)。

上記2つの成功例にならって、香港の民主団体が大同団結、セントラル地区に座り込む統一抗議行動を組織化することを決定した。

この抗議行動に香港住民の31%が支持しているという(『華風新聞』、14年9月26日号)。「中国共産党の代理人」「秘密党員」を云われる梁震英・行政長官のあまりの北京より路線に対して民衆の怒りが爆発したのだ。
 

 ▼米国、カナダで移民制限に加え、孔子学院閉鎖の動き

しかし他方で、世論調査によれば、将来の香港に見切りを付けて海外移住を希望する香港住民は、全体の5分の1もいることが分かった。

英国BBCと香港中文大学の合同調査によれば、21%の香港住民が海外移住を考慮していると答えた。

過去97年香港返還前、すでに富裕層と知識層は香港を離れたが、近年もカナダ、豪州、ニュージーランドへの移民熱が沈静化していなかった。

この余波で反中国感情が蔓延するカナダは移民制限に踏み切り、またトロントなどでは中国政府支援の「孔子学院」の閉校が検討されている。

9月27日には米国シカゴ大学で語学以外に共産党の指定した怪しげな教科書が使われ、天安門事件を教えるなという内部通達が出たりして『学問と言論の自由をおびやかす』として教授連が署名運動を立ち上げ、ついに閉校が決まった。


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