平井 修一
アジアにおける最大の危険因子は中共である。これは世界中での共通認識だろう。国基研企画委員・太田文雄氏は海自出身で、退官後は防衛大学校教授も務めた文武の方。以下の氏の論考「中国海軍の弱点を突く自衛隊の役割」(9/22)はとても参考になった。
<9月19日、トシ・ヨシハラ米海軍大学教授の「アジアの海洋における日本の将来の役割」という講演を拝聴した。講演の骨子は
「中国海軍の海洋進出阻止のため、日本は南西諸島沿いに潜水艦の配備、機雷敷設、高速艇によるゲリラ攻撃、そして陸上自衛隊対艦ミサイルの配備を行うことにより、米軍が攻勢作戦をとるまで中国海軍の艦艇を第一列島線内に封じ込めることが中国を相手にした効果的な競争戦略」
とするものである。
中国海軍にとって、南西諸島から台湾、フィリピン、インドネシアに至る第一列島線内に封じ込められるのが最も嫌であることは、陸自対艦ミサイルを南西諸島沿いに配備する計画が報道された今年6月に、中国の外務省をはじめ国防関係シンクタンクがこぞって懸念を表明したことからもうかがえる。
競争戦略とは冷戦時代に考えられた「ソ連の弱点を西側の強点で突く戦略」であり、現在でも米国防総省ネットアセスメント室の対中戦略はこの考え方を踏襲している。
その基本は「孫子の兵法」虚実篇にある「兵の形は実を避けて虚を撃つ」、即ち敵の弱点を我が強点で攻撃する非対称戦である。
中国海軍の弱点は水面下の戦い、即ち対潜水艦戦及び対機雷戦であるのに対し、海上自衛隊は創設以来、両者をお家芸としてきた。これに加えて海自のミサイル艇隊や陸自が開発した対艦ミサイルを南西諸島沿いに配備することで、相乗効果が期待できる。
ただし、第2次世界大戦中の1944年前後、帝国海軍の及川古志郎海上護衛司令長官も、米海軍の東シナ海侵入を阻止するため同様の機雷敷設を構想したが、帝国海軍ですら所望の機雷を確保することができなかったので、沖縄本島・宮古島間のような幅広い海域は潜水艦で対処する等、有効な組み合わせが必要となってくるであろう>(以上)
読売の報道によると、日中間の偶発的な軍事衝突を避けるための防衛当局間のホットライン「海上連絡メカニズム」作りに向けた協議が、年内に再開される方向となった。「ただ、中国の本気度を疑問視する声も強く、実際の運用開始にはなお曲折が予想される」とある。
習近平は戦争をしたいのだから「海上連絡メカニズム」が機能するかどうかはすこぶる不明だ。力で抑えるしかない。
朝雲9/25は「アジア地域の安定は、軍事的な支援は米国、警察的な協力は日本という役割分担で」と以下のように紹介している。
<陸上自衛隊は今秋、歴代の陸上幕僚長として初めて岩田清文陸幕長がフィリピンを訪問したのに続き、現在は災害救援などを目的とした米比共同訓練にオブザーバーとして参加している。
地域の安定化を目的に、これまで日本は、ベトナムやインドネシアに対し、巡視船艇を供与するなど海洋警察力の能力向上に取り組んできた。軍事的な支援は米国、警察的な協力は日本という役割分担でもある。
それらは、南シナ海における紛争予防が主な目的だったが、今回、陸自が人道支援や災害救援の分野で、本格的に能力構築支援(キャパシティー・ビルディング)に乗り出すことは、日本が担える協力の幅を広げる意味からも歓迎したい。
そうした取り組みの背景には、米国の相対的な衰退という現実がある。今春、オバマ大統領のアジア歴訪直後に、南シナ海で中国がベトナムやフィリピンを挑発したことに象徴されるように、残念ながら米国だけで中国を抑止することなどできない。
日米、そしてアジア太平洋の国々が連携して、中国に好ましくない行動を自制させられるか――。それが年末に控える「日米防衛協力のための指針」、いわゆるガイドラインを見直す最大の目的だ。決して中国が喜ぶ“力の空白”をつくってはならない。
日本が南シナ海の安定にどれだけ貢献できるのか。それが、東シナ海で中国の脅威と向き合う日本の安全に直結していることを、忘れてはならない>(以上)
ガイドラインの見直しでも中共べったりの公明党は足を引っ張るはずだ。平和を唱えて危機に備えぬ獅子身中の虫を追放しないとろくなことにはならない。公明党に仏罰を。これも国防上の課題である。(2014/10/2)