2014年10月21日

◆異例の電撃ダブル辞任で決着はついた

杉浦 正章




安倍は重要課題に臆せず取り組め
 

首相・安倍晋三の「電撃ダブル辞任処理」は、見事であった。野党は肩透かしを食わされた形になった。


小渕優子も城代家老が一切の罪をひっかぶる覚悟で“切腹”。公選法違反で議員辞職まで追い込まれることはまずなくなった。「うちわ」よりその「適性」が問題であった松島みどりも、筆者が1番よい解決策と指摘した、小淵との一体処理で決着した。


閣僚人事のつまずきは民主党政権で9人辞任しているように、どの政権でもある。安倍政権には喫緊の課題画山積している。避けなければならないのは「暇」な野党ペースにはまることである。


ここは前向きに消費増税延期などアベノミクス絡みの重要施策を打ち出し、外交でも対中改善などを躊躇することなく推進、野党と世間の目を覚まさせることだ。


新聞、とりわけ毎日は関東大震災が起きたかと思われるほどの、おどろおどろしい見出しを取ったが、一過性の問題にセンセーショナリズムが過剰だ。圧倒的数を誇る自民党内にはさざ波もおきていない。


従って政局にはならない。政府は「女性閣僚ダブル辞任」と紙面から飛び出しそうな過剰見出しに驚くことはない。だからどうしたと開き直ればよいだけだ。


安倍政権は麻生太郎に到る自民党の末期症状、民主党の野田佳彦を除く2人の史上最低首相がもたらした暗い陰うつな時代の暗雲を払うように登場。アベノミクスを掲げて失業率を一挙に改善、対中、対韓外交で巻き返しを図り、国民に希望とやる気を与えつつある希有の政権だ。


景気の陰りでアベノミクスも正念場に達しており、アジア太平洋経済協力会議(APEC)における日中首脳会談などを控え、過去2年の実績の総仕上げの場面でもある。


マスコミは挙げて「政権に打撃」と書き立て、首相の任命責任を問う姿勢である。野党もそのマスコミの風潮に乗って、かさにかかって追及をしようとしている。


しかし松島の「うちわ」程度の話は「野党の方が多い。腐るほど握っている」(政府筋)と言われており、自民党もテレテレ紳士ぶっていないで野党の不祥事を追及すべきだ。


安倍は「任命責任」があるからこそ、「更迭責任」を果たしたのであり、過ちを正すのは早いに越したことはない。筆者は松島を切れば1週間で決着すると書いたが、即日人事で態勢は即日に整った。ここは守勢に回らず反転攻勢に出る場面である。


二人の閣僚の「辞任処理」は、安倍政権の危機管理能力も如実に示した。小淵に関しては週刊新潮が報じた16日から5日間で処理した。小淵は役所とホテルに籠もりっきりで弁護士と対策を練ったが、公職選挙法と政治資金規正法に詳しい自民党幹部からもアドバイスが行われたという。


党内で小淵への同情論があり、これが議員辞職にまで到らせてはならないという一線で一致していた。


ここで書かれた筋書きは、観劇の収支は小淵があずかり知らぬところで処理されていたという一線確保であり、その筋書き通りに事は運ばれた。いきさつをあずかり知っている城代家老の切腹だ。地元の会計総責任者である群馬県中之条町町長・折田謙一郎が全てをひっかぶって辞表を提出したのだ。


本人は「責任をかぶるというのではなく、全てが私の責任ということだ」と全ての罪を引きうける覚悟を表明している。折田は亡き小淵恵三から「くれぐれも優子を頼む」と遺言のように頼まれていたという、男気のある人物だ。


これによって観劇会の収支で費用を補てんしていた場合に引っかかる公選法違反で小淵が連座する可能性は少なくなった。連座すれば議員辞職は避けられないところであった。


小沢一郎がさっそく「公選法違反で刑事罰を科せられる行為」と批判したが、さすがに自分の事のように精通している。まさにポイントをよく知っているが、自民党の支援を受けた小淵側の筋書き作りの方が一枚上手であったということだ。


一方で松島は、ダブル辞任を最後までごねたようだ。「うちわで辞任ならみんな辞めなければならなくなる」と主張して、ごねたのだ。


しかし安倍の意向を受けた人物からの説得で、安倍の意志が強いことを知って、まるで「それでも地球は回っている」のガリレオのように「うちわは法律違反ではない」と最後まで繰り返しつつ「自発的辞任」に踏み切ったのだ。


こうして異例のダブル辞任が実現した。安倍にしてみれば松島の場合はその答弁能力などから見ても放置すれば必ず辞任に到ると判断したのだ。ずるずる後を引けば、政権の土台を腐らしていくケースであった。政治的には早期決着しかないと踏んだのは正しい。


いずれにしても即日人事で政権の愁眉は開けた。野党もうちわ如きで1日1億円かかる国会論議を空費するしか能がないのではどうしようもない。マスコミの批判だけが頼りだが、同じ事を繰り返せばマスコミの矛先は必ずブーメランのように野党批判に戻る。野党は山積する喫緊の政策課題で政権を質す本来の姿に一刻も早く立ち返るべきだ。

        <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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