2014年10月23日

◆日中首脳会談実現の可能性は?

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)10月22日(水曜日)弐 通巻第4371号>   

〜「安倍外交は過去42年の日中友好を無駄にする権利はない」(丹羽前大使)
中国の「安倍は第2の小泉、対中国強硬派だ」に同調する日本の政財界人たち〜


丹羽宇一郎前駐北京大使はAPEC開催前のこの時期に「安倍外交は過去42年の日中友好を無駄にする権利はない」と言いはなった。日中首脳会議の開催をめぐっては水面下の交渉が続いている。

2012年9月、日本の尖閣諸島国有化宣言に端を発した日中険悪ムードは、直後に反日暴動となって中国全土で日本企業が襲われ、放火され、あまりに理不尽な中国の暴力に日本は総立ちとなって非難した。

非はすべて中国にあり、日本にはない。

パナソニックは北京のショールームを畳み、山田電機も伊勢丹(瀋陽店)も撤退した。上海高島屋は赤字転落、アジア旗艦店をシンガポールに移し、ベトナムに新店をだす。

つまり日本企業はチャイナ・プラス・ワン路線に舵取りを変え、重点をアジアへ移した。

以後、殆どの世論調査で、日本の対中感情は最悪である。日本の底流にある意識は「さようなら中国、こんにちはアジア」である。

こうした動きを憂慮し、むしろ中国より焦る一群の親中派政治家と財界人がいる。

反日暴動直後に鳩山由紀夫前首相が訪中し、ご機嫌取りのパフォーマンスを展開した。彼は「尖閣諸島領域を『友愛の海』に」と意味不明の駄洒落(だじゃれ)を飛ばした。

翌2013年1月には山口公明党委員党が訪中し、同月に村山富市元首相も北
京へ。

ようやく13年4月に李小林が訪日したが、なんの成果もなく、強硬意見を繰り返した。

2014年4月に胡耀邦の長男、胡徳平が来日し、安倍首相と懇談した。胡耀邦は親日派の政治家だった。しかし胡徳平にはなにほどの政治力もない。

同年7月、福田康夫元首相が北京を訪問し、早い時期の日中首脳会談を打診した。福田は安倍首相の外交を批判したと中国のメディアが伝えた。

安倍首相は師走に靖国神社に参拝した。尖閣諸島の帰属問題では一歩も譲らず、法の支配、積極的平和主義を主張しているため、中国は「第2の小泉」と批判したまま、平行線をたどった。

2014年のある日、谷内正太郎(安全保障局トップ)が安倍密使として密かに北京を訪問した。首脳会談の打診が主目的だった。

10月21日から麻生副首相兼財務省がAPEC財務相会議のため北京を訪問、王洋との会談のほか、李克強首相との会談を希望している。

しかし四中全会開催中の北京では内外の難題を抱えており、北京政権にとって、日本との関係打開を模索する雰囲気は希薄である。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック