2014年10月24日

◆民主党は不毛の追及に小躍りするな

杉浦 正章



「SM]には法的問題はない
 

最初に聞いたときは宮沢洋一本人かと思った。うちわ→ネギ→SMで三題噺(さんだいばなし)のドミノ倒しかと“悪夢”がよぎった。


大蔵出身と言えばノーパンしゃぶしゃぶをすぐに思い出すし、きっと東大出で大蔵省という超エリートは、頭を使いすぎて時々「好色の人」になってしまうのかも知れないと思った。顔を見てもそんな感じがしないでもない。


しかしまてよあの浮き世離れした人物が、そんな下品な場所に行くわけはないと思い直していたら、やっぱり秘書だった。本人も「秘書が秘書が」と懸命に弁明。おまけに「私はその種の店に行ったことはありません。値段的にも安い店のようでございまして」と付け加えたところなどはさすがだ。


宮沢喜一の血縁の名門の出身は、1人4000円の「安い店」などには行かないのである。


まあ当日夜は上京の飛行機に乗っていたとアリバイまで主張しているのだから、まず信用出来る話だろう。野党は幹事長・枝野幸男が「あぜんとした。こうした問題を国会で取り上げざるを得ないのは大変情けない」と言いながら、「喜々として」責任追及の構えだ。


しかし問題はその責任追及ができるかと言うことだ。もちろん宮沢がうちわ大臣のように「雑音」失言などをしてしまえば別だが、まともに答弁すれば、追及には自ずと限界がある。


法的問題が問われているうちわや観劇とは違い、SMの場合は政治資金規正法上の問題はない。飲食に使うことについての規制がかけられていないからだ。たとえSM店に秘書が行っても飲食経費として落とせる仕組みだ。


もちろん監督責任や収支報告書をチェックしていなかった責任は問われる。政治資金の使途は国民が納得しうるものでなければならない。また年間320億円もの血税が、地元秘書の遊興費に使われているという法律の盲点も問題であろう。
 

現行政治資金規正法は収支報告のチェックを事実上報道機関に全て委ねている。同法1条で「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の収支の公開の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保する」と立法目的をうたっているのだ。


これは公開、つまり報道機関のチェックで公明・公正を確保することを基本に置いているのだ。だから宮沢の例に見られるように、政治家本人のチェックが甘いと、メディア側からの“摘発”を食らうことになる。


メディアにしてみても国会議員全ての報告書をチェックすることは不可能に近い。だから社会部は怪しい政治家、うわさの政治家が入閣すると、その人物に絞ってチェックするのだ。宮沢の場合は不祥事辞任の後任人事だから、念入りにチェックされたのだろう。


従って法制度が変えられない限り、メディアが暴く構図はなくならない。解決策としては法制度を改正して、公的なチェックを入れて、SMのようなケースは受理しない制度にすることも考えられる。


しかしそれだけで膨大な機構と人員を要するから事実上困難だろう。結局は政治家が多忙で目が届かないなら、専門家等第三者に依頼してチェックするしかないのだろう。それが出来ない政治家はそもそも入閣などという高望みをすべきではない。 


朝日が「自民党が民主党政権時代、問責決議案を出して攻撃した荒井聰国家戦略相(当時)と似た構図になる。荒井氏は秘書が事務所費でキャミソールを買ったことで批判され、内閣改造を機にわずか3カ月で交代した。」と分析している。


なるほど似ていることは似ているが、菅直人は荒井を辞任させたわけではない。次の改造で入閣させなかっただけだ。新聞の扱いは朝日が政治面3段、毎日が5面の3段で大人しい。読売は何と朝刊では報じていない。報じないばかりか宮沢の原発に関する発言を一面4段で扱っている。


これは、週刊誌やスポーツ紙の報道にいちいち踊らされないという大新聞の矜持を自ら示しているのだろう。これはこれで立派な見識である。


下らぬ不祥事より政策を重視せよという編集方針であろう。枝野が小躍りしても、1日1億円の国会経費を馬鹿馬鹿しいうちわやSM論議などに費やしていい訳がない。


民主党もかさにかかってSMなどを追及している暇があったら、態度表明を逃げまくっている消費再増税の可非について庶民の側に立って延期を主張すべきではないのか。言っておくが追及して民主党の支持率が大幅に上がることはあり得ない。不毛の追及はいいかげんにした方がよい。

     <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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