平井 修一
まあ嗤うしかない、香港の“反日愛国者”に中共が困惑しているというのだ。
「香港の尖閣防衛団体、幹部には反中活動家=「彼らは本当に愛国者なのか」と疑問の声―中国メディア」(Record China 9/19)から。
<9月18日、環球網は「釣魚島防衛活動家の正体は反中活動の急先鋒」と題した記事を掲載し、尖閣諸島に向けて抗議船を出港させるなどしている愛国者たちは、反共産党、反中国運動にも身を投じていると伝えた。以下はその内容。
9月15日、香港の民間団体「保釣(釣魚島防衛)行動委員会」が、中国の主権を主張するために釣魚島(尖閣諸島)に向けて抗議船を出港させたことが注目を集め、ネット上では「英雄だ!」「凱旋を待っている」といった声が上がっていた。
彼らは日本に挑む英雄として見られているが、本当に愛国の英雄なのだろうか。ネット上では「釣魚島防衛という活動は否定しないが、かつて国旗を燃やしたのもこの団体だ。彼らの動機は何なのか考えてみるべきでは?」といった疑問も出ている。
「保釣行動委員会」は1996年に設立され、現在は30人のメンバーが所属している。発起人は反共産党、反中の活動家で、幹部は過激派の民主活動家からなる。
彼らは自由、民主、人権といった「普遍的価値」を旗印に、中国をおとしめ、香港の独立や体制の転換を目指している。われわれは、彼らの愛国が誠実なものだという幻想を抱いてはならない。
もちろん、民間の釣魚島防衛活動がある面でプラスの意義を持つことを否定はしないが、海警の船が巡航するなどして、国がすでに介入しており、もはや彼らの出る幕ではない。今回の活動にしても、情勢を激化させる以外の意味はない。
2012年には彼らが釣魚島に上陸したために日本側に拘束され、日本から「管轄権」を見せつけられるに至った。彼らは同じことを繰り返そうとしているのだ。うわべの現象に惑わされず、愛国には熱意と理性とが必要であることを理解するべきであろう>(以上)
習近平は11月のAPECを無難に乗り越えたいだろうが、難問山積だ。保釣行動委員会の暴走は些事としても、現在の香港で盛り上がっている民主派の傘革命、世界に対中警戒心を募らせるような軍の強気の言動、独裁を正当化してきた経済も失速しつつあるし、暴動やテロは日常茶飯事だ。子分の北朝鮮も離反した。ハエ叩き、虎退治も大反発を買っている。
習は毛沢東気取りで大人を演じているが、あちこちで火の手が上がっている。前時代的な一党独裁封建国家の矛盾が一気に噴き出したようだ。多くの国から愛想を尽かされ、今や味方は韓国だけ。異形の大国も最終章に入った。(2014/10/15)