2014年11月06日

◆米軍は尖閣で射爆撃演習を

平井 修一



海保第11管区の「管内 在日アメリカ合衆国軍海上訓練区域一覧表」にはこうあった。

<・黄尾嶼射爆撃場(尖閣諸島)

区  域 :水域=久場島の陸岸の前面100m以内の区域。空域=久場島の陸岸から 100mの線で囲まれる区域

訓練の種類:空対地射爆撃訓練

制限事項 :水域は、使用期間中漁業及び立ち入りを禁止する。

・赤尾嶼射爆撃場(尖閣諸島)

区  域 :25-54-14.4N 124-33-53.9E の地点を中心とする半径5海里の円内区域

訓練の種類:艦砲射撃、艦対地射撃及び空対地射爆撃訓練

制限事項 :本区域は、使用期間中漁業及び立ち入りを禁止する>

どういう経緯で米軍が尖閣に射爆撃場を設けているのか。1972年5月15日に沖縄が本土復帰すると同時に日米合同委員会において、日米両政府が、久場島及び大正島(赤尾嶼)を爆撃場として米軍に提供することに合意したのだ。

もう少し調べたら琉球新報が「尖閣射爆撃場、米軍30年余不使用 政府『必要』と認識」の記事があった(2010年10月23日)。

<【東京】政府は22日、尖閣諸島に設定されている米軍射爆撃場について、1978年6月以降、30年以上にわたり米軍から使用通告がないことを明らかにした。その上で「米側から返還の意向は示されておらず、引き続き米軍の使用に供することが必要な施設および区域だと認識している」とする答弁書を閣議決定した。

照屋寛徳氏(社民)の質問主意書への答弁。

照屋氏は「日本政府は、沖縄の基地負担軽減をいいながら、実際、使用していない射爆撃場について米側に返還要求をしていないのはおかしい。軍用地料も(地権者に)支払い続けたままだ」と指摘し、政府の対応に疑問を呈した。

日米地位協定では、「米軍が使用する施設および区域は、協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない」とされている。

日米両政府は72年5月15日の日米合同委員会で、尖閣諸島のうち、久場島(民間人所有)と大正島(国所有)を、それぞれ「黄尾嶼射爆撃場」「赤尾嶼射爆撃場」とし、米軍提供施設として合意している>

米軍はこの射爆撃場を1978年6月までは使っていたが、それ以降は使っていないのは理由があるはずだ。1978年に劇的な情勢変化があったに違いない。

1978年8月12日、日中平和友好条約調印。1978年12月15日の第二次米中共同声明で1979年1月1日を以って米国は中華民国に代わって中華人民共和国と外交関係を結ぶことになった。

日米にとって中共は外交上、表面上は仮想敵ではなくなったのだ。だから米国も中共を刺激しないように射爆撃場での演習を控えているのだろう。それ以外は考えられない。

中共はここ20年ほどの急激な軍拡でアジア覇権への欲望を高め、日本を含めた周辺国及び米国の脅威になってきた。今、米軍が尖閣で演習したら、領有権を主張している中共は「自国の島を米軍により爆撃された」ことになる。

日本の民間人が尖閣に上陸しただけでも大騒ぎするのだから、米軍が爆撃したら習近平は報復爆撃をするしかない。そうしなければ“噴青”などの世論が収まらないだろう。

報復したい、でも10倍返しで報復されかねない――習は世論と現実の恐怖との板挟みで悩みに悩むに違いない。習が暴れれば習は敗ける、習が暴れなければ習の求心力はなくなり、やはり敗ける。

米国にとっては絶対勝てるゲームだ。トモダチ作戦で日米共同演習もいい手だろう。(2014/11/3)


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