2014年11月07日

◆棺で帰国する移民労働者の波

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26年(2014)11月6日(木曜日)通巻第4385号>

 〜ロシアの報道されない、もう一つの暗い闇
   不法移民への暴力が絶えず、棺で帰国する移民労働者の波〜

2013年だけで、ロシアから棺でタジキスタンへ帰国した労働者は942遺体。それでもIMF報告では「13年のタジキスタンGDP成長7・4%が達成できた背景は、大半が出稼ぎからの送金だった」という。

資源リッチのロシアの採掘現場で重労働をしているのはロシア人ではない。中央アジアのイスラム圏からの出稼ぎである。

原油採掘エンジニアではキルギスからの出稼ぎが多い。キルギスには大学が多いので、理工系エンジニアがロシアへ出稼ぎにくるのだ。「おそらく同国のGDPの48%はロシアへ出稼ぎに行ったキルギス人からの送金です」と事情通は言う。

不法移民も夥しい。

ロシアへ労働移民なんて、日本人からみれば想像を絶するが、原油、ガスに恵まれ経済大国である。

モスクワのバザールで不法な屋台や、怪しげな商品を売る店は大半が中国人である。

12年秋の一斉手入れで千名近い中国人を拘束し、強制退去させたが、追い返しても、追い返しても、いつのまにか侵入してくる。穴があればネズミも蟻もはいりこんでくる。

不法移民を取り締まるロシアの警官は荒っぽく、無造作に暴力をふるうのでけが人も絶えず、国際人権団体などが問題にしている。

10月13日にはモスクは労働者のたむろするスラムで暴動が発生した。警察の暴力に抗議する群衆が数千人あつまった暴れ出した。四百名が逮捕され、1人が死亡した。

9月11日から10月10日までサンクト・ペテルブルグで不法移民の一斉手入れが行われ、437名が拘束された。

10月22日から11月2にまでモスクワでも「2014年不法移民作戦」が展開され、7000名を逮捕、すでに800名を国外退去処分とした。ロッジや安宿に滞在するアジア系、とくにイスラム教徒を片っ端から逮捕したためである。

しかしウクライナ問題で西洋の制裁をものともせず、欧米と対峙するプーチンへの人気が高く。また移民政策への強硬措置もロシア人には公表で迎えられているため、ポピュリズムの衰退の兆しはまだない。

レイムダックに陥ったオバマ政権とプーチンの人気は対照的でさえある。
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