2014年11月09日

◆勘違いをしている人々

平井 修一



以前、自分なりの資本主義論をこう書いた。

<不要なのに買ってもらわないと資本主義は成り立たない。国民すべてが質素倹約すると、企業は売上減で人員カット、給料は低下、人々の購買力は落ちる、税収も減る、福祉を削る、乞食が溢れる、道路の補修もできない、結婚できないから人口も減る・・・亡国になってしまう。

たとえ無駄遣いであれ、去年より多少なりとも消費を増やし、企業の売上が伸び、給料と雇用が増え、消費が増えないと国の体力が減退するのが資本主義なのだ。自転車操業みたいに停まったら倒れてしまう。

だから企業は新型の商品を開発し続け、国民は旧型を捨て新型に買い換えるということを永遠に続けることになる。新型とか最新技術を開発しないと国際競争に敗けてしまうから、最低でもトップグループ(G7)にいないとまずいこともある。

とにもかくにも毎年GDPをそこそこのプラス成長にさせないとうまくいかない。“失われた15〜20年”のように活気がなくなる。とにもかくにも国民はできる限り消費し続けるしかない、たとえ借金してでも。

小生は成長率ゼロとかマイナスでも、そこそこ国民が幸せに暮らせる経済システムはないものかと考えているが、発見あるいは発明すればノーベル賞ものだろう>

山本隆三・常葉大学経営学部教授が「『資本主義の終焉』? 脱成長路線では世界を救えない」を書いている(ウェッジ9/16)。小生の拙論は大体当たっているようである。以下転載。

             ・・・
 
水野和夫の『資本主義の終焉と歴史の危機』を読み終え、最初に思い浮かべたのは、マルサスとジェボンズの2人の経済学者だった。

マルサスは18世紀末に「人口論」を著し、人口の増加のペースは食料生産のそれを上回り、食料確保のため実質所得は上昇しないと予測した。

ジェボンズは、19世紀に著書「石炭問題」により、やがて石炭を使い果たすために工業は減速すると予想した。

水野もマルサスやジェボンズと同じような勘違いをしているのではないか。水野は、『100年デフレ』『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤
るのか』などの著書以来、同じような主張をしている。

簡単に言えば、中国の生産過剰などにより利潤が低下し資本主義を続けられないほどの問題が生じるが、次の制度がどんなものか分からないので、経済成長をする必要はないとの立場だ。

何人かのエコノミストと呼ばれる人たちが水野の本を推薦していることから同様の意見の人は多いようだが、その主張の前提は正しいのだろうか。

欧州がリーマンショック後の不況から立ち直り始めたところで、ロシアの地政学の問題により景気が再度低迷し始めた。しかし、景気低迷の状態を資本主義の終焉と呼ぶのは無茶だ。

世界には自給自足経済を中心とし一日1ドル以下で生活している人が10億人以上いる。2ドル以下となると25億人、3人に1人だ。この人達の生活を向上させる必要がある。世界には辺境がもうなく、経済成長は不要というのは、持てる人の理論ではないか。

水野は朝日新聞記者・近藤康太郎との対談『成長のない社会でわたしたちはいかに生きていくべきか』のなかで、「デジカメが3台あり、もう要らない」と発言しているが、世界にはデジカメどころか十分な食料を買えない人が多くいることを考えるべきだ。

5、6年前のことだが、インドに滞在している時に読んだローカル紙に、「生まれてから一度も満腹感を味わったことがない人の比率がインドでは約8割」とのアンケート結果があり、愕然としたことがある。

私たちは、まだ経済成長を必要とする社会に住んでいる。気候変動、エネルギー・環境問題を考えながら、持続可能な発展を求めるべきだ。市場が格差を拡大しているのであれば、再配分政策を通し是正を図るのが資本主義の政策ではないのか。

中国の過剰設備、歴史を理由に資本主義の終焉を主張し、脱経済成長を主張するのが正しいとは思えない。(以上)

               ・・・

枝野幸男は著書『叩かれても言わねばならないこと』で、「日本は近代化の限界に直面している。中国、インドなどの新興国が追い上げるので、工業製品の輸出は望めなくなる。代わりに大きな隙間産業を狙うべき」として、盆栽をあげているという。

山本氏曰く「枝野の選挙区が盆栽の産地らしい。日本の輸出額は、リーマンショックの影響を受け減少していたが、それでも60兆円程度あった。主体は輸出額10兆円の自動車などだ。この輸出規模の一部を盆栽で補えると経済産業大臣(当時)が考えていたというのは、悪い冗談だ」。

枝野は資本主義を否定する革マル派の影響下にあるJR総連、JR東日本労組から献金を受け、「綱領を理解し、連帯して活動します」などが記された覚書を交わしていた。

勘違いをしている奇妙な学者や政治家、平気で嘘を書く記者、報道しない自由を謳歌する記者などが多いから、前後左右上下をよく見て真実を探るようにしたいものだ。(2014/10/3)

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