2014年11月22日

◆首相が空しく90分間過ごしたワケ

酒井 充



〜矛盾を恥とは思わない人たち

国会への出席回数が多く「世界一、多忙な首脳」とも言われる日本の首 相だが、安倍晋三首相は7日、平日の約90分間をむなしく過ごした。派 遣労働のあり方を見直す労働者派遣法改正案を審議する同日の衆院厚生労 働委員会が、野党の出席拒否で空転したためだ。

塩崎恭久厚生労働相の答弁が改正案の趣旨と異なっているとして野党は 反発した。改正案を早期に成立させたかった与党は、最終的に渡辺博道
委員長(自民)の職権で委員会を開会、野党は出席を拒否した。

そのため質問時間を割り当てられていた民主や維新、次世代、みんな、 共産の野党5党の議員は、審議を行う衆院別館内の第16委員室に現れな かった。その間、首相は所在なさげに足を組み直したり、隣にいた塩崎氏 らと会話をするなどして、手持ちぶさたの状態で待機するしかなかった。

これを政界用語では「空回し」と呼ぶ。首相が出席しながら、審議が空 回しになるのは、野田佳彦政権だった平成24年8月の衆院財務金融委員 会以来。当時は野党だった自民党などが特例公債法案の採決方針に反対し て審議を拒否し、当時の野田首相が安倍首相と同じような状況になった。

7日といえば、首相にとっては9〜17日の長期外遊を目前に控えた時 期 だった。首相が厚労委でしばりつきにあっていた時間帯に、中国を訪問 していた谷内正太郎国家安全保障局長が帰国、官邸に入った。厚労委を終 えて官邸に戻った首相は谷内氏と面会。第2次政権で初となる習近平国家 主席との日中首脳会談の段取りを話した。

しかし、その直前まで首相は無為に時間をすごしていた。公の場で、 ぼーっとしているしかなかった。読書や資料を読みふければ批判が出たか もしれない。もちろん居眠りをするわけにもいかない。空回し中もカメラ や記者は委員室に入っていたので、談笑でもすれば不謹慎だと言われただ ろう。

こうした危機感は、当事者にも一応あるようだ。主要政党は5月27日に 国会審議の充実に関する申し合わせに合意した。自民、公明、民主、日本 維新(当時)、結い(同)、みんな(28日に解党)、新党改革の各党の国 対委員長らが6項目の申し合わせについて署名した。その筆頭に掲げられ たのは「党首討論の原則毎月実施」だった。

だが、これもさっそく形骸化した。通常国会の会期中だった6月は1回開 催したが、9月29日召集の臨時国会では結局1回も開催されなかったのだ。

主要政党が党首討論を重視しているならば、早い段階で日程を決めておけ ばいいだけの話だ。例えば「毎月第1水曜日は党首討論の日」とでも申し 合わせればいい。

10月に入って与野党ともに党首討論を開催する気配はなかった。その後、 11月26日の開催で合意したが、これも解散によって幻となった。だれ に強制されたわけでもなく、自分たちで決めた合意を平気で破ることに恥 はないのだろうか。こんな人たちのやることを信用してくれといわれても 困ったものである。(政治部)
産経ニュース【政界徒然草】2014.11.21
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