2014年12月06日

◆「核」が日中開戦を抑止する(79)

平井 修一



神保謙・東京財団上席研究員/慶應義塾大学総合政策学部准教授の論考「南シナ海におけるコスト強要(cost-imposing)戦略」(10/14)から。

<今日のコスト強要戦略をめぐる議論は、中国の軍事的台頭と海洋進出を背景に、力による現状変更を阻止するための具体的な方策の検討へと歩を進めている。


南シナ海におけるコスト強要戦略とは具体的に何を意味するのか。新アメリカ安全保障センター(CNAS)のパトリック・クローニンは今年9月に発表したレポート「海上における威嚇に対する政策課題」において、中国の威嚇的な海洋進出に対し「軍事衝突へとエスカレートすることも、不作為によって現状変更を許すこともさせない対抗措置」としてコスト強要戦略を採用し、その内容を以下の通りカテゴリー別に詳細にわたり検討している。


第一のカテゴリーは軍事的対応である。この軍事的対応には、1:米国の軍事プレゼンスの強化(米軍の前方展開戦力の強化・新たなローテーション拠点の構築)、2:同盟国・パートナー国との軍事演習・訓練及び共同行動の実施、3:相手の弱みや脆弱性に着目した軍事力の整備(ハイテク技術の開発、対潜戦や弾道ミサイル配備等)、4:同盟国・パートナー国の能力構築(武器移転・訓練・ISR/諜報能力のネットワーク化等)が含まれる。


第二のカテゴリーは非軍事的対応である。この中には、1:情報(中国のパワーを背景とした現状変更の実態を晒す、警戒監視体制のネットワークを構築、米国と同盟国にとって望ましい評判を形成等)、2:外交(国際法・裁判所の活用、米国や友好国の支持声明、ASEANの一体性強化、中国の主権に対する認識への異議申し立て)、3:経済(貿易投資の多角化、
経済制裁)が掲げられている。

こうした軍事的・非軍事的なコスト強要戦略により、中国が自らの行動に高い代償が伴うことになることを認識し、費用便益の観点からそのような行動を自制することが望ましい、と考えれば、この戦略は有効である。

その代償とは、CNAS報告書によれば、

1:中国の国際的な評判を貶める、

2:中国に経済的な損失をもたらす、

3:中国に不利なルールと規範を形成する、

4:中国国内の政治的摩擦を増やす

5:中国に国防支出の多角化を促して浪費させる、

6:米国の関与と抑止力を向上させる、

7:中国の軍事的な脆弱性を晒す、

8:地域の軍事バランスを変化させる、

などが挙げられている>(以上)

中国の国防大学教授や軍関係者らは盛んに好戦的な発言をしているが、彼らには「中国は周辺国から侵略され、圧迫を受けており、軍事力を強化して危機を突破しなければならない」という意識が強い。こんな具合だ(人民網2013/9/22)。

「この世界は弱腰では問題を解決できない。中国は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題と南シナ海問題において争わねばならず、譲歩するわけにはいかない」

「現在南シナ海の53の島や礁のうち、中国は9つのみを実効支配している。29はベトナムに占領され、関係海域は117万平方キロメートルに及ぶ。9つがフィリピンに占領され、3つがマレーシアに占領され、2つがインドネシアに占領され、1つがブルネイに占領されている」

「南シナ海は戦略的に非常に重要だ。全世界の海洋航路は約40本あるが、うち20本余りが南シナ海を通過する。中国のエネルギー輸入の60%がマラッカ海峡を通過する必要がある。このため中国にとって南シナ海は争わねばならぬ地であり、譲歩するわけにはいかない」

「釣魚島はいくつかの岩山をめぐる争いでは断じてなく、軍事戦略上非常に大きな意義を持つ」

「近年、わが国の武器装備水準は高まり続けている。陸軍の戦車は最先端で、海軍も新型艦艇の強化を続けている」


いささか被害妄想的だが、平和を求めるのであれば中共は暴れるべきではなかった。大暴れして世界中から警戒と反発を招いてしまったのは大チョンボだった。しかし、習近平をはじめ誰も大チョンボだったとは(思っていても)言えない。言えば弾圧されるからだ。被害妄想で暴走するばかりだ。

<中国国家主席、新型兵器の開発加速を指示

[北京12/5ロイター]中国国営通信の新華社は4日、習近平国家主席が、人民解放軍の兵力強化のため、最新の軍装備品の開発を加速するよう指示したと伝えた。新華社によると、習主席は人民解放軍の会合に出席し、軍の改革は「軍隊を強化するという目的に沿って」行われるべきだと述べた。

習主席は、高性能兵器は現代の軍隊を象徴するものであり、国家安全保障を支えるために必要不可欠だと指摘。新たに開発される兵器は、実戦に必要な基準を満たし、既存の兵器の弱点を補うため「革新的かつ実用的で、先進的」でなくてはならない、と述べた。

今年の中国の国防費は12.2%増の8082億元(約1313億ドル)に達する見通しとされているが、多くの専門家はこの数字は実態を示していないと指摘している>

我が方は暴走を抑え込む具体的な軍事的・非軍事的な作戦を展開していくしかない。(2014/12/5)

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