2014年12月11日

◆プーチン大統領の連邦議会演説

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

平成26年(2014)12月8日(月曜日)
    通巻第4414号 

 
〜「ロシアの長期的繁栄は約束されている」とプーチン大統領
 「ルーブルの下落は投機筋のスペキュレーションだ」と連邦議会で演説〜


西側の制裁により、経済が陰った。加えて原油市場の下落はロシア経済のアキレス腱を打って通貨ルーブルは秋から3割前後も崩落した。

ウクライナ経由のガス輸出は激減し、産油国の意図的な原油価格値下げが追い打ちをかけて、ロシア経済は元気をなくしている。

それでもプーチンのロシアは意気軒昂である。

プーチン大統領は12月4日、連邦議会1100名の議員をあつめて、クレムリン宮殿で演説した。

「ロシアは成熟した国家であり、『名誉』をもとめ、『正義』を確立するための行動をとる。2014年の政治的成果はクリミア再統合であり、偉大な文明を永遠に尊重したい。

ロシアは同時に多元的価値観を尊重し、周辺国を尊敬しているが、ウクライナで起きている『人権』と『暴力沙汰』は西側の偽善である。ロシアはウクライナに320億ドルの経済支援をしており、これからも継続されるだとう」として欧米のウクライナ支援とロシア制裁を強く批判した。

また西側のロシア経済制裁は、「対抗したロシアの農作物輸入禁止、ガス輸出減によって制裁側にも大きな被害をもたらしているのであり、自らの孤立をロシアは望まない」とし、自らが孤立の道を歩むのは弱さの表現である(つまりロシは欧米の制裁には屈しない)。

またルーブルの暴落に関しては「欧米投機筋のスペキュレーションであり、ロシアは変動相場制度を変更しない」と高らかに否定した。

ロシアナショナリズム丸出し、しかし、これがロシア人の結束と団結を促していることは事実である。

武器開発にしても「ロシアは最新鋭の武器開発レースには加わらない。ロシアはすでに軍事大国であり、ロシアの超大国としての位置は変わらない。米国のミサイル・デフェンスはロシアへの脅威とはいえ、話し合いの扉はいつでも開いている」と付け加えた。

「成長ゼロ」という西側の仕掛ける「罠」には嵌らず、今後の成長は露西亜国民それぞれの資質に帰すものであり、組織依存、無責任という過去の過ちを克服する努力を怠ってはなるまい、とプーチンは道徳家の門限もわすれずに付け加えた。

ロシアが目標としているのは健全はファミリー、すこやかな国家である。伝統を受け継ぎ、前向きに安定社会を建設し、同時に進歩を追求し、いずれの国家も尊敬し、長期的国家戦略もとに前進すれば、繁栄に導かれるだろう」として演説を締めくくった。
 
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