2015年01月13日

◆レーザー兵器が中共を抑える

平井 修一



陸自出身の学者、矢野義昭氏の論考「技術革新著しいレーザー兵器、その現状と課題」(JBプレス1/9)から。

<2014年7月31日付けで、『海軍の艦載用対水上・対空・対ミサイル防衛レーザー: その背景と議会にとっての課題』と題する米議会報告が出された。その中では、米海軍の高出力レーザー兵器の開発の実態が詳細に記述されている。

1 報告書全般要約

現在の開発段階では、今後数年で射程1マイル程度の一部の対水上・対空目標に対処可能な艦載型の高出力レーザーの配備が可能になった。

その後数年でさらに強力な艦載型レーザー兵器の配備が可能なところまで来ているとされている。

米海軍は、ドック型輸送揚陸艦「ポンセ」にレーザー兵器システム(Laser Weapon System; LaWS)を搭載し、今年の夏からペルシア湾で作戦環境下での試験を行っている。2020年度又は2021年度に初期作戦段階になることが予定されている。

2 レーザー兵器の利点

(1)1発当たりの限界費用が安価

艦載レーザー兵器は、水上、航空、弾道ミサイル目標に対し、1発当たり1ドル以下という極めて安価な費用で対処できる。

従来の海軍の短距離防空ミサイルは1発数十万ドル、長距離のミサイル迎撃用ミサイルは数百万ドルかかった。

この1発当たりの限界費用の劇的な低下という利点により、レーザー兵器は、安価で大量に装備できる小型ボート、無人機、あるいは対艦巡航ミサイル、対艦弾道ミサイルの集中攻撃に対して、予算的に可能な範囲での防御を可能にする。

(2)無尽蔵に近い弾倉

水上艦艇はミサイル発射管に限られた数の迎撃サイルを搭載している
が、搭載したミサイルを撃ち尽くせば、再装填のため戦列を一時離れなければならない。近接防御火器システムも、弾丸を撃ち尽くすと再装填の時間が必要になる。

しかしレーザー兵器の場合は、電力源と冷却に必要な燃料がある限りは、無限に連続発射が可能である。このためレーザー兵器により、艦艇に搭載された迎撃ミサイルや近接防御火器の能力を超える、多数の目標に対する防御が可能になる。

(3)迅速な交戦時間

レーザー光線は瞬時に目標に到達するため、迎撃のための未来位置を計算する必要がなく、目標の特定部位を狙い続けることもできるため、数秒間で目標を無能力化できる。別の目標への変換も数秒以内で可能である。

このような迅速な交戦時間は、ミサイル、ロケット弾、砲弾、迫撃砲弾などの脅威に曝される、陸地に近い地域での交戦時に特に重要になる。

(4)極めて機動力に富む目標にも対処可能

レーザー光は、一部の巡航ミサイルのような極めて機動力に富む目標の追尾、連続照射に使用できる。

(5)正確に交戦でき、二次被害のリスクを大幅に低減可能

レーザー光の照射範囲は直径数インチと、極めて精度が高い。また直進するため、砲弾やミサイルと異なり、目標を逸れても地上に落下してくることはない。特に港湾地域の作戦では、二次被害を局限することが求められるが、レーザー兵器はそれを可能にする。

(6)その他の用途にも使用でき、段階的対応が可能

レーザーは目標を破壊できるだけではなく、発見・監視、非殺傷攻撃、電子光学センサーの妨害などにも使用できる。

そのためレーザー兵器は、警告のための妨害、能力喪失に至らない限定的損害の付与、無能力化まで段階的な対応が可能になる潜在能力を有している。

4 レーザー兵器の各種目標に必要な出力

レーザー兵器の目標としては、次のようなものが挙げられる。

(1)ペルシア湾で使用が予想されるイランがすでに入手している多数の小型ボートの群れ

(2)多くの国家や非国家主体に拡散しているロケット弾

(3)米海軍艦艇に対する情報収集、目標情報の収集、攻撃などに使用できる無人機

(4)ヒズボラが2006年にイスラエル艦艇に使用したとされ、国家のみならず非国家主体にも拡散している対水上巡航ミサイル

(5)中国が開発している対水上弾道ミサイル

弾道ミサイルについては、直接無能力化することはできないレーザーでも、追尾、画像撮影などにより、わが方の弾道ミサイル防衛能力を高めるために使用できるであろう。

5 今後の展望

「接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略」の打破を目指し国力を挙げて取り組むべき革新的兵器

レーザー兵器は、指向性エネルギー兵器(DEW)の1種だが、その他のDEWとして、高出力マイクロ波(HPM)兵器などがある。

軍の将来の戦闘能力は最新の効果的な技術を迅速に取り入れるか否かに左右されるが、DEWはそのような革新的技術となる潜在力を持っている。陸海空、宇宙、サイバー空間などあらゆる戦闘空間において、DEWは重大な影響を及ぼす潜在力を持っている。

特にDEWは、極めて速い交戦時間、安価な交戦費用、本質的に無限の弾倉、トータルの装備化費用の安さなど、革新的な利点をいくつも持っている。

DEWの致命的な、あるいは非殺傷的な各種の能力は、実験室でも野外でもすでにいくつもの試験により実証されている。出力が向上すれば、超音速巡航ミサイルにも対処でき、任務に応ずる致命度を選択することもできるようになるであろう。

さらに、上記報告文書では、DE技術は「接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略など、高まりつつある脅威に対する司令官達の差し迫った作戦上の要求にも応じ得る、重大な利得をもたらすであろう」と明言されている。

このように、日本の防衛にとり最も深刻な脅威となっている中国のA2/AD戦略を打破しうる可能性を持っていることが明言されている。

日本としても、科学技術力の総力を挙げてこのDEWの研究開発、配備に向けて、尽力すべきであることは言うまでもない。そのための、予算や人材についても、国家資源を傾けて取り組む必要がある>(以上)

レーザーとは何か。調べたものの文系で高2レベルのオツムではまったく分からなかったが、理論的基礎を確立したのはアインシュタインだそうだ。

実際の応用例としてはレーザーメスは知っていたが、工業分野ではレーザー加工機(切断、穴あけ、彫刻など)、レーザー溶接などがあるというから、強烈なエネルギーなのだろう。

「米国の最新レーザー兵器 天気が悪いと…」(日本テレビ系NNN、1/10)から。

<映画・スターウォーズの世界が現実味を帯びるかもしれない。7日付のワシントンポスト紙は先月アメリカ海軍が発表した「レーザー兵器」を詳しい図解つきで報じている。

30キロワットのレーザー光線を発する装置の直径は約60センチ。約5キロ先の標的まで破壊できる。1回の発射のコストは約70円と格安。

しかし、天気が悪いと、効果が発揮されにくいというデメリットもあるという>

安い、旨い、速い。中共が持っていない最先端の兵器を日本は持つべきだし、それを周辺国に売却するなり貸与すべきだろう。(2015/1/11)


      
    
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