2015年01月14日

◆陳水扁釈放の影響

Andy Chang



陳水扁元総統が病気釈放されて6日になる。陳水扁は冤罪で6年余も収監され、監獄内で非人道的な虐待をされていた。陳水扁は一坪足らずの寝床のない監房でトイレの傍のフロアに寝て生活し、24時間の照明と監視カメラの下で6年余も虐待されて、心身ともに廃人
同様になった。


しかしいまでも陳水扁を有罪と信じて疑わない人が居る。病気釈放は人道的に当然だが、この6年の間じゅう陳水扁の病気釈放に反対し、釈放された後もノーコメントを続ける高名な政治家が居る。


世間の評価はメディアの影響が大きく左右するが、メディアの報道を鵜呑みにする人は多い。今でも(A)陳水扁は無罪(冤罪)である、(B)法廷の判決を信じるから有罪、(C)不道徳な人だから釈放に反対、と言う三種の違った意見がある。個人の意見は知識の程度、信仰の有無、職業など、いずれも関係がないようだ。人間はなかなか自分の意見を変えないものらしい。


明らかなのは陳水扁の冤罪と監獄内の虐待は全て馬英九が決定したという事実である。11月の選挙で国民党が大敗したため馬英九は陳水扁の病気釈放に反対できなくなった。国民党の存亡に関わる大事だから馬英九は嫌々ながら一ヶ月だけと時間を限って陳水扁の釈放
に同意したのである。

●陳水扁釈放後の台湾の将来

1ヶ月と期限を付けたのは馬英九の負け惜しみである。1ヵ月たって再入獄させると言ったら民衆の抗議で革命が起きて国民党は滅ぶ。馬英九は陳水扁釈放で台湾人に中台和解を願ったと言われる。

釈放は一時的な譲歩で、時機を見て復讐するという人が多い。この方が信憑性があると思われる。中国人は台湾人を奴隷視している。陳水扁は中華民国総統になって中国人を統治したから中国人は彼を恨み、馬英九は陳水扁を監獄で虐待して殺するつもりだったのだ。

11月の選挙の結果は国民党の衰退、存亡に関わる事件である。中国の台湾併呑は遠のき、習近平は馬英九に冷淡になった。だから国民党は台湾人と和解して中華民国を護持しなければならない。つまり馬英九は台湾人と和解しなければならない。


中台和解に同意して過去の恨みをすべて忘れろと言うのか。果たして中国人は本当に中台和解のあと台湾経営に努力するだろうか。国民党はこれまで掠奪と汚職で台湾を食い潰してきた。一度の選挙に負けただけで後悔して和解するなどありえない。ナイーブな台湾人
は和解に同意したいと言うが反対者は多い。台湾人の中台和解に対する意見は三つに分かれている:


台湾人は国民党に対する恨みを忘れ、中国人と和解し、共に中華民国を民主国家にする。

(2)馬英九の和解提案はウソ、中国人は信用できない。選挙に負けた国民党は一時的な和解で台湾人が恨みを忘れろと言い、将来の政権交替まで待つ。国民党が勝ったときは和解を反故にして圧政を再開始するに違いない。

(3)台湾人は70年も国民党の暴虐に苦しんできた。陳水扁の虐待を忘れることはできないし、台湾人の恨みは陳水扁だけではない。国民党を徹底的に潰して独立を達成すべきだ。

●和解の条件

和解についても違った考え方がある。ある人は台湾が民主国家でないのはどちら側も和解しないからである。陳水扁が釈放されたのを機会として中台和解に応じ、台湾民主国を世界に示すべきだという。ある人は中国人政権の暴虐が和解を妨げる主因である、中華民国独裁の司法、行政、警察を糾すのが先決だと言う。


別の人は馬英九の陳水扁釈放は一ヶ月の期限を切っているから本当に釈放ではないと言う。更に別の人は陳水扁を無罪釈放しなければ和解は成立しないと言う。

また別の一人は台湾人は戦後から一貫して中国人の暴虐、汚職と掠奪で台湾を食い潰してきた。和解する台湾人は中国人のトリックに乗せられていると警告している。

ある国民党員は外省人と台湾人が和解し、中国を民主化させるべきだと主張した。中国は台湾併呑がで台湾人を尊重するつもりはない。この党員は国民党のために屁理屈を述べただけである。

選挙に負けた外省人が慌てて台湾人を尊重する言論を述べても信用できない。馬英九は中台統一を主張して台湾の衰退を招いた。だから台湾人はみんな反中国である。

●3人の総統の評価

李登輝、陳水扁、馬英九と三代の総統を経て台湾は経済的、民主的に大きく衰退した。中台和解を提唱すれば台湾人は反対する。台湾人の三人の総統に対する評価は以下のようにほぼ一致している

李登輝は全民投票を推進したが、李登輝の時代は経済的に国民党の台湾蚕食が始まった時期であった。日本人が台湾に残した資産を国有資産とし、それを国民党の資産に編入し、劉泰英が国民党資産を経営し、財政赤字が大幅に増えた時代であった。

李登輝に次いで総統になった陳水扁は政府の赤字解消に励み、汚職追放に熱心だった。李登輝時代の4千億元の赤字を1千億元まで下げた功績がある。

陳水扁のあとを継いだ馬英九は6年で国家の財政赤字を4兆元以上に引き上げた。馬英九は中台統一を主張し、中国に接近し、国会の討論を飛び越して経済合作協定(ECFA)に署名し、台湾を空洞化させた。

●政治主張の変遷

李登輝は「中華民国は民主国家である」と主張したが、台湾独立を主張したことはない。何回も新聞記者に対し「私は台湾独立を推進したことはない」と述べている。李登輝が民主化したのは中華民国であって台湾ではない。李登輝の主張が蔡英文の「台湾は中華民国である」と言う主張になり、台湾人が反対している。台湾は中華民国ではない。


陳水扁は独立願望があったが、総統になるとすぐにアメリカが強い圧力をかけたので、やむなく「台湾独立をしない、国家の名称を変更しない、両国論を憲法に編入しない、国民投票をしない」と言う「四不一没有」公約を発表した。その後で陳水扁は公民投票法、中華民国名義を台湾名義に変更するなど、穏やかな台湾化を推進したのでアメリカは陳水扁が公約に背いたと強く批判した。アメリカの圧力に負けず台湾独立に貢献したのは陳水扁である。

馬英九は中台統一を推進し、中国人受け入れ、経済合作などで台湾の衰退を招き、台湾資本が中国に流出した。馬英九政権の下で官商汚職、汚染食物、土地転がしなど色々な問題が起きている。

つまり陳水扁は経済的、政治的に台湾に大きな貢献をしたと評価されている。このため馬英九は陳水扁を中国人の敵として憎み、無実の罪で監獄に入れ、非人道な虐待で廃人同様にしたのである。

馬英九は陳水扁を監獄内で死なせるつもりだったが選挙で大敗北したため陳水扁を釈放せざるを得なかった。馬英九は台湾人と和解するつもりはないし、今でも台湾人を軽蔑し、台湾人に負けたことを恨んでいる。中国人の執念深い復讐は陳水扁を虐待した事実で証明できる。中台和解は無理である。

陳水扁の釈放で善良な台湾人が和解に同意しても大部分の台湾人が中国人を信用することはない。中国人と台湾人が和解するなら過去70年の暴政、虐殺と掠奪、汚職などを清算したあとで初めて可能となる。

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