2015年02月12日

◆首相、農協改革・安保法制に意欲

〜施政方針演説〜
渡部 亮次郎


(朝日新聞デジタル 2月12日(木)13時49分配信)

 安倍晋三首相は12日午後、国会で施政方針演説を行った。今国会を「改革断行国会」と位置づけ、成長戦略の柱である農協改革などの規制改革を推進していく姿勢を強調。安全保障をめぐる法整備を進め、憲法改正に向けた国民的な議論の深まりにも期待を示した。

 演説の冒頭で、首相は過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件を取り上げ、「日本人がテロの犠牲となったことは痛恨の極み。非道かつ卑劣極まりないテロ行為を断固非難する」と批判し、「日本がテロに屈することは決してない」と訴えた。

 続いて、首相は昨年末の衆院選で与党が勝利したことについて「『安定した政治の下で、この道をさらに力強く前進せよ』ということが総選挙で示された国民の意思」と主張。「『戦後以来の大改革』に力強く踏み出そうではないか」と呼びかけた。

 アベノミクスの第3の矢と位置づける「成長戦略」では農協改革を筆頭に挙げた。全国農業協同組合中央会(全中)を一般社団法人に移行し、地域農協への指導・監査権を廃止することで「意欲ある担い手と地域農協が力を合わせ、ブランド化や海外展開など農業の未来を切り拓(ひら)く」と訴えた。

 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉については「最終局面、いよいよ出口が見えてきた」と指摘し、「米国とともに交渉をリードし、早期の交渉妥結を目指す」とした。

 また法人実効税率の引き下げやエネルギー市場改革、医療分野での「混合診療」の拡大などを改革のメニューに盛り込んだ。原発については「新規制基準に適合する原発は再稼働を進める」と改めて表明した。

 経済再生では、消費税を10%に引き上げる予定の2017年4月までに賃上げの流れを地方に届け、「経済再生と財政再建、社会保障改革の三つを同時に達成していく」と語った。

 また歴史認識をめぐり、「戦後70年の節目の年。我が国は先の大戦の深い反省とともに、ひたすら自由で民主的な国をつくりあげ、世界の平和と繁栄に貢献してきた。その強い意志を世界に向けて発信する」と述べ、戦後70年の首相談話への意欲を示した。

 憲法改正については、与野党に対して「憲法改正に向けた国民的な議論を深めていこう」と呼びかけた。

 外交・安全保障では「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする安全保障法制の整備を進める」と述べ、集団的自衛権の行使などを認めた昨年7月の閣議決定を踏まえた法整備を行う考えを改めて示した。

 日中関係については「様々なレベルで対話を深め、安定的な友好関係を発展させる」と主張。第2次安倍政権発足以来、首脳会談が行われていない韓国に対しては「関係改善に向けて話し合いを積み重ねる。対話のドアは、常にオープンだ」と呼びかけた。

 日ロ関係では「(プーチン)大統領訪日を本年の適切な時期に実現したい。平和条約の締結に向け、粘り強く交渉を続ける」として、北方領土問題の前進に意欲を示した。

 演説に先立ち、政府は総額96兆3420億円と過去最大の新年度予算案を国会に提出した。午後から麻生太郎財務相による予算案への財政演説のほか、岸田文雄外相による外交演説、甘利明経済再生相による経済演説も行われる。
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朝日新聞社
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