2015年03月18日

◆ファシストはプーチンと習

平井 修一



「プーチンの生き残り策は『嘘と暴力』」(英フィナンシャルタイムズ3/3)から。

<政府が路上で反対派を殺し始める時、一線を越えて蛮行へ踏み込んだことになる。プーチン大統領は好んで、ウクライナ政権をファシズムだとして非難する。

だが、1930年代のロシアとドイツの政治を本当に彷彿させるのは、プーチン氏がかき立てている攻撃的で自己憐憫的なナショナリズムだ。これが国内の反対派の迫害、そして今や殺害と関係している。

*何人も殺害されてきた反対勢力

クレムリン(大統領府)から見える場所で野党指導者のボリス・ネムツォフ氏が射殺された事件については、外部の人間は、プーチン氏が殺害を命じたのかどうか知りようがない。

しかし、プーチン氏とその支持者たちが、ネムツォフ氏暗殺を許容可能にした国家主義的な妄想の雰囲気を作ったのは間違いない。国営テレビは繰り返し、ウクライナにおけるロシアの戦争を批判してきたネムツォフ氏に「裏切り者」のレッテルを貼った。

ネムツォフ氏は死ぬ数週間前に、ロシアの新聞に「プーチンに殺されるのではないかと思う」と語っていた。その不安は無理からぬものだ。なぜなら、プーチン大統領を声高に批判する人は死ぬ羽目になる傾向があるからだ。

そうした人の中には、2006年にモスクワで射殺された調査報道ジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤ氏や、同じ年にロンドンで毒殺された元ロシア諜報員のアレクサンドル・リトビネンコ氏が含まれる。

リトビネンコ氏の死に対する審問が現在ロンドンで行われている。勅選弁護士のベン・エマーソン氏は冒頭陳述で、リトビネンコ氏の毒殺に使われた「ポロニウムの痕跡は、プーチンの執務室のドアまで真っ直ぐたどれる」と語った。

毒物を投与した嫌疑がかけられたアンドレイ・ルゴボイ氏は、英国に身柄を引き渡されなかった。それどころか、ロシア議会の議員に選出されている。

この暗澹たる過去を考えると、ネムツォフ氏殺害事件に対するプーチン政権の捜査を真に受けることはできない。ウクライナ東部からモスクワの路上に至るまで、暴力を解き放ち、その暴力について嘘をつくことが、プーチン氏率いるクレムリンの標準的手順となっている。

*プーチン大統領の嘘

プーチン氏の嘘は、つじつま合わせの作り話と代替的な現実を提供するだけでなく、同氏が罪に問われないことを顕示している。

プーチン氏の嘘を受け入れることを選ぶ人は、同氏の権力を認めているか、あるいは自分自身の愚かさを証明している。クレムリンとしては、どちらの結果も受け入れられるものだ。

ネムツォフ氏の殺害は、最近の法を無視したロシアの行動パターンに当てはまる。この1年で、ロシアは隣国の一部だったクリミアを強制的に併合した。東部ウクライナの反政府勢力に武器を供与し、その後、反政府勢力が民間航空機を撃墜し、298人を死なせた。

ロシアは外交上の取り決めを破り、停戦協定に違反した。核兵器をひけらかし、英仏海峡の上空に核武装爆撃機を飛ばした。抗議するほど勇敢なロシア人は非難され、今では殺害されるようになった。

権力を失うことに対するプーチン氏の不安は、昨年のウクライナの革命でさらにかき立てられた。

モスクワにおける同様の「カラー革命」を阻止し、我が身を守ろうとする決意が、プーチン氏のすべての行動を結びつける赤い糸だ。

ウクライナを巡る西側との対立は、プーチン氏の支持率を高め、反対派を弾圧する口実を与えた。

ネムツォフ氏がモスクワでデモ行進を先導する予定だった数日前に殺されたことは、恐らく偶然ではない。そしてネムツォフ氏の殺害により、プーチン氏が自発的にクレムリンを去る危険を冒す可能性はいっそう低くなった。

プーチン政権の嘘と暴力の過去は、今後、さらなる再評価を促すはずだ。
プーチン氏は、ロシア国民と近隣諸国にとって同氏が脅威であることを示した。西側にとっても脅威であると考える方が賢明だ。

*西側はロシアの封じ込めに専念を

プーチン氏との対話努力は、概ね無駄に終わった。西側は代わりに、かつてソ連を封じ込めたように、ロシアを封じ込めることに専念すべきだ。

ロシアの封じ込めは、ウクライナに対する経済支援の拡大を意味するはずだ。軍事費の増額とポーランドおよびバルト諸国における北大西洋条約機構(NATO)のプレゼンス拡大も意味するはずだ。さらに、ロシアに対する経済制裁、特に支配層のエリートを狙った経済制裁の強化を意味するはずである。

クレムリンはこれらすべてを「ロシア嫌い」と見なすだろう。筆者の見る限り、これ以上真実からかけ離れたことはない。この10年間で筆者が出会った人のうち、最も立派で印象的な人物の一部はロシア人だった。ネムツォフ氏もその1人だ。

ロシア人がプーチン氏に反対する運動で大きな役割を担うには、時に畏怖の念を抱かせるような肉体的な勇気と知的な頑強さが求められる。

ネムツォフ氏はその勇気の代償として命を落とした。しかし、死の直前に行われた本紙のインタビューで、ネムツォフ氏は前へ進む道を描いていた。

「プーチンは嘘をつく。だが、いつまでも隠し通せるわけはない・・・我々には健全な忍耐が必要だ」>(以上)

「嘘と暴力」の強権政治でプーチンと足並みを揃えているは習近平だ。英フィナンシャル・タイムズ3/5は、同日に開幕する中国全人代に触れて、中共が排外主義、外貨排斥、国家主義を煽っていると報じている。もちろん戦争を仕掛けてアジア覇権を狙う習近平の作戦だ。

<*敵対的な外国勢力

神経質になっている外国の投資家は、国家主義と、特に日本と欧米の企業に対する外国嫌いが強まる兆候を見極めようと、今年の(全人代の)秘密会議と会議に伴う報道合戦を注視することになる。

中国の最高幹部らはここ数週間、教育、法制度、情報技術(IT)、労働組合を含むいくつかの分野で「敵対的な外国(ないし西側)勢力」を激しく非難している。

直近の攻撃は今週、中国政府の支配下にある労組のトップから繰り出された。この労組最高幹部は「敵対的な外国勢力」が労働運動に入り込んでいると痛烈に批判し、中国の労働問題に取り組む非政府組織(NGO)にとって悪い前兆となった。

過去数年で外国人に対する敵意が増しており、外国企業が自分たちを市場から排除したり不平等な競争の場に置いたりすることが狙いだと感じている、政府の措置によって悪化した。

*雷鋒に学べ

3月5日の形式的な国会(全人代)の開幕日は、すべての中国人が模範的な兵士の善行(架空の話である可能性もある)について学び、思い出すことを奨励される「雷鋒に学ぶ日」に当たる。

1962年に倒れてきた電柱の下敷きになって死んだ雷鋒は死後に、全国的なキャンペーンで毛沢東と共産党、そして中国の人民に対する無私の献身の権化としてもてはやされた。

学歴の高い多くの中国人にとっては、雷鋒は冷笑と皮肉の対象になったが、共産党は近年「社会主義的な道徳」を高める手段として雷鋒のイメージを復活させた>(以上)

残虐で好戦的で嘘八百の独裁者であるプーチンと習近平を「ファシスト」と呼ばずにどう呼べばいいのか。「ヒトラーもどき」「ならず者」「ゴロツキ」「ヤクザ」・・・いい言葉があれば教えてくれ。(2015/3/17)

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