2015年03月19日

◆歴史問題の解決は困難

Andy Chang


台湾の228事件記念日のあと、テレビで「転型正義」という題目で討論会があった。転型とは、改めて別の形で正義を求めることだろう。228事件とそれに続く38年にわたる白色恐怖政治があった。

白色恐怖が終わっても国民党の暴虐政治は祝っていない。だから人民の恨みは今も消えていない。台湾人は現在になっても存在する暴虐政治を清算し、新しい民主政治、新しい正義を求めると言うことである。

228事件の元凶は蒋介石、蒋介石の軍隊、そしてその後の国民党政権の暴虐政治である。蒋介石も当時の加害者はみんな過去の人である。そして被害者もみんな過去の人である。だが中華民国政権は今でも暴虐な加害者である。つまり加害者は今でもまだ居る。

被害者の恨みは消えていない。人民は不満である。ぜ不満なのかというと、現在の国民党政権も加害者であり、現代の台湾人民も被害者であると言う意識があるから、過ぎ去ったこととして清算できないのである。正しい政治が行われていないから人民は正義を求めるのだ。

●台湾人民が求めるもの

228事件で12万人以上の台湾人が行方不明になったと言う。その後の白色恐怖政治でも数万人の被害者が出ている。今の世代は孫や子供の世代だが、現政権に不満だから「正しい政治」を求める。

正しい政治とはなにか。台湾では人種問題が大部分を占める。つまり国民党政権の外省人を優遇し、台湾人を差別している人種問題、公務員と退役軍人に対する優遇措置、為政者の権力濫用に対する不満などである。

過去の被害者についてはどうすればよいのか。李登輝が総統だった時代に228事件の被害者に対し金銭の補償が行われた。しかし金銭だけでは済まない。迫害は続いているのだ。

人民が求めているのは(1)228事件に対する事実の究明、(2)国民党が今でも公開しない記録の公開と討論、それに続く謝罪、(3)人種問題の改善と政治の民主化、(4)新しい公平で民主的な政治、などである。つまり台湾人民は今になっても国民党政権の反省はなく、正義が通らないと認識している。人民が参与できる政治を求めているのである。

●過去と現代、加害者と被害者

歴史問題は過去のことである。過去のことを論じるのは現代の人々で、加害者と被害者もいないのに、加害者側と被害者側に分かれて論争する。双方は殆ど和解することが出来ない。

真相が欲しい、加害者側の反省が欲しい。補償が欲しい。対話が欲しい。このいずれの問題をとっても過去を完全に清算し和解が成立する可能性はない、和解しても再燃する。謝罪しても謝罪が足りない、補償しても金額が足りないと言えば再燃する。過去のことを現在になって討論するのは問題の政治化であり、政治に利用されれば解決は難しい。

228事件の場合は国民党という加害者が今でも存在する。しかし南京虐殺や慰安婦問題など、一方が被害者のふりをしてウソをばら撒けば無知な民衆はすぐに飛びつく。解決は困難である。

だが歴史問題はいろいろな国にもある。台湾の歴史問題はまだ解決していないが、日本は中国と韓国に歴史問題を悪用され、「加害者と呼ばれる被害者」となっている。

●過去を断ち切ること

ドイツの場合はナチスとヒットラーの過去を清算し、現在のドイツはナチスドイツとは関係がないとして成功した。つまり現在のドイツは加害者ではない。過去を取り上げても問題にならないのである。ユダヤ人虐殺も過去の事実として認め、謝罪は済ませ、今のドイツは加害者ではないことに成功している。

台湾の場合は国民党政権が続く限り過去を清算できない。国民党が過去を清算するためには人種問題と国民党がひた隠しにしている資料を一般公開し事実を明らかにしたうえで謝罪しなければ和解は成り立たない。

国民党が政権を握っている限り「台湾の中国人」は加害者と言われる。現代の台湾人が今でも国民党に迫害されていると言った意識を持つ限り、加害者と被害者の立場は消えない。

日本にとって大切なことは過去と現在を分別することである。歴史問題では加害者も被害者も既に存在しない。日本はサンフランシスコ平和條約を締結して戦争を終結した。現代の日本は加害者でないという立場を明らかにすべきである。中国、韓国が「歴史を政治化」しても、現代日本は加害者の立場から論争すべきではない。歴史論争はいつまでたっても解決できない。

中国は賠償金を取って生産を済ませたのに、今でも歴史問題を政治化して日本を攻撃し、政治的に有利な立場を取ろうとしている。韓国は慰安婦問題を歪曲して日本に歴史の追及を迫っている。こんな時に「そのような事実はなかった]」と反論しても無駄である。

現在の日本は戦前の日本軍部とは違う。中国や韓国が歴史問題を取り出しても反論するより、戦争裁判は終わった、賠償は済んだ、現在の日本は加害者ではないと言う立場を強調すべきである。


       
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