平井 修一
習近平は相変わらずバカなことをやっており、汚職摘発のために密告を奨励し始めた。子が親を公安に売るという文革時代並である。ところが、「もし世論調査があれば習の支持率はプーチン並の80%にはなるだろう」という論考があった。
中共ではロシア同様、習に非を唱える報道はまったくないのだから、結局、人民の多くは「習は正しい」と刷り込まれ続けるだけ。基本的に暗愚のままだ。そういう国といかに戦うか、我々は考えなくてはならない。
在米の戦争平和社会学者、北村淳氏の論考「国産地対艦ミサイルの輸出を解禁して中国海軍を封じ込めよ 日本にとって好機となる米国の対中A2/AD戦略」(JBプレス2014/11/13)は勉強になった。以下要旨。
<先月、アメリカ連邦議会下院軍事委員会のフォーブス議員は、「中国海軍をいわゆる第1列島線に接近させないための具体的な軍備態勢を、アメリカが主導して構築していくべきである」という書簡を米陸軍参謀総長オディエルノ大将に送った。
フォーブス議員たちが推し進めようと考えている対中A2/AD(接近拒否)戦略は、中国海軍や航空戦力が第1列島線へ接近することを阻止する構想である。これは米軍関係国防シンクタンクが提言しており、それに対中軍事政策に関わる連邦議員たちが着目したわけだ。
この構想は、従来のASB(空海戦)作戦の発想とは異なっている。ASB作戦は、アメリカ側の海中・海上・航空戦力を(質的に)強化して、中国海軍や空軍が第1列島線から第2列島線へと侵攻するのを撃退する、という発想だった。
それに対して対中A2/AD戦略は、「中国海軍が第1列島線を突破するために必ず通過しなければならないチョークポイント(海峡や島嶼と島嶼の間の海域)を射程圏に収める地上発射型長距離対艦ミサイルを多数配備して、軍事的緊張が高まった際には、中国軍艦艇が第1列島線に接近すること自体を阻止してしまう」というものである。(以下に参考地図)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42188?page=2
そして、それらの地上発射型長距離対艦ミサイルを運用する部隊は地上の部隊であるため必然的に陸軍であるという点が、これまでとは大きく異なっている。これまでのASBをはじめとするアジア重視政策に対応した軍備態勢では海軍と空軍が主役であり、陸軍は出番がなかったのである。
現在、西側軍事サークルで評判が高い地上発射型長距離対艦ミサイルは、スウェーデンのRBS-15地対艦ミサイルである。しかし、それと互角あるいはそれ以上の性能を有すると考えられる地対艦ミサイルは陸上自衛隊が運用している12式地対艦誘導弾システムである。
また、陸上自衛隊が運用している88式地対艦誘導弾システムも、チョークポイントによってはやはり十二分に有効なミサイルシステムである。
これらの日本製の地上発射型長距離対艦ミサイルは、これまで日本政府が武器輸出3原則に拘泥してきたため国際社会に知られることがなかった。その結果、アメリカ軍関係者といえどもそれらの“凄さ”を認識していないし、これらの存在すら知らない専門家も少なくない。
しかし、米軍関係者だけでなく、対中A2/AD戦略におけるチョークポイントを有する諸国の防衛担当者が日本の地対艦誘導弾システムの実力を知りさえすれば、アメリカによる対艦ミサイルの開発を待って時間を浪費してしまうよりは、必ずや日本のシステムを導入する途を選択するはずである。
これから長距離対艦ミサイルを開発しなければならないアメリカとは違って、日本はすでに極めて優秀な国産長距離地対艦ミサイルシステムを保有している。したがって、この国産ミサイルシステムを増産してフィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポールそれにアメリカに輸出すれば、アメリカ主導よりも極めて短期間で対中国A2/AD戦略がスタートすることが可能となる。
第1列島線上に位置する日本は、アメリカ以上に早急に対中A2/AD戦略を具体的に始動させる必要がある。幸い、武器輸出3原則の縛りを安倍政権は取り払う方針を打ち出した。国産地対艦ミサイルシステムを活用して、アメリカが構想している第1列島線への中国艦艇接近阻止戦略を、日本が主導権をもって実施していく好機は今をおいてない>(以上)
矛と盾で、日本は盾を重視してきたが、迎撃ミサイルのように高価でありながら完璧に迎撃できないという難があり、十分な予算がないために、これでは中共の安価で大量のミサイルには対抗できないことが今、問題になっている。米軍も予算削減で「抑止力のためには攻撃力を高めることを優先すべきだ」という議論になり始めたようだ。
攻撃は自分の好きな時、好きな場所で始められるが、防衛は24時間年中無休でそれを監視しなければならないから、どうしても後手後手になるし、莫大な金がかかる。高価な迎撃ミサイル保有が1000発のときに2000発の安価なミサイルで攻撃されたらもうおしまいだ。
攻撃は最大の防御、ということを日米が認識し始めたことは、中共への大いなる抑止力となるだろう。(2015/3/19)