2015年03月23日

◆”日本”で一喜一憂する韓国の不思議

黒田 勝弘



韓国は毎日のように日本、日本、日本だ。日本のことが気になって気になって仕方がないという風景だ。よく、世論調査の結果に出るように「いちばん嫌いな国は日本」が本当なら、これはたまらなく不愉快だろう。

「われわれはもう日本の属国ではない!」「日本のことなどもう見たくも聞きたくもない!」と叫ぶに違いない。

今年は韓国が日本の統治から解放されて70年。しかし「日本のことはもういい」という声はどこからも上がらない。「日本離れできない韓国」とは筆者が10年ほど前に書いた本のタイトルだが、相変わらず日本、日本、日本なのだ。

20日の韓国紙の1面トップも「敗戦70年ぶりに安倍(晋三首相)が米議会で演説」(中央日報)である。韓国では日本の首相が訪米して議会で演説するという話に異様な関心を示している。「安倍演説実現」に対しては、いまいましい雰囲気がありありで、ついでにミシェル・オバマ米大統領夫人の日本訪問にも嫉妬(?)がうかがわれる。

安倍首相の米議会での演説への関心は、歴史への反省に言及するかどうかなのだが、日米は70年前に戦争したのだから当然、そうした歴史には触れるだろう。関係ない韓国が騒ぐのは、慰安婦問題で日本に反省させようということだが余計なことだ。

そこまでの関心と“干渉”は日本人の反韓感情を刺激するだけということが分かっていない。

韓国(のマスコミ)は日米関係が深まることに、どこか不安と嫉妬を抱いているように見える。

結果的に安保関係で日本の役割が増大することに伝統的な警戒心を働かせるということは分からないでもないが、この地域の安全保障問題で日本抜きの米韓安保協力はありえないという現実を見ようとしない。

先ごろシャーマン米国務次官が米国内の講演で「政治指導者が過去の敵を非難することで安上がりな拍手を受けることは難しいことではない」と述べたと大騒ぎしたのもそうだ。

特定の国を挙げたわけではないのに、韓国で一斉に不満と非難の声が上がったのは、韓国のことを言われたと思ったからだ。この裏には、過去にこだわった韓国の対日外交に米国が不満と批判を抱いているという話が伝わっていたことがある。

韓国マスコミは「日本の肩をもった」と嫉妬(?)する前に、米国向けに慰安婦問題などで日本非難に熱を上げるという、日米韓3国関係の中での自らの特異さ、異様さを振り返ってみるのが先だろう。

先に大騒ぎしたメルケル独首相の訪日では「歴史で日本に厳しく注文」などと我田引水して大喜びしたが、これも不思議だ。韓国はもう十分に大きく強い国になったのだから、日本のことで一喜一憂することはないと思うのだが。

いや、韓国への日本の影響はいまだそれほど大きいのだろうか。その意味で最近の一喜一憂の中で韓国側に最もショックだったといわれているのが、安倍首相の国会演説や外務省のホームページなどで、韓国を「日本と自由民主主義などの価値を共有する国」と明示しなくなったことだ。

これは「反日無罪」をはじめ日本批判なら何でもありという韓国の対日姿勢に対する日本人の嫌気の反映である。日本と価値を共有する米国も韓国のそういうところにいらだっているのだ。(在ソウル)

産経ニュース【緯度経度】2015.3.21(収録:久保田 康文)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック