2015年03月29日

◆「核」が日中開戦を抑止する(82)

平井 修一



「米中戦争はネットワーク戦――米アナリスト」(朝雲、日付は失念したが2014年秋)から。

<米シンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)の著名アナリスト、エルブリッジ・コルビー氏がこのほど、ワシントンで西太平洋地域での米国と中国の軍事対立と、戦争に発展した場合、重要となる作戦行動などについて講演を行った。

コルビー氏は、中国がアジアの海洋国家を威圧して西太平洋地域を支配するのを決して許してはならないと強調。そうした事態を回避するには、米国が力を発揮しなくてはならないと主張した。地域の各国が中国と対峙すべきだとの議論には、経済負担が大きく「米国以外は引き受ける能力はない」とし、中国経済が減速する中で、米国は長期にわたって中国との対峙を続けられるとの見通しを示した。

またコルビー氏は、米国の究極の目的は中国が行動を起こすのを抑止することであり、誰も米中間の戦争は望んでいないとしながらも、「戦争回避の最良の手段は、強大さを維持すること」として、仮に戦争が不可避となった場合には、中国が引き下がるくらいの大きなコストを投じる必要があると指摘した。

また、両国間の戦争はレーダー、衛星などのほか、ミサイル発射基地、飛行場といった互いの「ネットワーク」拠点をいかに攻撃するかの戦いになると予想。中国軍のこれら拠点は本土にあることから、「中国の主権域にある目標の攻撃にも備える必要がある」と主張し、攻撃のエスカレーションを支配できれば、中国は報復を抑制するとの楽観論を展開している。

米国は中国の台頭を背景に、アジア太平洋地域への「リバランス(再均衡)」戦略を進めているが、コルビー氏は米国にとってのアジア地域の重要性や米中軍事対立で予想される展開などを分かりやすく説明しており、米外交専門誌のナショナル・インタレストは、リバランス戦略への国民の支持を得るための貴重な人材と評価している。(ロサンゼルス=植木秀一)>(以上)

毛沢東は「わが国は人口が多すぎる。核戦争で半分が死んでも構わない」と言ったが、貧困層の反乱を恐れる中共も当然そう思っている。上記の記事には核兵器について触れていないが、日本は核武装を(輸入やレンタルなどで)真剣に検討すべきだと思っている。核兵器を使うかどうかではなく、持っていることが最大の抑止力になるからだ。

ジョン・ミアシャイマー氏(1947年-)は、米国の政治学者で、シカゴ大学政治学部教授。日本でも知名度が高まっている。国家が他国に対してパワーの拡大を試みる行為主体だと想定して安全保障を研究する攻撃的現実主義(offensive realism)の代表的論者として知られる。

ニューヨーク市生まれ。ウェストポイントを卒業後、将校として米空軍に7年間在籍する。空軍在籍中の1974年に南カリフォルニア大学より国際関係論の修士号を取得。空軍退役後、1981年にコーネル大学から博士号を取得する。

地政学の泰斗として敬意を表されており、氏の著書の翻訳なども手掛けている奥山真司氏が、最近のミアシャイマー教授来日講演内容の要約をサイトに載せている。以下転載する。

<中国の台頭にたいする日本の反応

1)アジアで変化しつつあるバランス・オブ・パワー

本講演での焦点は、中国の台頭とその発展が、アジアにおけるバランス・オブ・パワー(balance of power)にどのようなインパクト与えることになるか、である。

中国とその周辺国たちの間のバランス・オブ・パワーが変化しつつあることに加えて、本講演では米中間のバランスと、アメリカのヨーロッパとペルシャ湾にたいするコミットメントが、アジアにおけるアメリカのプレゼンスにどのような影響を与えるかという点にも大きく注目していきたい。

2)この地域への影響

私が主張したいのは、

「もし中国が今までのような急激なペースで経済発展を続けるのであれば、軍事力をさらに強化して、アメリカが西半球(=南北アメリカ大陸)で行ったような形でアジアを支配しようとする」

ということだ。

中国はアジアで「地域覇権国」(regional hegemon)になろうとするはずだが、その理由は、それが大国にとって「危険な世界で最大限安全を確保する最適な方法だから」だ。

これは実質的に「中国は周辺国とのパワーの差を最大化しようする」ということであり、北京政府はインド、日本、そしてロシアなどよりもはるかに強力になろうとするということだ。

加えて、中国はアジアからアメリカを追い出そうとするだろうし、アジア版の「モンロー・ドクトリン」(縄張り死守)を発展させることになる。

また、中国は自分たちのシーレーンを保護し、ペルシャ湾のような戦略的に重要な地域に戦力投入するために、外洋海軍を整備するだろう。

中国の周辺国(アメリカも含む)のほとんどは、中国を封じ込めつつ、それが地域覇権国になるのを防ぐために、あらゆることをするはずだ。中国のライバル国たちは中国を阻止するために「バランシング同盟」(balancing coalition)を結成するだろう。

日本はこの同盟において重要なプレイヤーの一人になるはずだが、それを機能させる上で中心的な役割を果たすのはアメリカになる。

このような結果として、中国とその周辺国の間では戦争を引き起こしやすくなる「安全保障競争」(security competition)が激化するはずだ。

この地域では戦争につながりそうな発火点がいくつかある。朝鮮半島、南シナ海、台湾、そして東シナ海の尖閣諸島がそれだ。

3)日本への影響

もし中国がその台頭を継続するのであれば、日本は防衛費をはるかに増額しなければならないだろうし、日中戦争のリスクは目立って高まるはずだ。

さらにいえば、日本は核武装の可能性についても長期的かつ熱心に考えなければならないだろう。

その理由の多くは、このような大量破壊兵器が「究極の抑止力」(theultimate deterrent)であるからだ。

また、日本はこの地域の主要国(major power)の中では核武装をしていない唯一の国である。日本が核武装をしていない最大の理由は、アメリカが日本に「核の傘」を拡大しているからだ。

ところがアメリカが中東で負け戦の泥沼にはまりこみ、長期化する可能性のあるウクライナ危機の対処にとらわれ続ければ、日本がこの「拡大抑止」(extended deterrence)の信頼性に疑いを持つ可能性は高い。

4)結論

日本は、中国がこのまま目覚ましい台頭を続けないように祈るべきであろう。なぜならこれに失敗すると、日本はアジアにおいてますます危険度が高まる安全保障環境に直面することになるからだ>(以上)

以上の論考を経済面から考えてみよう。小生の見立てによると中共経済はかなり失速してきた。産経の田村秀男氏は鉄道貨物輸送量を見ると実際のGDPはマイナス成長なのではないかと書いていたが、「新常態」という安定成長とは裏腹の長期低迷に入りつつあると小生は思っている。日経2014/12/13から。

<中国の金融市場に再び不穏な雰囲気が漂っている。中国人民銀行(中央銀行)は11月22日から約2年4カ月ぶりの利下げに踏み切ったが、緩和効果は乏しい。

人民銀によると、今回の利下げの目的は景気刺激ではなく、「中小零細企業の資金調達コストが高止まりしている問題を解決すること」。ところが人民銀の狙いとは裏腹に、現実には中小零細企業どころか国家電網のような国有の大企業でさえ資金調達コストが上がり始めている>(以上)

人民は理財商品などの金融商品に手を出さなくなったのだ。資金がなければ企業は投資できないし、事業は手詰まりになる。一方で賃金と物価は上がる一方だからリストラして過剰設備、過剰人員を整理していかないと沈没してしまう。リストラすれば血が出るからとぐずぐずしており、打つ手なし。中共経済は鍋底に向かっているとしか考えられない。

そういう点を考えると、ミアシャイマー教授の「もし中国が今までのような急激なペースで経済発展を続けるのであれば軍拡からアジア覇権に向かう」というのは、ちょっと違うのではないかと思う。

中共は経済が不振であっても一党独裁という、高官にとってはたまらなくオイシイ体制を維持するためにアジア覇権を目指すはずだ。景気が悪いと戦争しない、景気がいいと戦争する、というものではないだろう。ウクライナとロシアは景気が悪くても戦争をはじめ、さらに一段と景気が悪くなっても完全な停戦合意には至っていない。

戦争はいつ勃発するか分からない。日中は「不測の事態に備えて海上連絡メカニズムをつくろう」と合意しているが、中共、習近平の夢は「日清戦争以来の50年の恨み」(人民網)骨髄、憎い日本と戦争し、そして完勝し恨みを晴らすことなのだから、連絡メカニズムなんて進展するわけがない。

勝てば人民の支持を得られ、中共独裁体制は安泰になる。彼らは戦争を求めているのだ。敗ければ人民から総スカンを食らい中共帝国は崩壊する。座視していれば長期不況で民心は離れる。ここは「死中に活を求めて」戦争にかけるしかない。背水の陣だ。

毛沢東はパンツ一枚になってもいいと必死で原爆を開発した。毛を崇敬する習はパンツ一枚になる覚悟で日本に絶対勝つための軍事力を備えるだろう。

日本は核武装をはじめ粛々と中共軍殲滅の方策を構築すべきである。備えあれば憂いなしだ。出る習を撃て!(2015/3/28)


   
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