2015年04月17日

◆インフラ銀はサブプライム

平井 修一



習近平不況により中国経済はヨタヨタしている。「中国、輸出入とも減少=景気への懸念強まる−3月」から。

<【北京時事4/13】中国税関総署が13日発表した3月の貿易統計によると、輸出は前年同月比15.0%減の1446億ドル(約17兆4000億円)、輸入は12.7%減の1415億ドルとなった。輸出入ともに振るわなかったことで、景気減速懸念がさらに強まりそうだ>

春節の2月が好調だった反動だという見方もあるが、巷の景気を見ると「相当まずいことになっている」としか思えない。姫田小夏氏の論考「AIIBが担う新シルクロード構想の裏側に透ける中国の焦り」(ダイヤモンドオンライン4/10)から。

<中国がイニシアチブを握る新シルクロード構想は、中国の国際社会への影響力増大ばかりが注目されるが、ひとたび国内に目を向けると「崖っぷちの中国」があぶりだされてくる。そこには、やむにやまれず新シルクロード構想を打ち出したという切迫した事情がある。

「つい先日、広東省に出張に行ったのですが…」と話すのは都内のシンクタンクに在籍する中国人女性、陳さん(仮名)だ。陳さんが明かす現地の状況は、つい数年前の「活況呈する中国経済」とはほど遠いものだった。

広東省では今、閉鎖する工場が少なくない。経済発展に伴う人件費や物価の上昇に加え、近年の地価高騰や通貨切り上げで、中国沿海部では生産の維持が困難になった。中国はまさしく「世界の工場」に終止符を打とうとしており、繊維工場や電子部品工場が相次いで倒産している。経営者が夜逃げするなどのニュースも決して珍しいものではなくなった、云々>(以上)

中国のインフラ銀行はデタラメ融資によりリーマンショックのような金融/信用不安をもたらすかもしれないとロイターが危ぶんでいる。「乱立する国際金融機関、サブプライム危機再来も」から。

<[ニューヨーク4/7日ロイター]米国が住宅ブームの絶頂期にあったころ、借り手は一生安泰に見えた。不動産価格が高騰するにつれ、最も信用リスクの高い人たちでさえ、簡単に融資を受けることができた。銀行は担保条件を緩め、所得証明書の提出も求めなかった。だが、こうしたやり方はうまくいかなかった。

サブプライムローン危機は、ある種の競争が行き過ぎたときに何が起きるかヒントを与えてくれる。サブプライムローンは収入以上の暮らしを求める消費者には素晴らしいかもしれないが、金融機関にとっては危険を招きかねない多大な譲歩を伴う。それが極限状態になったとき破綻が待っている。故に、新たな規則や融資基準が少なくとも必要となる。

こうしたサブプライムローン危機と同じことが、世界的な経済開発資金で起きてもおかしくはない。プレトンウッズ協定により、欧米主導の世界銀行と国際通貨基金(IMF)が設立されて以降、この2つの機関が、危機にある国や貧困脱却を目指す国への融資を担ってきた。

しかし現在、IMFと世銀の覇権は、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)やシルクロード基金、新興5カ国(BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)による新開発銀行などの台頭に直面している。

世銀のキム総裁は7日、米戦略国際問題研究所(CSIS)での講演で、「適切な基準があれば、AIIBや新興5カ国が設立する新たな開発銀行は、貧困国や新興国の経済発展にとって大きな力となる可能性がある」と述べた。

しかしながら、米国のサブプライム危機が示すように、多国間融資の過当競争は、民間の体力を弱らせ、ガバナンスの悪さを助長し、貧富の差を潜在的に拡大させる危険がある。独裁的指導者が率いる貧しい国家が、最も甘い条件で最高の融資を得るために、アジアの新国際金融機関を利用しようとするのは想像に難くない。

このように主張するのは主に米共和党議員だが、IMF改革への彼らの反対がほぼ間違いなく、中国を独自の投資銀設立に向かわせたのは皮肉なことだ。

2016年の米大統領選に向け、7日に共和党指名候補争いへの立候補を表明したランド・ポール上院議員(ケンタッキー州選出)は、4年前に上院選に出馬した際、世銀とIMFが「有用性を失い、世界経済の発展を損なっている」として、米国は手を引くべきだと主張した。

ポール議員は、中国とインドが貧困から抜け出せたのは国内改革によるものであり、世銀の融資によってではないと指摘。チリと韓国についても同様だとした。また、ひどい経済政策を取るアフリカ諸国に対する数百億ドル規模の融資の一部は、改革を回避し「民主政治の発展を妨害する」ために使われたと批判した。

IMFに関しては、より金利が高く、より厳しい財政規律が求められる資本市場での調達から「腐敗した無能な政権」を救ったと非難。政府や民間金融機関は救済を当てにするようになり、「無責任な行動」を助長したと述べた>(以上)

融資がろくでもない政権を延命させてしまっているという現実は少なくないのかもしれない。それでもインフラ銀行に、本気かどうかは知らないが多くの国が吸い寄せられている。

風刺マンガ家・激辛トウガラシこと王立銘氏の風刺画と論考「中国の新銀行に魅了された世界を待つ未来」(ニューズウィーク4/7)から。まずは以下をご覧じろ。

http://www.newsweekjapan.jp/rebelpepper/2015/04/post.php

<国政府が設立を提案したアジア投資インフラ銀行(AIIB)は、全世界で大きな反響を巻き起こした。今のところ51カ国が参加を表明しているが(台湾、香港を入れると53の国と地域)、その中にはイギリスやフランス、ドイツ、イタリア、さらに韓国といったアメリカの同盟国も含まれる。

アメリカの猛烈な反対にもかかわらず、AIIBに加盟申請したのはこれらの国だけでない。台湾も自分の価値を安売りすることをいとわず、AIIBに加盟する意思を表明した。今やアメリカと共に踏みとどまっているのは日本だけだ。

経済的メリットだけに気を取られ、その設立提案国である中国とその他の世界の間に存在する大きな価値観の違い、そして中国の抱える様々な矛盾を無視してこの強権国家の側に立つことは、共産党政権の正統性を強化し、その寿命を長らえ、民主化の実現を遠ざけるだけだ。

加盟表明した国に対して私は非常に失望を覚える。共産党政権と取引することがいかに危険な結果をもたらすか、いずれ歴史が証明するだろう>
(以上)

欲に目がくらんで、目の前のマンホールのふたが開いていることに気が付かない。韓国では歩道が陥没して男女が落ちた。一寸先は闇。尻の毛まで抜かれないように用心することだ。(2015/4/13)

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