2015年04月28日

◆「日米同盟+軽武装で」いいのか

平井 修一



富国強兵なくして国家なし。「軽武装」とは「戦後の復興・富国のために経済重点主義で行くが、安保のための強兵では軽武装+日米同盟で行く」という政策である。安保を軽視するものではないことを予め書いておく。

PHPリサーチ・ニュース4/21「強い意志をもった楽観論で未来を切り拓け 牛尾治朗(ウシオ電機代表取締役会長)×永久寿夫(PHP総研研究主幹)」から。

<松下幸之助がみずからの「相談役」としていたのが、年齢が40歳近くも若い牛尾治朗氏である。松下政経塾を設立する際、「政治家の地位は自ら勝ち取るもので、育てるなどというヤワなやり方ではだめだ」と反対する牛尾氏に、松下幸之助は「自分が塾長をやるから、副塾長になってくれ」と協力を要請したという逸話がある。

日本青年会議所会頭、第2次臨時行政調査会(土光臨調)専門委員、経済同友会代表幹事、経済財政諮問会議議員などを歴任し、長きに渡って、わが国の改革に携わってきた政財界の重鎮・牛尾氏に、今後の日本が進むべき方向についてお話をうかがった。

1.福祉の無駄はもっと省ける

2.経済の繁栄にはすばらしい経営者を育てること

3.シルバーデモクラシーを払拭する

4.故郷に帰って起業すべし

5.自分の考えで決められる人を育てる

6.軽武装経済重点主義を貫け

7.自分が何とかするという強い意志をもて

(平井:上記のうちの「6.軽武装経済重点主義を貫け」を転載する)

永久 ところで、安倍政権は、武器輸出三原則の変更や集団的自衛権の解釈の変更をし、これからは憲法9条の改正にも取り組むのだろうと思われていますが、こうした動きをどう評価しますか。

牛尾 日本の保守本流は、吉田茂以来、軽武装経済重点主義です。日本の教養ある指導者の8割はこれを支持していると思う。

ただ、インターネットなどもそうですが、先端技術などの半分は防衛産業の中から生まれてくるわけで、防衛産業を国際的に展開できないと科学技術や産業の面で世界から取り残される。

さらに軽武装といっても、周辺のレベルからみると、まったく役に立たないものになる恐れがある。これでは専守防衛は成り立たちません。

永久 安倍政権の方向は、軽武装経済重点主義の観点からも、理にかなっているということですね。

牛尾 外交的に影響力が大きいのは、金銭的な経済協力です。だから、ODAを減らすのは間違いで、福祉予算を2割下げても、例えばエチオピアの老人を大事にするという精神を忘れてはいけませんね。

永久 それは日本の仲間というか、サポーターを増やす、維持するという、そういう意味ですか。

牛尾 そうです。これまでの努力によって、日本に対する評価は高くなりました。だから、米タイム誌の「国家イメージランキング」でも英BBCの「世界に良い影響を与えている国」でも、日本は世界1位になっているじゃないですか。それが日本の外交力を高め、繁栄を継続させる力になるわけです。

永久 国際環境の変化によって、日本の外交・安保政策は変わるべきだと思うのですが、アメリカはオバマ政権の中で何やら方向性が見えなくなってきた部分があり、その一方で中国が相当力を強めてきて日本との摩擦を大きくしている。

軽武装経済重点主義を維持すべきとしても、現実的に維持していけるのでしょうか。集団的自衛権はどうとらえますか。

牛尾 軽武装経済重点主義を実現するために、アメリカが日本を一方的に守るという日米安保条約が画期的な役割を果たしてきたわけです。

条約締結当時の日本の経済力を見ると、GDPは世界の0.3%、一方でアメリカは40%を占めていた。だから、それでアメリカも了解した。

それが、ある時期に、日本が15%になり、アメリカが25%になる。いまは日本が8%ぐらいで、アメリカが25%ぐらいですかね。

そうなると、一方的に守ってもらうというのは、アメリカの国民感情を考えても、できないでしょう。やはり、アメリカが攻められた時には、ある程度でも日本もアメリカを守らないといけない。そうしないと日本は守ってもらえないかもしれない。つまり、日本が軽武装主義を維持できなくなる恐れがある。

永久 そうしたことを考えずに、ただ防衛力を削減しろという昔の非武装中立論みたいな議論がありますし、逆に憲法9条を改正して重武装自主独立みたいな議論もありますね。

牛尾 これだけ大きな国を武力なしに平和に保つのは無理でしょう。といって、自主独立でいくんだというのも間違い。アメリカは日本が核兵器を持つことを一番恐れている。やはり、日米同盟を主軸にした軽武装を、まぁこれからあと50年は続けるべきです>(以上)

軽武装で50年後に日本があるのかどうか・・・

「アメリカは日本が核兵器を持つことを一番恐れている」というのは米国の本音だが、米国は日本に核の傘を保証できないから「日本は核武装を検討すべきだ」という論も増えている。

地政学者のジョン・ミアシャイマー曰く「もし中国がその台頭を継続するのであれば、日本は防衛費をはるかに増額しなければならないだろうし、日中戦争のリスクは目立って高まるはずだ。さらにいえば、日本は核武装の可能性についても長期的かつ熱心に考えなければならないだろう」。

真剣にリアリズムで我が国と地域の安保を考えた場合、「日米同盟+核も保有する重武装」でいかないと戦争を抑止できないのではないか。中共が日本を侮るのは、日本が「究極の抑止力」である核兵器を持っていないからだ。

「中国がこのまま目覚ましい台頭を続ると、日本はアジアにおいてますます危険度が高まる安全保障環境に直面することになる」(ミアシャイマー)

安保法制の神学論争よりも一番大事なのは現実的な抑止力である。今こそ核武装の議論を盛んにすべきだ。それ自体が抑止力にもなる。(2015/4/25)

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