2015年05月05日

◆日本と中国、あれこれ

眞鍋 峰松


昨年4月のある日の毎日新聞に、次のような北京駐在記者の記事が載っていた。

 『北京市中心部の繁華街にあるDVD販売店。週末、妻と子供と3人で立ち寄った際、店員の子供とみられる小学1年生の女の子が、生後8カ月の長女に興味を示して話しかけてきた。

「中国語が変ね。どこの国の人?」。「日本人だよ」と妻が答えると、女の子は「日本人なの!? 殴らないで!」とおびえた表情で後ずさった。

思わぬ反応に、妻ともどもあぜんとした。「日本人はどうして殴ると思うの?」と問いかけたが、女の子は「日本人なのになぜ殴らないの?」と、不思議そうに尋ね返してくるばかりだった。

外国人が行かないような田舎ならともかく、北京市内でも外国人の多い地区だ。中国在住の期間が10年を超え、ほとんどのことに動じなくなっている妻も「こんなこと言われたの初めて」とショックを受けていた』というのである。
 
この記事を読んだとき、私も唖然とし、慄然とした。 一体、この国では小学校でどういったことを教えているのだろうか、と。女の子の家庭内での会話や、ひょっとしたらテレビや映画の中の知識から、日本人を暴力団並みに見做す刷り込みがあったのかも知れない。 

記者自身が指摘しているように、『中国の学校では反日教育が進められており、戦跡なども見学するようだし、テレビでも日々、反日感情をあおるような報道や、旧日本軍を敵役にした「抗日ドラマ」が放送されているようだから、「日本人=殴る人」というイメージを持っている子供は、きっと1人ではないはずだ 』、という実態なのだろう。 

それにしても、この国には不可解なことが多い。

今年1月の同紙上海駐在記者の記事では、“来日旅行者急増:普通の中国人「普通の日本を知りたい」”の見出しの下に、『 中国でビザの発給件数が最も多い上海の日本総領事館では、昨年の発給件数が前年に比べ2倍以上の約87万件と過去最高を記録 』と報じている。

また、記者自身は『2012年秋、中国各地で吹き荒れた反日デモの現場で「日本を倒せ」の大合唱の中にいた自分としては、あの時の空気は何だったのだろうと自問自答する 』と記し、

中国の若者へのインタヴュー記事では、『 呂さんたちと話をしている時もそうだったが、最近、こうした取材で「日中関係が悪いけれど」と聞くのにためらいを感じる。特に若い世代だと「またその質問ですか」とあきれ顔をされ、たいてい「関係ないです」と返ってくるからだ 』として、

記事の最後に『ただ、人は自分とは違うカテゴリーにいる人たちを捉える時、一つの定義でくくりがちだ。外国を説明するのも、「こういう国だ」と分類してしまえば分かりやすい。せざるを得ないという面もある。

だが、それは実相とは異なる。日本人にしても、中国人にしても、「だから中国は」「だから日本は」だけで終わってしまうと、それだけでは相手の国の巨大なパズルを埋めることはできないと思う 』と、締めくくっている。

私の実感からも、日本に行ったことがある、または日本人と関係がある中国人が、総じて日本に好意的な印象を持っている人が多いと感じるのは事実だが、それでは、普段、日本と接点のない中国人が持つ日本の悪いイメージをどう改善していくのか、ということになる。                            

双方の国民がお互いの文化の違いを認識し、相手の文化への理解の上に立って、初めて「友好」が成り立つ。本来のお互いの文化・習慣の違いや、とりわけ、中国側で、戦後日本の変化を無視し、この無視の上に立った反日教育によって、さらに大きな誤解、歪曲を量産して、悪循環を繰り返すようでは、とうてい真の友好など夢のまた夢となってしまうのは間違いない。

近年、日・中両国の間には、尖閣列島や伊豆諸島・硫黄島近辺の我が国領海への中国官船や漁船の侵犯を巡って、きな臭いニュースが相次いで報じられているが、この状況下で双方の国民間の成熟した友好関係を結ぶことはなかなか難しい。 

だが、本当に未来志向の友好関係を結ぼうというのなら、日本において中国や韓国に対するヘイト・スピーチを厳しく取り締まろうとする世論の盛り上がりに応じて、中国側でも、少なくても中国国内での反日教育や反日感情をあおるような報道や、旧日本軍を敵役にした「抗日ドラマ」などの放送を自粛することが先決だろう。

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