2015年05月06日

◆大事な「ゲストミックス」

平井 修一


4月8日と9日、天皇皇后両陛下はパラオ共和国をご訪問、慰霊された。1万人の将兵の霊がお迎えしただろう。彼らの奮戦のおかげで日本は滅亡の危機を脱した。英霊に誇れる立派な日本にすることが我々の義務だ。

パラオについて書く。「パラオが困惑する“ありがた迷惑”な中国人観光客」から。

<【4月3日 AFP】中国で経済的に豊かな人が増え、新しい海外旅行先を見つけようという動きが広がる中、大勢の中国人が太平洋の島国パラオを訪れている。しかし必ずしも歓迎されてはいないようだ。

今年2月にパラオを訪れた観光客の62%近くが中国人だった。2014年1月より16%も多い。パラオの人たちはこの急増ぶりに当惑している。

上海から来たチア・イーシンさん(30)は、オンラインで見つけたパラオ6日間の旅に1133ドル(約13万5000円)払うのを少しもためらわなかった。「ここはまるで楽園。上海の空気は汚染されているけど、ここの人たちは環境を大事にしている」と彼女は言う。

皮肉にも、中国人観光客の急増による環境汚染がパラオの多くの住民にとって一番の心配事になっている。

押し寄せる中国人の波を押しとどめようとしているパラオ政府は今年3月、中国からのチャーター便の本数を今年4月は半分にすると発表した。トミー・レメンゲサウ大統領は、観光業が特定の国に依存してしまうことを防ぐための政策であって、特定の国の人を差別するものではないと述べた。

レメンゲサウ大統領は「われわれは成長をコントロールしたいのか、それとも成長にコントロールされたいのか、ということだ」と記者団に語った。「指導者としてこの状態をそのままにしておくのは無責任だろう。私は現在だけを見ているのではなく、指導者として将来のことも考えている」>(以上)

旅行産業、とりわけ宿泊業界は「ゲストミックス」を非常に重要視する。特定の国に依存してしまうと、その国(市場)が何かの事情で海外旅行を抑制すると、途端に経営が困難になるから、いろいろな国からゲストを迎えるようにするのだ。

たとえば日本人50%、アジア人30%(中、台、韓10%ずつ)、欧米人20%と枠をつくる。どこかの市場がこけても修復可能だ。リスクヘッジのためでもあるが、「あのホテルは○○人がやたらと多い」といった評価が広まれば、他の国の人々は利用しなくなるからだ。

ホテルや旅館に限らず、飲食店や小売店も特定市場への依存度を強めると思わぬ反発を招く。高級レストランが○○人に占拠されたようになれば、○○人以外は確実に敬遠する。

ちょっとおしゃれして高級デパートで買い物を楽しもうと一歩入ったら、○○人が○○語を大声でしゃべっている。こんな店には誰も行かなくなる。

経営が苦しい地方の旅館などは○○人専用になっているところも珍しくないだろう。背に腹は代えられないから「ゲストミックス」なんて言っていられないという事情も分かるが、いつまでも来ると思うな○○人で、一蓮托生で経営破綻するリスクは大きい。

<観光庁は3月26日、宿泊旅行統計調査の結果を発表した。2014年の外国人の延べ宿泊者数(速報値)は4482万人泊で前年に比べて33.8%増加した。年間の訪日外国人旅行者数が1341万人に達したことに伴い、過去最高を記録した。

日本人を含めた延べ宿泊者数4億7232万人泊に占める外国人の割合は9.5%に上昇し、約10人に1人が外国人になった。

外国人の延べ宿泊者数では、40都道府県が前年の実績を上回った>(観光経済新聞4/4)

海外市場抜きで日本の宿泊業界は成り立たない。海外市場に振り回されるのではなく、海外市場をコントロールするためには「ゲストミックス」がますます必要になる。

今年の春節には○○人が帝国ホテル東京にも押し寄せたそうで、帝国を定宿にしている海外のビジネスマンが予約を取れずに往生していた。ホテルの品格を保つためにも「ゲストミックス」は大事である。(2015/5/5)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック