2015年05月09日

◆習近平、カザフスタン電撃訪問

宮崎 正弘 


<平成27年(2015)5月8日(金曜日通算第4533号 > 

〜 習近平、カザフスタンを電撃
ロシアは中国の中央アジア接近に不快感と警戒〜

7日、習近平はモスクワ訪問の前座であるかのように、突如、予定になかったカザフスタンを訪問し、ナゼルバエフ大統領と「一帯一路」の枢要やハブともなる物流の問題、シルクロード構想の具体化、AIIB参加を真っ先に表明したカザフスタンとの友誼などを話し合った。

習近平は5月9日にモスクワで開催される「軍事パレード」に臨席するが、8日にプーチン大統領と会見し、軍事パレードのあと、ベラルーシへ飛んでルカシェンコ大統領との会談も決まっている。

カザフスタンは、ナゼルカーンと渾名されるナゼルバエフ大統領が二十七年にわたる独裁、その一族が利権を独占し、民衆の怨嗟の的となっているため、このナゼル王朝が崩壊すると、エジプトのムバラク体制、リビアのカダフィ体制、イラクのサダム体制の崩壊同様に大混乱に陥ることは必至である。

ところがカザフスタンは石油埋蔵も巨大、ウラン埋蔵は世界第二位、レアメタルの豊富に算出する資源大国であり、中国の隣国。トルクメニスタンからのガスパイプラインも、このカザフスタンを通過している。

中国にとってカザフスタンは地政学的にも重要な位置づけにある。

天山山脈の水資源をめぐって中国と揉め続けている一方で、ロシアとは、経済的絆が強かった者の、原油暴落以後のロシア経済の失速の影響を受けて、カザフスタン経済は良好とは言えなくなった。

したがってナゼルバエフ大統領にとっては、中国の「シルクロード構造」に真っ先に飛び乗ることは、目先にぶら下げられたニンジンの如くでもあり、一方、プーチンにとっては、横から外交的成果を習近平に奪われることになる。

モスクワは不快感と警戒を強める。

5月9日、赤の広場で、プーチンと習近平がどのような表情で並ぶのか、見物である。「中ロ蜜月」などというのは所詮、狐と狸の化かし合いなのだから。
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