2015年05月26日

◆朴槿恵は世界一寂しい女性か

杉浦 正章



大国外交のはざまでひしひしと孤立感


文学的表現をすれば、世界一寂しい女が無聊を託っているというところであろうか。オバマは集団的自衛権の安倍と肝胆相照らす。頼みの綱の習近平もだんだん離れて日本に近づいてゆく。国民は日本旅行が大好き。韓国大統領・朴槿恵が周りを見渡せば、反日をけしかけて、自己保全を図る輩(やから)ばかり目立つ。


ついつい口車に乗って、ユネスコの世界遺産申請にまで「言いつけ外交」を展開したが、得意の「歴史認識」で大間違いをした。明治時代から強制労働(徴用)があったと歴史に残る大誤認をしてしまった。


ユネスコ憲章は「人の心の中に平和の砦を気付かなければならない」と高らかに平和の理念をうたっているが、朴は自らの心の中に「平和の砦」どころか、“過剰反応外交”で「反日の砦」を築き上げてしまい、引くに引けない自縛状態だ。


そもそも韓国の大統領府の補佐能力はどうなっているのであろうか。他国の世界文化遺産登録にクレームを付けるという異常な行動をとるなら、その歴史をひもとき、綿密な上にも綿密な検討を加えて、確証を掴んだうえで対応すべきだろう。


ところが肝心のポイントが歴史の大誤認だ。朴は「日本が一部施設で非人道的な強制労働が行われた歴史に目を背け、世界遺産への登録を申請した。世界遺産条約の精神に背き、不必要な対立を招く」と「強制労働」に直結させて攻撃の火ぶたを切った。 


しかし強制労働は日本が申請した遺産の対象時期である1850年代から1910年の間には行われていない。強制労働、いわゆる徴用は1939年に国民徴用令が制定され、第二次世界大戦の終結まで行われた。当初は朝鮮人は国民徴用令の適用を免除されていたが、1944年8月8日に朝鮮人にも適用するとした閣議決定が行われる。


その後、1944年9月から、1945年8月の終戦までの11ヶ月間実施された。しかし日本本土への朝鮮人徴用労務者の派遣は1945年3月までの7ヵ月間であった。外相・岸田文男が「韓国が主張している朝鮮半島出身の民間人徴用工問題とは、対象となる年代、歴史的位置づけ、背景が異なる」と主張するのは当然だ。
 

朴は執拗にユネスコ事務局長のボコバに「歴史を無視したまま、世界遺産に登録申請することは世界遺産条約の精神から外れ、国家間の不必要な分裂を招く」と伝えた。韓国側は、日本が登録を求める23資産のうち、7資産で日本の植民地時代に朝鮮半島出身者計5万7900人が「強制労働させられた」と主張しているが、例えあったとしても時期が違うのだ。


日本は国連分担金と同様にユネスコへの分担金も世界第2位の37億円だ。韓国はその10分の1だが、ユネスコ活動に対する戦後の日本の貢献ぶりを理解することも、隣国として当然のことであるはずだ。
 

もっとも朴を理を持ってじゅんじゅんと説いても、心に「反日の砦」を築いてしまっては無理だ。朴に日韓友好を説くのは、八百屋で「鮟鱇くれ」と言うようなものだろう。


同じ女性でも米国の女性は高級官僚ともなると外交的な視野が格段に広い。一度紹介したが、国務省次官・ウェンディ・シャーマンは去る2月にカーネギー財団で戦後70年をテーマに講演した。そのポイントは「愛国的な感情が政治的に利用されている。政治家たちにとって、かつての敵をあしざまに言うことで、国民の歓心を買うことは簡単だが、そうした挑発は機能停止を招くだけだ」と発言したのだ。


明らかに朴の姿勢を戒める発言だ。うじうじと歴史認識に拘泥している朴と、シャーマンの物事を見切る眼は雲泥の差がある。
 

もう当分、朴の反日言動は「馬耳東風」と聞き流して放置しておくしかないが、世界遺産の問題だけは1歩も譲歩するべきではあるまい。問題は譲歩とか、妥協が行える政治・外交マターではなく、歴史的事実か否かの問題だからだ。


官房長官・菅義偉が「技術的、専門的見地からの審査を期待したい」と述べているのは至極妥当だ。さらに議長国のドイツなどにあるといわれる、強制労働の記念碑設置の仲裁案も、安易な妥協だろう。


世界遺産委員会での登録決定は「全会一致」が通例だが、委員国から反対意見が出た場合、投票で決することも可能だ。その場合3分の2以上の賛成で決定する。このため、多数派工作が必要となる。


安倍は6月7,8日のドイツ・エルマウ・サミットの際にメルケルらに“根回し”をするのもよいかもしれない。

     <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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