2015年05月28日

◆米海軍はリムパック参加賛成

宮崎 正弘
 

<平成27年(2015)5月27日(水曜日 通算第4553号 >

 〜米国議会の中国強硬派は『リムパックに中国を呼ぶな』と主張している  米海軍はリムパック参加賛成、ホワイトハウスは曖昧、対中外交の腰、定まらず〜

すがに『中国を制裁せよ』という声は米国議会にまだ聞かれないが、懲罰論は広く唱えられている。急先鋒はジョン・マケイン上院議員だ。

マケインは共和党有力議員で、先の大統領選挙では共和党候補として善戦した。かつてベトナム戦争では空軍パイロット、長くベトナムで捕虜生活を送ったが、いまではベトナムに足繁く通うほどにベトナム贔屓となった。

ちなみにジョン・ケリー国務長官もベトナム戦争に参加し、勲章をもらっているが、途中からベトナム反戦運動の闘士になった。

そのケリーとて、ベトナム訪問は数回に及ぶのだから歴史の皮肉である。すべては中国海軍の南シナ海における傍若無人の悪行に立腹したからだ。

米国海軍は空母をベトナムに寄港し、精神的にもベトナム軍を鼓舞している。また同時に米国海軍主体の軍事演習『リムパック』に中国を呼ぶことに反対していない。

次回のリムパックは2016年夏、ハワイ沖で展開され、いまのところ、中国をはじめ21ヶ国が参加する。中国は2014年に初参加、ただし作戦海域にスパイ艦船も派遣したので米国が怒った経緯がある。

南シナ海の諸群島、岩礁にセメントを流し込んで埋立て、滑走路、波止場、軍事設備、海水淡化装置、兵舎を片っ端から建てた。いまやその面積は600エーカーに及ぶ、マレーシア、ブルネイ、フィリピン、インドネシア、そしてベトナムが強く抗議している。

中国は米国からのクレームに対しても、「当該海域は中国領であり、よけいなことに介入するな」とふんぞり返った。

ハリー・ハリス太平洋艦隊司令官は「砂漠の万里の長城」と比喩したが、偵察機を飛ばすと中国軍が接近してくる状態となっている。まもなく当該海域をふくむ空中に「防空識別圏」を設営するだろうと米国ペンタゴンは見ている。

米国政府部内では中国問題で依然として意見の不一致があり、軍事交流を深化させてすこしでも中国の脅威を減らせというグループから、もはや中国とは距離をおくべきと主張するグループもある。

ホワイトハウスの態度は曖昧のママである。
 
中国海軍との交流を増やすことに賛成なのは海軍作戦本部主任のジョナサン・グリナット提督で、かれは呉勝利(中国党軍事委員会委員。大将)と密に連絡をとってきた。

しかしペンタゴンのトップに立ったカーター国防長官は「米空母の中国寄港は取りやめる」としており、次回リムパックには中国を招待しない方向に傾いているという

米軍関係者のあいだにも、中国の軍事力評価に於いて千差万別があるものの、議会の方向性、ペンタゴントップの考え方は、中国軍との交流を減らすことが望ましいとする意見が多数を占めるようになった。 
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