2015年05月29日

◆世界遺産「反日」猛攻の韓国

新井 好典



安倍晋三首相の米議会演説を妨害するため執拗(しつよう)な攻勢を仕掛けてきた韓国が、今度は「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録の動きに対して猛烈な反対活動を行っている。

米議会演説では韓国の攻勢をはね返して「外交的勝利を得た」とも言われた安倍政権だが、「官民を挙げて行う韓国の反日ロビー活動力は侮れない」との指摘も根強い。今後も続くであろう韓国の執拗な反日攻勢をどうはね返していくのか?

「ここまで来ると、もはや“いちゃもん”のレベルだよな」

政府関係者の1人はあきれ顔で韓国の対応をこう嘆くが、それもそのはず、韓国の遺産登録反対活動が事実をはき違えて行われているためだ。

もの作り大国日本の原点を伝える産業革命遺産は8県23施設からなるものだが、すでに国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が登録を勧告。最終的に6月下旬からドイツで開かれる世界遺産委員会で判断される。

これに対して韓国側は、長崎県などの7施設で日本の朝鮮半島統治時代に朝鮮人が徴用されたなどと反発。朴槿恵大統領自ら構成国のコロンビアやペルーなどを歴訪して登録反対を訴えたほか、20日にはユネスコのボコバ事務局長と会談して登録に反対する考えを伝えた。さらに、登録を認めないよう求める書簡を構成国に送付するなど活動を活発化させている。

だが、イコモスが「西洋から非西洋国家に初めて産業化の伝播が成功したことを示す」などと評価の対象としたのは1853年から1910年までの期間で、韓国が反対の根拠としている時期や趣旨とは大きく異なっているのが実情だ。

このため日本政府内では「申請を取り下げることはもちろん、イコモスの勧告の内容を変更することは絶対にしない」(政府高官)との認識で一致。韓国からの要請を受けて22日に外務省内で3時間にわたって行われた日韓当局間協議でも、日本は韓国側に理解を求めるだけで、一切妥協はしなかった。

一方で、韓国による切り崩し工作を警戒して韓国以外の構成国に対する働きかけを強化。副大臣や政務官を派遣して直接協力を要請するほか、さまざまなルートを使って日本に対する支持を訴えているという。

まさに先の米議会演説に続く日韓外交ビッグマッチとも言えそうだが、これまで韓国の反日外交に数々の煮え湯を飲まされ続けてきた日本がなぜ米議会演説でいわゆる“外交的勝利”をあげ、また今回の世界遺産問題でも優位な戦いを展開できているのか。

その理由を政府関係者の1人は「日本としてはどんな話し合いや協議でも行うが、理不尽な要求や事実無根の反日プロパガンダには屈しないという意志を安倍政権が貫いているからだ」と解説。さらに、安倍政権が反日プロパガンダに対抗するために強化してきた対外広報戦略が効いてきたことを指摘する声もある。

例えば、政府の国際広報予算は平成25年度は8・5億円だったものが27年度には36億円まで大幅に拡充。外務省の対外発信のための予算も27年度は500億円増額された。

「日本をおとしめようとするキャンペーンが海外で展開されているのは事実だ。現実の日本とは全く違う姿をプロパガンダしている。しっかりとした広報を戦略的に考えていきたい」とする首相の強い意向によって実現したものだが、韓国政府内には「日本が莫大(ばくだい)な金を投じて対米ロビー活動を大展開している」などと警戒する声が出ているという。

とはいえ、これらの予算がすべて米国での韓国との外交戦に使われるわけではないし、安倍政権が誕生する2012年までの日韓の対米ロビー活動費を比べると、韓国は5年間で予算を倍増させ年間約4400万ドル(約52億8000万円)を投入。

年々額を減らして3000万ドルを割り込んだ日本に対し資金面で大きな差をつけてきた実績もある。また、米国に在住する日系人が約130万人なのに対し、韓国系は約170万人とマンパワーによる圧力の差は歴然だ。

それだけに、今後もしばらくは韓国による反日攻勢が続くことが予想されるが、日本としては国際社会に理解される対応をどこまでとり続けていけるかがカギとなりそうだ。
(産経新聞政治部編集委員)

産経ニュース【政治デスクノート】2015.5.28
                 (採録:松本市 久保田 康文
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