2015年06月03日

◆リラかライラックか

渡部 亮次郎


日本語にすると何かしらロマンチックになるのだろうか、アルプスの牧場には楡(にれ)の木に鳥が啼いたり、札幌の時計台には楡の花が咲くと、高校の先輩東海林太郎(しょうじ たろう)が歌っている。

同じように情緒的に歌われるのが「リラ」の花である。長じてヨーロッパへ旅するまでは実物に出会ったことはなかった。ブリュッセルのレストランの庭に紫色の薫り高い花が満開だった。「あれはライラック即ちリラの花だよ」とドイツ育ちの友人が教えてくれた。

吉岡妙子「リラの花かげ」、岡本敦郎(あつを)「リラの花咲くころ」倍賞千恵子「リラの花散る町」、加門 亮「リラ冷えの街」は、みんな「ライラック」を歌っていたのだ。それを知っていたかどうかは無関係だ。リラはフランス語、英語がライラック。

ライラック(Lilac、学名:Syringa vulgaris)はモクセイ科ハシドイ属の落葉樹。ライラックの呼称は英語の仮名転写に由来し、他にフランス語由来のリラでも呼ばれる。和名はムラサキハシドイ(紫丁香花)。

ヨーロッパ原産。春(日本では4―5月)に紫色・白色などの花を咲かせ、香りがよく香水の原料ともされる。

日本には近縁種ハシドイ(紫丁香花) (Syringa reticulata) が野生する。開花はライラックより遅く、6―7月に花が咲く。ハシドイは、俗称としてドスナラ(癩楢、材としてはナラより役に立ちにくい意味)とも呼ばれることがある。

花言葉は友情・青春の思い出・純潔・初恋・大切な友達など。

ハシドイの名は、木曽方言に由来する。属の学名 Syringa は笛の意で、この木の材で笛を作ったことによるという。

欧州の民間伝承では白い花のライラックを家に持ち込むと不吉なことが起こるとされている。(「ウィキペディア」)2010・7・4

リラ=Lilas、Lilac。そう、リラはライラックの別称ですが、音楽にも乗り安いし、何となく情緒的な叙情的な感じがするから、リラの方が良いでしょう。寺尾智沙・田村しげる夫妻の手によるものですが、白い花の咲く頃より、より抒情的でよりメランコリックな出来上がりになっております。

この作品も岡本敦郎が歌って大ヒットさせました。リラの花弁は白、ピンク、薄紫、紫と色々ありますが、宝塚歌劇団の「すみれの花咲く頃」のフランス原曲も実は原詩を訳すと「リラの花咲く頃」。この場合は白いリラの花です。さらに、このフランス曲にも原曲があって、ドイツ原曲の「ニレトコの花が咲く時」というらしいです。ニレトコ(ドイツ)→リラ(フランス)→すみれ(日本)となったわけです。リラの花咲く頃

   JASRAC Code No.094−2028−2

   リラの花咲く頃
    
作詞:寺尾智沙
   作曲:田村しげる
   歌唱:岡本敦郎
   MIDI制作:滝野細道

   1.リラの花が 胸に咲く今宵
     ほのかな 夢の香に
     ああ 思い出の あの囁き
     遠く遥かに 聞こえ来るよ


   2.リラの花が 胸に散る今宵
     やさしく 手を組し
     ああ 過ぎし日の あのメロディー
     霧の彼方に 流れ行くよ


   3.リラの花が 胸に哭く今宵
     はるばる 別れきて
     ああ 懐かしの あの面影
     ひとり狭霧の 小径(みち)を行くよ
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