2015年06月06日

◆米中の裏の「黒い交際」

平井 修一



日本戦略研究フォーラム政策提言委員・拓殖大学海外事情研究所教授・澁谷司の論考「米国は習政権を揺さぶる1枚目の『対中カード』を切ったか?(続) 」から。

<前回の小コラムで、米証券取引委員会(SEC)が賄賂による人事採用の疑いがあるとして、JPモルガン・チェース(以下、JPモルガン)に中国政府関係者35人の召喚リストを送付し、その召喚状のトップに王岐山の名が記載されていると紹介した。

それ故に、王岐山訪米による(米国に逃亡した中国汚職官僚の)「キツネ狩り」が突然キャンセルされたのかもしれない。

これには続報がある。SECはここ数ヶ月、JPモルガンだけでなく、ゴールドマン・サックス、モーガン・スタンレー、UBS、クレディ・スイス銀行、ドイツ銀行、シティ・グループ等にも採用に関して情報提供するよう要求していたのである。

実際、ゴールドマン・サックスは江沢民・元国家主席の孫、江志成を雇用している。JP・モルガンは光大集団理事長・唐双寧(中国銀行業監督管理委員会副主席を務める)の息子、唐暁寧を採用した。同社はかつて鉄道省(2013年に解体)運輸局長だった張曙光の娘、張西西(音訳)も入社させている。

以前JPモルガンは(当時首相だった)温家宝の娘、温如春(仮名:常麗麗Lily Chang)の会社(従業員2人)に毎月7万5000米ドル(約900万円超)を支払っている。年額にすると90万米ドル(約1億8000万円以上)に上る。

また、同社は高虎城・現商務大臣の息子、高〓(王篇に玉)を縁故採用している。採用面接で成績が悪かったにもかかわらず雇用した。

この不適切な人事には、当時の同社幹部、ウィリアム・ディリー(オバマ政権で大統領首席補佐官や商務長官等を歴任)が関与していたという。

つまり、中国共産党の「紅二代」(建国に功績のあった党幹部の二代目)、「官二代」(党・政府等の高級幹部の二代目)らは、一部の米財界と中共をつなぐ“架け橋”の役目を担っていると考えられよう。

これらの事実から推察すれば、ホワイトハウスの一部と中共が癒着している可能性を排除できない。また、米巨大銀行・証券会社は中共最高幹部と浅からぬ関係があると言えよう。前者が後者から、何らかの利益供与を受けていると疑われても仕方ない。

ひょっとすると、米中両エリートは表面的な米中“政治的対立”とは裏腹に、陰ではお互い親密な関係にあるかもしれないと考えられる。

前回の小コラムで、中国海軍が南シナ海で実効支配を固めつつあるとも指摘した。フィリピンなどのASEAN関係諸国ばかりか米国さえもが、中国による同環礁の人口島構築に対して神経を尖らせている。

米政府としても、これ以上中国軍の勝手な行動を許すわけにはいかない。そこでオバマ政権は中共に揺さぶりをかけようとして、SECを通じて1枚目の「対中カード」を切った公算が大きい。もしこれ以上中国が南シナ海で好き勝手をすれば、米政府は次々と「対中カード」を切るというサインである。

ただ問題は、習近平政権がしっかりと人民解放軍を掌握しているか否かだろう。もし習政権が軍を掌握できていれば、米政府のSECを通じての“警告”に耳を傾け、南シナ海の“膨張政策”をある程度抑制するかもしれない。その場合は同海域の「現状維持」が保たれる。

けれども習政権の意図とは関係なく、軍が独自に行動しているとなれば事態は厄介である。中国軍は米国の“警告”を軽視し、今まで通り“膨張政策”を継続するに違いない。

そして、中国軍は(習近平が掲げた「中国の夢」)「偉大なる中華民族の復興」「中国的世界秩序」の復活の実現化を試みようとするのではないか。

果たして「現状維持」勢力である日本・米国・インド・オーストラリア等が連帯し、「現状打破」勢力である中国の“野望”を打ち砕くことができるのだろうか。

南シナ海で米国がその関与を減少させ、我が国が「集団的自衛権」の行使を自粛するなど、日米が一部のASEAN諸国に対し“非協力態度”が明白になるとしよう。その時中国軍は嵩に懸って、同海域で“膨張”するに違いない>(以上)

お代官様=中共、越後屋=米国か。毒饅頭をあげたり、貰ったり。これが中共流ウィンウィンだ。

それにしても支那人は利権や金を餌にして米国エリートをたらしこむのが実にうまい。戦前からそうだ。クリントン夫妻も亭主が大統領になってから(なる前から?)中国系マネーを稼いできた。日経BP2007年9月11日の古森義久氏の論考「疑惑の中国系マネーが民主党に」から。

<ますます熱気を増す米国大統領選挙キャンペーンで不正のにおいの濃い中国系マネーの流れが明るみに出た。同時にその中国系マネーを動かしていた刑事被告人の中国系米人の逃亡や逮捕がミステリーを深めている。

この疑惑の中国系マネーは、ヒラリー・クリントン上院議員をはじめ民主党政治家たちに集中して寄付されており、その巨額の資金の出所が果たしてどこなのか、疑惑の輪は広がり、これからの大統領選挙戦をも揺さぶりそうである。

米国の民主党には巨額な中国系マネーの流入では過去に多数の実例がある。

中国系米人ジョニー・チャン氏は中国人民解放軍の傘下企業幹部から渡された秘密資金のうち10万ドルを民主党全国委員会に寄付し、見返りの形で同幹部をクリントン大統領との会見に招いた>(以上)

この記事から8年後の今はヒラリーが主役だ。堀田佳男氏の論考「史上空前、3000億円の選挙資金を集めるヒラリー」(JBプレス4/16)から。

<今後ヒラリーの選対は有権者の心に響くメッセージと政策を打ち出す必要があるが、選挙で「もっとも重要」と言って差しつかえない集金術はすでに作り上げられている。

端的に述べると、ヒラリー陣営は25億ドル(約3000億円)を集めるつもりなのだ。

これは公式な選対が集金するカネだけでなく、「ヒラリーを大統領に」といった非営利団体、さらに「プライオリティーズ・USA」などのスーパーPAC(特別政治活動委員会)と言われる団体が集めるカネも含まれる。

3000億円という金額は途方もない数字だ。もし集金できたとすると、歴史上、政治家が集める資金としては史上最高額になる。

どうしてヒラリーはそこまでカネにこだわるのか。

第2次世界大戦後の大統領選の歴史を眺めると、より多くの選挙資金を集めた候補が勝ってきている事実がある。例外はない。選挙資金の集まりが悪い候補は大統領選では勝てないのだ。

例えばオバマ大統領の2008年と2012年、いずれも共和党候補(マケイン候補とロムニー候補)よりも多額の選挙資金を集めている。その前のジョージ・ブッシュ前大統領も2000年と2004年の両選挙で、民主党候補(ゴア候補とケリー候補)よりも多くのカネを集めた。

選挙戦で重要な要素として、選対の組織力、政策、候補の知名度、資質、指導力、判断力、将来性など、有権者が考慮すべき項目は数多いが、選挙資金ほど重視しなくてはいけない。

選対スタッフは、来年11月までに3000億円を集める戦略を練り、すでにカネ集めがスタートしている。

まず財政担当の責任者として、クリントン財団からデニス・チェン氏という人物を起用した。チェン氏はクリントン家が力を入れている財団の財政を一任されていた男性だ。

2011年にクリントン財団に入って以来、総額2億4800万ドル(約300億円)もの巨費を集めている>(以上)

凄腕、辣腕だが、Dennis Cheng, who? 国務長官時代のヒラリー子飼いの側近だ。35歳という若さ! 写真を見たら中国系らしい。米国越後屋は支那と親和性があるのだ。「黒い交際」になりやすい。(2015/6/5)


    
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック