2015年06月18日

◆安保法案の「違憲」判断

中村 秀樹(弁護士)

Q1:いわゆる集団的自衛権にかかる安全保障関連法案の審議中、参考人の憲法学者3人全員が同法案を「違憲」と断じました。そのような法案を提出・審議することは、そもそも許されるの?

A1:政治的是非は別として、法的には、法案の提出・審議自体は許されると考えられます。法律等が憲法に   適合するか否かを決定する権限は最高裁判所を頂点とする司法権に属し(憲法81条)。

   国会は自ら違憲と判断するのなら、法案を否決すればよいからです。

Q2:では、あらかじめ、最高裁判所の判断をもらえば、問題を一挙に解決することができますよね?

A2:確かにそのとおりです。

   しかし、現在の日本国憲法のもとでは、このようなことはできません。
   最高裁判所を頂点とする司法権は、特定の者の具体的な権利侵害等の紛争を前提として、
   これを解決するものとされているからです。

   具体的紛争を前提とせずに一般的に法律等を有効・無効とすることは、法権の侵害になると考えられて   いるのです。
 
ちなみに、外国では、具体的紛争がなくても一般的に法律等が憲法に適合するか否かを
決定する憲法裁判所を設けている例もあります。



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