2015年07月12日

◆欧米の肥満人口増深刻

渡部 亮次郎



親戚に「体重0・1トン」と自称する男が居る。若いころ、ラグビーの選手だったとかで、相当筋肉質の太り方。体重が100キロを超えているとは想像できない。

そういう自分も85キロに達したことがあった。37歳の頃。健康診断で医者に「痩せなけりゃ駄目ですね」と言われて秋の検診までに13キロ痩せていったら「こんなに急に痩せては身体に悪い」と言われて苦笑した。

しかし、糖尿病になりやすい遺伝子を持った人が肥満をきっかけに発症するとは知らなかった。もともとアジア人は貧困の歴史が長く、過食の歴史がない。そのせいでちょっとの過食で糖尿病になりやすいらしい。

中国でも経済事情も改善された沿岸部では猛烈な勢いで糖尿病が増えている。中国料理を見ればカロリーの高い物は少ない。肉類だってハイカロリーの牛肉はまともに使っていない。

ところが懐が豊かになったものだからステ−キをやたら喰って、結果、糖尿病患者急増という事態を招いている。専門医が各国から招かれ、日本からも相当、駆けつけている。

ところで産経新聞(2007・03・27)によれば、もともと肥満者の多い欧米だが「体重220キロにも対応できる救急車、重い患者を動かすリフトマン」と言う記事。もはや肥満は個人の健康問題にとどまらず、公害問題、社会問題ともなりつつある、というのだ。

以下、産経新聞に記事。

近年の肥満人口の増加ぶりは急激で、医療費の負担増を招くばかりでなく、交通機関の燃料消費も増え、排出される二酸化炭素の増加で環境にも負担がかかる。

欧米における肥満の増加は深刻だ。世界保健機関(WHO)によると、肥満の指標であるBMI(体重÷身長÷身長)数値が30以上の肥満人口は、1995年から2000年の間に世界で2億人から3億人以上に増加した。

人口に占める肥満者の割合(大人の場合)は米国で30.5%、英国で22.14%、オーストラリアは16.4%。日本(3.1%)や中国(2.9%)などアジア諸国に比べると、その数字は際だって高い。

肥満人口の増加に悩む米フロリダ州の病院では、重い患者を運ぶため、男性6人による特別リフトチームが結成された。体重約150キロを超える入院患者は、20年前は年に1人いるかどうかだったが、このごろは毎日のように運ばれてくるという。

一方、豪州のサウスオーストラリア州では、3月、引っ越しトラックのような大型救急車を導入した。体重110キロを超える患者は8年前は年間10人ほどに過ぎなかったが、いまでは100人近くに上るからだ。

ニューサウスウェールズ州でも最近、救急車の担架積載能力を180キロから220キロに強化した。同州では、大型救急車の出動回数が過去3年で2倍以上も増えたといい、救急ヘリコプターも、重い患者を搬送できる機材に変更する予定だ。

大型救急車の導入は、英国などでも相次いでいる。

肥満患者に対応できる救急車は1台約3000万円。行政側の負担も大きい。米国では肥満に関連した医療費支出が年間約750億ドル、うち約400億ドルが税金でまかなわれている。

米国人の場合、1990年代に平均4・5キロ体重が増えたために旅客機の燃料消費を押し上げ、年間380万トンの余分な二酸化炭素を排出しているとのデータもある。

英国では旅客機で太った乗客の隣に乗り合わせたために身動きが取れず、血液が凝縮し筋肉を切断する手術を受けたケースまで報告されている。WHOは「肥満は最も目に見えていながら最も放置されている公共的な健康問題だ」と警告している。(坂本英彰)
(Sankei Web 2007/03/27 22:53)
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