2015年07月26日

◆見え隠れする中華大帝国復興への鎧

加瀬 英明



米中台で固めた対決姿勢

6月末にワシントンに4泊して、帰国した。

滞在中に、中国から楊潔国務委員(前外相)と汪洋副首相に率いられて、約400人が繰り込み、国務省で第7回米中戦略経済対話が、2日にわたって開催された。

ところが、この間『ワシントン・ポスト』紙をはじめ、現地のどの新聞も米中協議について、1行すら報じることがなかった。テレビもまったく取り上げなかった。仕方がないので、私は3日にわたって、国務省のブログで、内容を検索した。

東京に戻ったら、日本の各紙が連日、米中対話について紙面を大きく割いて報じていた。
 
中国側が米中両国が「特別な2つの大国関係を構築」して、太平洋を2分しようと求めたのを、アメリカ側が無視し、中国による南支那海における人工島建設、コンピューターハッキングによるサイバー攻撃に対して強く抗議したものの、蛙の面に水を掛けたのに終わった。

アメリカで、中国の鍍金が剥げた。太平洋を挟んで向き合う、2大国のあいだの協議だというのに、まったく内容が無かった。

ワシントンは昨年10月以来だったが、中国が周辺諸国をいっそう露骨に脅やかしているために、アメリカの中国に対する態度が一変した。

中国側は9月に予定される習近平主席訪米を控えて、アメリカをできるだけ刺激しないように計算を働かせていた。といっても、訪米団の背広の下から、「中華大帝国を復興」して、太平洋を分割して覇権を握ろうとする鎧が、チラついていた。

いまや、アメリカは中国の脅威を意識して、日本との同盟関係をいっそう重視するかたわら、昨年まで台湾はまったくお呼びでなかったのに、台湾の安全に久し振りに目を向けるようになっている。

来年1月に行われる台湾の総統選挙へ向けて、『タイム誌』が蔡英文民進党候補を、大きく好意的に取り上げた特集記事をのせている。現時点では、中国に擦り寄る国民党政権が敗れて、蔡候補の当選が確実視されている。

南シナ海の人工島は、中国から1000キロも離れている。国家安全会議(NSC)の幹部と昼食をとったが、この人工島について、今後、アメリカは軍事力を背景にして、中国と対決する方針を決めたと、言った。

オバマ政権の眼がアジアへようやく向いたのには、中国が傍若無人に振る舞うのに加えて、安倍政権の日本が積極的平和主義を掲げて、アジア太平洋諸国の結束をはかって、アメリカを励ました成果が大きい。

日本の国会では、民主、共産、社民党などが、現実にまったくそぐわない、5、60年前の空想的な議憲論を振り回している。

民主党の岡田代表が「集団的自衛権は必要ない」「北朝鮮がアメリカへ向けてミサイルを発射した場合に、迎撃すべきでない」と述べたが、なぜ「日本安保条約を破棄するべきだ」と、はっきりいわないのか。

国会の安保法制論議は、幕末に長州征伐と馬関戦争に惨敗した後の長州藩を、連想させる。藩論が幕府に恭順しようとする俗論派に固まったのに対して、高杉晋作ら正義派が奇兵隊を率いて、立ち上った。俗論派、正義派は、高杉の命名によるものだ。

今日の日本にあてはめると、民主党や、マスコミが俗論派であって、自公、維新、次世代の党が正義派となるのだろう。


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