毛馬 一三
台風12号が去った途端、再び猛暑日がぶり返してきた。近畿全域では、日中最高気温が35度に達している。
毎朝の午前5時半過ぎ、小型愛犬ウォークテリアを連れてお決まりの「朝のコース」に出かける。これは、筆者「自身の腰痛症治療で、両足両腿の筋肉鍛錬」も込められている。
夏場の朝は、地面の温度が上がらない土の「公園内」を何周か回って、途中で切り上げ早々に帰ることにしている。
最近の朝、愛犬仲間の男性と出会った。朝の挨拶を交わしたあと、「同じマンションの10歳の老犬が熱中症に患って亡くなった」という話を聞かされた。
真昼の猛暑の時に散歩に連れ出したところ、途中で荒く喘ぐような息使いをし、大量のよだれを吐き出しながら倒れ込み、意識を失ったまま死亡したそうだ。間違いなく 「犬の熱中症」だ。
愛犬飼い主としては失格だ。おそらく仕事の都合で已む無く昼間に連れ出したのだろうが、それにしても老犬を35度超える日中散歩に連れ出すとは酷過ぎる。人間の熱中症がこれほど問題になっている折、愛犬の連れ出しを止めておかないのは、悲哀の一言に尽きる。
この夏、掛かり付けの動物病院の院長から事前に「熱中症対策」の助言を聞いていた。
犬はほとんど発汗しないため体温調節が難しく、人間以上に熱中症にかかりやすいそうだ。「数分で危険な状態になることがあるので、夏場は気を付けなさい」とのことだった。
更に、室内ではクーラーを稼動させ、1日中室温28度くらいを保った中で休養させることなどの予防対策が、基本だとも教えてもらっていた。
だから夕方の散歩も、7時過ぎに時間帯を変更し、コンクリートの道路も、ヒンヤリしているかどうか、自分の手で確かめたうえ連れて出す。しかしこの時間になっても猛暑の余熱は残っており、草むらや道端のコンクリート壁の間から熱風が吹き出てくる。
この余熱を浴び出すと発汗出来ない愛犬は、ハーハーと喘ぎ出すので、散歩も途中打ち切り早々に帰宅する。帰宅すると、すぐに風呂場で水道水を足にかけて冷やし、足の裏が冷えたのを確めて、クーラーの効いた居間に連れて行き、夜の食事を与える。これが筆者の愛犬を護る「熱中症」対策だ。
獣医師によると「犬の熱中症」とは、周りの高温、高湿度のため、体内に溜まった熱によって、高熱、脱水、虚脱などの症状起こすことだそうだ。屋外小屋での飼育が最も危険。シャンプーしたあと、乾燥目的で庭に放すことも体温を急激に引き揚げることに繋がるため、用心すべきだと指摘する。
家族が買い物や用事で出かけて「留守番」をさせる場合、クーラーを付けずに締め切ったままにしておくと、体温は一挙に上がってリスクは増すという。
特に散歩の場合も、直射日光は絶対避けるべきで、散歩の時間も運動も控えめにして、常に歩く状態を注視して、異常の有無をよく観察して欲しいと、指摘している。
もし、熱中症にかかったかもしれないと思ったら、小型犬なら風呂場で水をかけたり、バスに体ごと浸すのが効果的という。大型犬ならホースで脇の下や内股部に水をかけて冷やすのが一番だそうだ。
その上で、吸水器を使って少しずつ水を飲ませ、安静にさせておくのが最良だそうだが、それでも改善の兆しがなかったら動物病院に急ぎ連絡したほうがいいという。
家族一員である愛犬が、飼い主の不注意で不幸な憂き目に遭うことほど残酷なことはない。愛犬にも「熱中症」の危機があることを、愛犬家はよく認識すべきだろう (了)