2015年08月12日

◆共和党の大統領候補者たち

Andy Chang



8月6日、Foxnewsの主催で2016年の大統領選挙に立候補を表明した共和党候補者たちの第1回弁論大会が行われた。立候補を表明した候補者は17人だが、人数が多すぎるので弁論大会ではWall StreetJournalとNBCの連合調査による人気の高い10人に限定した。参加者は以下の通り:

(1)不動産ブローカー、ドナルド・トランプ(19%)、
(2)ウィスコンシン州知事、スコット・ウォーカー(15%)、
(3)前フロリダ州知事、ジェブ・ブッシュ(14%)
(4)神経外科医、ベン・カーソン(10%)
(5)テキサス州参議員、テッド・クルス(9%)
(6)前アーカンソー州知事、マイク・ハッカビー(6%)
(7)ケンタッキー州参議員、ロン・ポール(6%)
(8)フロリダ州参議員、マーク・ルビオ(5%)
(9)ニュージャーシー州知事、クリス・クリスティ(3%)
(10)オハイオ州知事、ジョン・ケーシック(3%)

以上10人の候補者に対し3人のアンカーが交互に質問する。人数が多いので候補者の回答は1分に限り、30秒の追加説明が許された。弁論大会は途中で短い休息を含んで全部で2時間だった。

●最多の候補者と最高の視聴率

今回の選挙で共和党側に名乗りを上げた候補者は17人、史上最多の候補者でしかも全体的に年齢が若く、それぞれの発言主張もしっかりしたものが多かった。また名乗りを上げた17人のうち州知事経験者が7人もいた。若手候補のマーク・ルビオ、テッド・クルス、ロン・ポールの3人は理論も発言もハッキリして、今回でなくても将来は大統領の資格十分と思われた。

弁論大会は米国国民にとって重要な行事で、今回は史上最高の2400万人の視聴者がいたと報道された。共和党に賛成する国民が多いと言うのではなく、アメリカはオバマの過去7年の失敗で国威の衰退を招き、違法移民、人種問題と暴動の続発、オバマケアなどたくさ
んの問題に怒りを覚える国民が多いからである。

しかも民主党側の候補はヒラリー・クリントンの人気がトップだが彼女は幾つもの違法や違法すれすれの問題を抱えているから、共和党の誰がヒラリーと対決するか興味を持つ人が多いのである。

●共和党から脱退するか

弁論大会の始めに、アンカーが「共和党の代表になれなくても共和党を離れて選挙に出ないと誓はない人は居ますか?」と聞いたら、ドナルド・トランプが手を挙げた。

トランプはもともと政治家ではなく不動産ブローカーで資産100億ドルと自慢している大金持ちで、刺激的な発言や個人の欠点をあげつらうことで有名だが、政治経験がなく刺激的な発言で人気を集めている。彼は人気が最高だから党を離れることはないが、もしも共
和党の代表になれなかったら自費・無所属で出るかもしれないと強気である。

トランプは金持ちだから共和党や民主党の政治家にに献金した過去がある。金持ちを自慢して政党の資金援助がなくても無党派で個人の資金で選挙を戦うことができると豪語している。メディアは共和党の混乱を喜ぶ。左翼がかったメディアの人気投票で最高の19%を
獲得したから無党派で出ないとは言わないのだ。

●若手の善戦が目立った

トランプの外にこれまでブッシュやウォーカーなど州長経験者の人気が高く、弁論大会ではこの3人に質問が多く、他の候補者には不公平なところも見られた。トランプは政見がなく自画自賛で反感を買った。ブッシュやウォーカーの発言は平凡で威力がなかった。

人気を集めたのはクルスとルビオの政見発表で何度も喝采を浴びた。この二人の外に発言が受けたのは外科医のカーソンとハッカビー元州長、二人とも落ち着いた思想のある態度で好感を買った。

●トランプはジョーカー

大会前の人気調査で最高点を取ったドナルド・トランプは政治家ではなく不動産屋で、100億ドルの財産があると豪語し、刺激的な発言で知られる。彼は「政治的合理性(Political Correct)」に挑戦すると称し、戦略的に挑発や個人攻撃で注意をそそるので人気が高い、メディアはこれを「トランプ現象」と呼んでいた。

傲慢な発言で高い人気を得たのである。たとえば違法移民について、メキシコ政府が犯罪者や麻薬をアメリカに送り込んだ。違法移民は殆どが犯罪者だと発言して国際問題になった。参議員ジョン・マッケインはベトナム戦争で捕虜になったから英雄ではないと貶した。
有識者はトランプを嫌うが野次馬は共和党が分裂するような紛争を喜ぶ。こんな人物がアメリカの大統領になったら大変だ。

弁論大会では彼に対する質問も多かったが、政策についての質問を受けた時の彼の答えは刺激的なはぐらかしで済ませ、弁論の評価は
よくなかった。

トランプは女性蔑視発言も多く、嫌いな女性を「醜い、太った豚」などと言って憚らず、女性蔑視について厳しい質問をした女性アンカーのメギン・ケリーに、「俺はいつも正直な発言をしているので、政治的合理性など気にしない」と返事した。女性蔑視についての質
問に答えられず、持論の「政治的合理性」は反対、世間の批評は気にせず思ったことを言うと答えたのである。

弁論大会の翌日7日、フェイスブックで質問をした女性アンカーのことを「Binbo(ふしだら女)」と書いたが謝罪しなかった。

その晩のCNNのインタービューで再び女性アンカーのメギン・ケリーの質問に返答できなかったことを聞かれて、「あんなタフは質問をしやがって、目ん玉から血が出るような、身体のほかのところからも血が出るような…(blood coming out of her eyes, blood coming outofher wherever.)」と発言したので大問題になった。アメリカの投票者の53%は女性である。

この発言があったので、8日からアトランタ市で開かれたRedStateGatering(赤い州の集会)と呼ぶ共和党有利な州の集会があり、子の集会の夜はトランプが講演する予定だったが、「女性の生理発言」で主催者のエリック・エリックソンは招待を取り消すと決定した。

●結論

弁論大会と赤い州の集会の結果を要約すると次のようになる:

(1)Ted Cruz州議員の主張と発言が最も優秀で南部州の集会でもウィスコンシン州知事Scott Walkerはかなり共感を呼びブッシュと対等の人気を得た

(3)Jeb Bush 元フロリダ州知事の表現は平凡

(4)女性候補のCarly Fiorinaの表現がよかったが民衆が彼女に投票するかはわからない。

(5)Donald Trumpは失言について謝罪する気配はない。

この記事を書いている今もトランプは発言取り消しも謝罪もしないと強調している。共和党の候補者選びは前途多難である。


    
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