早川 昭三
「橋下新党」が大阪回帰するのは、民主党との連携に傾く維新の党執行部に抱いた「不満」だけだろうか。奥深い将来の「政治狙い」が潜んでいるからだと指摘する大阪府議会、市議会で飛び交っている。
朝日新聞によると、下記のように報道している。
< 「橋下新党」が大阪回帰する背景には、橋下徹大阪市長らが民主党との連携に傾く維新の党執行部に抱いた「不満」と、11月の大阪府知事・大阪市長選に向けた「不安」が同居している。
「大阪維新の会の政治理念、政治信条を共有し、死にものぐるいで改革をやっていく国会議員のグループを作りたい。最後の挑戦をやっている」。橋下氏は29日、大阪府枚方市内での街頭演説で叫んだ。
橋下氏と松井一郎元顧問(大阪府知事)が突然の離党、新党結成を宣言した理由の一つは、民主党との野党再編をめざす維新の現執行部への不満だ。
「民主党とくっつくために維新を作ったんじゃない」。安倍政権幹部によると、松井氏は最近、こんな不満を繰り返しぶちまけていたという。
維新は通常国会後に分裂。松野頼久代表の勢力は秋にも民主党との再編をめざす。
一方、橋下氏と気脈を通じる首相官邸は、将来の憲法改正で橋下新党との協力も期待する。
「民主党とくっつくために維新を作ったんじゃない」。安倍政権幹部によると、松井氏は最近、こんな不満を繰り返しぶちまけていたという。
元自民府議の松井氏は自公政権と連携を深めるのが基本戦略。民主との野党再編に傾く松野代表への不満を蓄積させ、分裂のきっかけを探っていた。
辞任要求した柿沢未途幹事長の続投が決まった27日、自らに近い衆院議員に「このままでは絶対に済ませない」と語った。>(朝日新聞)
確かに、11月の大阪府知事・大阪市長選に向けた「不安」が同居している。>という記事は当っている。
上記は、「政治家を辞める」という橋下氏にはなんとしてでも追随して行かないと、自分の選挙当落に危機感を覚えるという大阪維新議員がいることは、間違いはない。
つまり、橋下氏が従来から公言しているように「政治家を辞める」という言辞を信じた自分たちも、「政界」からすべて身を外すことになることに繋がると理解した橋下傘下の維新議員たちは、「政治家を辞める」という橋下氏の動静に極め付きの動揺をしていた。
これだけでも今回、「橋下新党」が出来て大阪回帰することには、歓喜している維新議員が多く、いま20名に達しているという。
しかし、「橋下新党結成」が、民主党との連携に傾く維新の党執行部に抱いた「不満」と「対立」が激突したから、分裂に直結したことが主因とは思えない。
一方、維新は、通常国会後に分裂。松野頼久代表の勢力は秋にも民主党との再編をめざすとしているが、こうした「野党同士」の再編問題は、政界では常識的な「党内議論」であって、いきなり「辞任」に発展するものではない。
橋下氏と松野頼久代の確執は露呈してはいるが、どう考えても「辞任」「分裂」の真相ではあるまい。
「橋下新党結成」の本音は、「政界を引退」するとした橋下氏を翻意させ、迫ってくる衆議院か参議院の議員に橋下氏を目指させることが、それではないか。
橋下氏傘下議員か大阪府知事、ご本人の策略かは不明だが、共通していえことは、橋下氏の「政界辞退」を取り下げ「政界復帰」のねらいではないだろうか。