2015年09月19日

◆米軍を日本につなぎ止めよ

加瀬 英明



私はアメリカを“アコーデオン国家”と、呼んできた。

アメリカはこの戦後70年、外へ向かって撃って出る時期と、羹(あつもの)に懲(こ)りて引きこもる時期を、交互させてきた。

先の大戦が終わると、トルーマン政権が軍縮を進めたが、朝鮮戦争が起ると全力をあげて戦った。アイゼンハワー政権が朝鮮戦争をやっと休戦にもち込むと、内にこもった。

ケネディ大統領がベトナム戦争を仕掛け、ジョンソン政権で本格化した。ところが、大火傷をして、ニクソン政権が南ベトナムを放棄すると、カーター政権が終わるまで、内にとぢじこもった。

レーガン大統領はそれゆけドンドンと、ソ連に軍備競争を挑んで、ソ連が解体した。アメリカの驕(おご)りは、ブッシュ(子)政権で最高潮に達して、アフガニスタンとイラクを侵攻した。その結果、中東が収拾がつかない大混乱に陥ったから、大失敗だった。

アメリカは海外で戦う意志力を萎えさせて、オバマ大統領はシリア内戦が激化しても動かず、2014年に公けの場で、「アメリカはもはや世界の警察官ではない」と、弁明した。

いま、アメリカはアジアどころではない。

ヨーロッパでプーチン大統領のロシアの脅威が切迫して、NATO(北大西洋条約機構)諸国が緊急対応軍を急編して、演習を繰り返している。

アメリカ軍は中東では毎日、イスラム国(IS)を空爆している。

アメリカ軍はドイツに174、日本に113、韓国に83など、外国に700以上の基地を展開しているが、財政再建のために、国内外の基地の数を減らしつつある。連邦議会議員のなかには、在韓米軍と沖縄の海兵隊を引き揚げるべきだと、主張している者もいる。

ワシントンでは日米安保条約が、アメリカは日本を守るが、日本はアメリカを守らないから、不公平だという声もあがっている。

私は岡田党首の民主党が、安保法制に反対して配っているビラを読んで、肝を冷した。

「日本が直接攻撃を受けていなくても、地球の裏側まで行って、他国の行う戦争に参加しなければ、日本の平和は守れないのでしようか」というのだ。アメリカは日本の「同盟国」であって、「他国」ではあるまい。これでは、公党の資格がない。

アメリカという“アコーデオン”が、綻(ほろ)びつつある。私たちは努力して、アメリカ軍を日本に繋ぎとめておかねばならない。

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