2015年09月22日

◆政治不信は世界的風潮

Andy Chang



9月16日にCNNの主催で共和党の大統領候補の弁論大会があった。これまで17人が名乗りを上げていたが、ペリーが運動を中止し、残った16人のうち、11人が3時間の弁論を行った。あとの5人はこの大会の先に弁論会を行った。

候補者の中で人気が高いのはDonald Trump、神経外科医のBen CarsonとHP社CEOだったCarly Fiorinaの3人である。3人とも政治経験の無いのが特徴で、殊にトランプは移民や人種問題など国民の関心のある問題について大胆な発言、人身攻撃や女性侮辱などの度重なる放言でも訂正も謝罪もしない傲慢さが「トランプ現象」と呼ばれ、大統領の品格はないが聴衆は面白がられて人気が高い。

メディアの分析では3人とも政治家でないから人気があると言う。その他の候補者は議員とか州長など政治経験のある人たちだが経験のないアウトサイダーの人気に及ばない。

つまり全国的な国民の不満が反政治、反政党、反政治家の現象となったと言う。オバマ政権に不満、国の衰退に不信、国会政治に不満、民主、共和両党に不満。だから政治家ではないアウトサイダーに人気が集まると言う。

弁論大会を見ながら気が付いたのは、政治不満、政治家不満は世界的な風潮で、どの国でも起きている現象だということだった。

台湾では来年一月に総統と国会議員の選挙があるが、執政党の國民黨の候補者洪秀柱の人気は低い。台湾人は反中華民国だから民進党の蔡英文に票が入れるが民進党に対する不信感もかなりあって、アウトサイダー(体制外)候補に期待する声が高い。

政府や政党、政治家に不満だから革新を求める声が高いのは世界の経済衰退、政治家の汚職問題と社会不穏、戦乱や動乱で難民が各地にあふれている現状が政治不信に繋がると思われる。

●オバマ不信、民主党不信

共和党の弁論会だから民主党とオバマを攻撃するのは当然だが、16人の候補者のうち3人のアウトサイダーに期待が集まるのは、この7年のオバマ政権がアメリカの衰退を招いたことに起因する国民の強い不満である。

CNNが主催した弁論大会はトランプとあとの10人が攻撃しあう場面が多く、候補者の政見を発表する時間が少なかったことに失望した。候補者に与えられた時間の配分も不公平で半分以上がトランプの発言と批判に終わった感が強い。

CNNの質問には共和党は選挙に勝てるか、ヒラリーと弁論したら勝てるかなどの質問も多く、肝心のアメリカをどのように立て直すかと言う質問は少しだけだった。

大統領はアメリカの将来を担って世界に大きな影響を与えるリーダーである。それなのに米国の抱えている諸問題、シリア、イスラエル、イラン、南シナ海などの重要な質問がなかったのは残念である。

アメリカの衰退、アメリカの厖大な債務をどのように改善するか一人ひとりに聞いていない。

●アウトサイダーの国家再建は困難

トランプが俺は金持ちでスマートだと言っても、アメリカのかけている諸問題についてほとんど政見がなく、アメリカの再建チームに推薦できる人材を一人も挙げることが出来なかった。国民は傲慢で無能なオバマにはこりごりだが、次の大統領が嘘つきヒラリーや自大狂トランプだったら革命がおきる。

リーダーが国をダメにした。執政党が国の方向を間違えたから国民がアウトサイダーに期待する気持ちはよくわかる。中華民国は馬英九総統以下、国会議員も公務員も腐敗しきっているから国民は新政権に期待する。

だが政治に経験のない新人が政治を握っても成功するとは限らない。リーダーだけでなく新チーム、それも政治能力や国際観のある大量の人材が新政府を作るのだから、自大狂リーダーは人材を集めてチームを作れない。

革新政権に必要なのは偉大なリーダーと多くの人材である。アウトサイダーが当選すれば真っ先に必要になるのは新政権チームである。リーダーが良くてもチームがない、チームの素質が悪かったらよい政治は期待できない。

2000年に台湾で民進党の陳水扁が当選したが、その後の8年は苦境の連続で革新政策は難航した。日本でも2009年に政権交代があったが、鳩山、菅、野田の新政権は決して良いとは言えなかった。

●リーダーを間違えたら大変だ

もっとひどい例がロシア革命である。1917年にロシア革命が起きたが結果はスターリンの暴政だった。1949年に毛沢東が革命に成功した後は7000万人の虐殺と現在まで続いている独裁政治だった。

アウトサイダーだからトランプがスターリンや毛沢東のような独裁者にならないと言う保証はどこにもない。それどころかトランプの言動を見れば暴君、独裁者になることはほぼ確実である。

彼は共和党の候補者、党の仲間を攻撃し傷つけても謝ったことは一度もなかった。メキシコ政府が違法移民をアメリカに送り込んだ、犯罪者をアメリカに送りこんだ、麻薬を持ち込んだと罵倒してメディアで非難されても謝罪も訂正もしていない。

日本がアメリカに経済侵略をしている、埠頭にたくさんの日本車が並んでいると言うが欧州車には言及していない。こんな男が大統領になれば隣国や同盟国と仲違いしてアメリカは孤立する。

●世界の政治不満は危険な兆候

アメリカ国民の不満、オバマに対する不満は外交の失策、黒人優先主義、イラン核協定、中東からの撤兵が招いたISISの台頭、中国の南シナ海侵略を放置、オバマケアと呼ぶ全民保険制度、18兆?を越えた国際債務、違法移民を優遇し移民犯罪者の国外送還を拒む制度、国境を守れない政府など、数え切れないほどの間違いを犯しているから不満が高いのである。

世界的な政治不満は非常に危険である。今の状態は20世紀初頭の共産主義の台頭に似ている。アメリカの現状が悪化すれば各地で革命や動乱が起きるのは間違いないだろう。

中東殊にシリア動乱で、欧州に難民が津波のように欧州を襲っている。中国がアメリカの警告を無視して南シナ海で強引に埋め立て工事、石油掘削を続けている。アジア諸国の中国に対する不満の外にも、中国の衰退と国内の不満。アフリカや中南米でも政府不満が充満している。世界地図を広げてみれば安定した箇所は一つもない。

今のアメリカに必要なのは早急にオバマの失政を糾し、強いアメリカを取り戻すことである。放言暴言を繰り返すようなリーダーがあってはならない。アメリカの衰退を止めて世界のリーダーとして世界各地の紛争を鎮めること。今のアメリカにはその任務を成し遂げ
るリーダーが必要なのだ。

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