2015年09月25日

◆米の日本研究レベルは低級

平井 修一



米史学界における日本への見方は画一的で、「日本を軍国主義の悪者と見なす主張以外は見当たらなかった」とジェイソン・モーガン氏(フルブライト研究者・ウィスコンシン大学大学院)は言っている。

なにしろアイリス・チャン著『ザ・レイプ・オブ・南京』を史実だと思っている人が多いようで、学閥のトップがそうであれば弟子たちはそれに倣う。反論すれば追放されること、日本も同様だ。無知、誤解、誤認、バカはそのループからなかなか抜けられない。

米国史学界の近現代日本研究者のレベルは相当低いだろう。IWG報告書(注)さえ知らないようだし、日本国憲法がGHQ製だと知ったのも最近なのではないか。日米戦争中、彼らはFDR/ルーズベルトを含めて日本人を猿だと思っていた(本当に!)のだから、偏見ゆえに物事を正しく見えないのだ。そのDNAを引きずっているから、歴史は学問でも科学でもなく、「思い込み」になってしまう。

以下の文章は拡散したいのでテキストデータにした。オリジナルは「史実を世界に発信する会」のサイトにある。

<「日本人の歴史家と連帯する」(Stadingvn with Historians of Japan)と題する19人のアメリカ人歴史家の声明(後に1名が加わり、最終的には20名となる)が、2015年3月初めに、アメリカ歴史学会(AHA)の月刊の機関誌『パースぺクテイヴズ・オン・ヒストリー』に掲載されました。

この声明は、日本政府が米国マグロウ・ヒル社の歴史教科書の記述に重大な誤りがあるとして訂正要請を行ったことを批判する内容となっています。

今回は、この米側声明に対する日本側学者の反論(rebuttal)です。

なお、2015年5月5日、欧米の日本研究者を中心とする187名の学者の「日本の歴史家を支持する公開書簡」(Open Letter in Support of Historians inJapan)が公表され、安倍晋三首相に歴史認識問題に対して大胆な行動をとるよう促しました。

この公開書簡に対する日本側反応(署名者110名)は、さる8月6日、拓殖大学の渡辺利夫総長を中心に、日本外国特派員協会(FCCJ)で発表されました。

5/5付けの米側の公開書簡は、よりソフトな内容ですが、われわれが今回対象とする「20人のアメリカ人歴史家の声明」は、かなり強硬な内容であり、これをしっかり批判しておこうという趣旨です。

「20人の米国人歴史家の声明」に対する50人の日本人学者による反論 2015年9月4日(於:日本記者クラブ)

一般論としては、政府が教科書の内容に介入しない方が好ましい。しかしながら、教科書に明らかに事実誤認と認められるような記述があり、それがある特定の国家と国民の尊厳を著しく損ねるような場合には、当該国政府が当該記述の訂正を求めるのは極めて自然なことである。問題となっているマグロウヒル社の歴史教科書はそれに該当する。

2015年3月17日付けの19人の日本人歴史家有志による「McGraw-Hill社への是正勧告」は、同社の教科書の慰安婦関係の記述について、僅か2パラグラフ・計26行の中に8カ所も、明らかな事実の誤りがあることを指摘した。

アメリカ政府が、もし同じ立場に立たされたとしたら、おそらく、日本政府とは比べ物にならないほどもっと遥かに激しいやり方で抗議したことであろう。

「20人の米国人歴史家の声明」のタイトルは、「日本の歴史家に連帯して」 ("Standing with Historians of Japan")となっているが、同声明の中で高く評価している吉見義明教授ですら、尋ねられれば、あの教科書については、何カ所も事実関係の間違いを指摘するであろう。

結局のところ、あの教科書の内容を全面的に支持する日本の学者は、おそらく皆無であろう。20名の米国人歴史家たちは、あたかも「亡霊」と連帯すると言っているかのようである。

米国議会の要請により、省庁横断的な詳細な調査が行われ、2007年4月の米国IWG報告書(注)が提出されたが、第2次世界大戦中の慰安婦の問題については、日本政府の戦争犯罪を示す文書は一つも発見されなかった。

これは、米国国家公文書記録管理局(NARA)によって行われた大々的な調査の結果判明したものであり、2000年から7年間と3000万ドルをかけて、OSS(戦略情報局)、CIA (中央情報局)、FBI(連邦捜査局)、米陸軍対情報部隊(CIC)などが保有するドイツと日本の第2次世界大戦に関する機密文書が対象とされ、両国について戦争犯罪があったかどうか吟味された。

日本については、14万2000件の機密文書が確認されが、慰安婦に関する戦争犯罪を示す文書は何一つ発見されなかった。

しかしながら、マグロウヒル社の歴史教科書も、20人の米国歴史家の声明も、このことには一切触れていない。彼らが、同報告書の存在を知らなかったとしたら、歴史家として不勉強の誹りを免れないし、他方、知っていて意図的に触れなかったとしたら、学者としてのフェアネスが厳しく問われることになる。

マグロウヒル社の教科書には、「慰安婦は天皇からの贈り物である」とか、「終戦に際して、証拠隠滅のために多数の慰安婦が殺された」などという全く根拠のない表現も見受けられる。これらは、いずれも、あたかもフィクション作家による「創作」のようであり、本来、学者が書く歴史教科書には、決してあってはならないものである。

また、すでに述べたように、当該教科書の慰安婦の箇所については、僅か26行の中に8カ所も間違いがあったわけであるが、その他の部分については、間違いがほとんどないとは考えにくい。あの教科書全体の信憑性が問われるわけであり、これは、アメリカの歴史学会全体の名誉にかかわる問題ではないだろうか?

アメリカの歴史家は、日本政府に対する抗議声明を出すより、米国の歴史教科書の内容の妥当性について、全面的な検討作業を開始するよう米国内において然るべく働きかけ、また、自らもそうした方向で行動すべきである。

なぜならば、アメリカの次の世代の人々が正しい歴史認識を持てるかどうかは、それにかかっているからである。そして、それは、アメリカにとってだけでなく、国際社会全体にとっても極めて重要なことである。

*この文章は、アメリカ歴史学会(AHA)の機関誌『パースペクテイヴズ・オン・ヒストリー』の2015年3月に掲載された「20人の米国人歴史家の声明」に対する日本の学者有志による反論である>(以上)

注)IWG報告書:

別名:省庁間作業班報告書、IWG米国議会宛最終報告、ナチス戦争犯罪と
日本帝国政府の記録の各省庁作業班報告書など。

英語:Interagency Working Group Report
別名:Nazi War Crimes and Japanese Imperial Government Records
Interagency Working Group Report

ナチス戦争犯罪と日本帝国政府記録について米国の各省庁に残る文書を調査・点検してまとめた報告書。2007年4月に最終版が提出された。2010年代半ばに、いわゆる「従軍慰安婦」問題における資料として見いだされ、注目を集めた。

IWG報告書は2000年にクリントン政権下に立ち上げられ、約7年にわたって調査された。調査費用は3000万ドルに上り、調査された文書の総量は850万ページに及んだという。このうち14万ページ分が日本に関する文書であった。

元米兵のジャーナリスト、マイケル・ヨンは、IWG報告書にまとめられた調査において、日本軍または政府が慰安婦を性奴隷として扱ったことを示す記録は全く発見されず、むしろ慰安婦が娼婦・高給売春婦として活動していたことが明示されていると指摘している。(出典:新語時事用語辞典)(2015/9/20)

        
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