宮崎 正弘
<平成27年(2015)10月24日(土曜日)通算第4697号>
〜中国、否応なく「通貨安戦争」に参入
銀行預金金利の上限を撤廃、「自由化」を装うが。。〜
日本の新聞はまたもおめでたい論調である。
たとえば日本経済新聞は「中国、マネーのゆがみ是正―――銀行金利自由化、不動産の過熱防ぐ」などと好意的な見方をしている。
これは金融改革につながり、景気浮揚をねらうものだと。
中国は23日、いきなり「銀行預金金利」の上限を撤廃すると発表したが、これを「自由化」の一歩と位置づけるには疑問が多い。実際には「基準金利」は残るにもかかわらず。。。
まして上限規制撤廃というのは一年以内の定期と普通預金金利であり、一見すれば銀行が自由競争の時代に突入したことを意味する。
実際に市場の反応はと謂えば、株高、金利安、そして通貨安を誘発した。 ドイツ国債は金利低下、株高は2・5%、日本も2%近いかさ上げとなった。日本円は「円安」に傾き、株高(23日、日経は389円も上げた)、先行きは「日経平均」の先物相場がはやくも19,000円台を付けた。
英紙『ファイナンシャル・タイムズ』(24日、電子版)は「中国はグローバルな通貨安レースに参加してきた」と報じた。『ウォールストリート・ジャーナル』(同24日、電子版)は景気浮揚の一環というとらえ方をしている。
そうだ、通貨安誘導の突破口を中国が切り開いたことを意味し、これから世界的規模での「通貨安」が始まる気配濃厚となったのである。同時に金取引も活発化している。
為替の完全変動相場制に移行できない中国は8月11日に4・6%という「通貨切り下げ」という挙に出たが、世界からの評判は悪く、また株安に拍車がかかり、中国から外資が一挙に撤退を開始したためマイナス効果となった。
一部の観測は「中国はIMFから与えられたSDRいりの条件を満たすための措置」だと主張したが、IMFが求めているのは完全な「変動相場制」への移行であり、こんかいの基準金利を維持したままの銀行金利「自由化」などとは、小手先の技術的なジェスチャーだと見透かしている。
来週26日に世界的規模での反応がでるが、この日は中国が「5中全会」の開始日でもあり、政治的効果を狙った動機の方が強いと想定される。