2015年10月26日

◆ハロウィン恐怖症

室 佳之



というほど大袈裟に恐れている訳ではないが、とにかくハロウィンが嫌い。いい思い出がない。以下は、単なる個人的な体験記である。

珍しく本場(と云ってもカナダでの話であるが、、、)ハロウィンを幼少時に経験している。父親の仕事の関係でカナダに3年滞在していたが、そのうちの2回のハロウィンを記憶している。

1回目は、まだ滞在して半年も経っていない頃だと思うが、5歳の小生はフランス語がおぼつかなく、周りが何をしゃべっているのかよく分からなかった。

そんな中、近所の子供たちに交じって、着ぐるみを皆で着た。周りの子供達は色鮮やかなものを着ていたが、小生に与えられたのはネズミ色の文字通りネズミの着ぐるみで、なんだか弱弱しい。

その上、右も左も分からず、ただただ面識のない子供たちに交じってくっ付いていくだけ。心細かったという印象のハロウィンだった。

ちなみに、日本では近年、色々な変装をして都会の繁華街などを練り歩くなどがハロウィン祭と考えられているようだが、本来は変装をして、夕刻時に家々を練り歩いて子供たちがお菓子をもらうというのが正しいはずである。

そのお菓子を渡す役にまわったのが、2回目のハロウィンだった。その年は、前年の厭な思い出があったからだったのか、経緯を忘れたが、学校が終わって変装もせず家でお菓子の準備に取り掛かっていた。

この時の小生は、事前に飴玉やビスケットなどを種類分けし、訪ねて来る子供達一人ひとりに均等となるようお盆に並べていた。その日は、何故だか4つ上の兄と母親は留守にしており、家にいたのは小生と父親だけ。

いよいよ、夕刻時となり、近所の子供たちが来る。

『しっかりお菓子を渡す役目を果たそう!』

緊張すると同時にワクワクと心躍りそうになる自分がいた。

いよいよ第1陣の変装した子供たち数人がドアの前に現れた。待ってましたとばかりに、小生が種類分けしていたものを一つ一つ摘まみ上げ『これと、これと、それと、、あれと、、』という具合に丁寧に渡そうとしていた。

すると、脇で見ていた父親が、じれったかったのだろう『そんなことしてないで、いっぺんにあげちゃいな』と云って、種類関係なくお菓子をひと掴みして、子供たちにパッと渡していってしまった。

それまで細かく丹念に種類分けし、綺麗に並べていた(と思い込んでいた)お菓子がメチャクチャにされ、それがそのまま子供等に渡ってしまった、その光景が眼前で繰り広げられた途端、小生は発狂せんばかりに泣き始め、気付いたら寝室へ閉じこもっていた。父親は『悪かった、悪かった』と謝りに来たが、一晩中悔しくて泣き続けた。

今思えば、他愛のないことだが、すっかり忘れていた記憶がここ数年の流行りで、最近は毎年思い出される。

加えて、上述したが、本来とは異なるスタイルで日本は催されるから余計に腹立たしい。

以下、Wikipediaより抜粋。

<ハロウィン、あるいは、ハロウィーン(英: Halloween またはHallowe'enとは、毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭りのこと。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であったが、現代では特にアメリカで民間行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。

カボチャの中身をくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作って飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする風習などがある>

やはりお菓子をもらったりする風習と云うのは正しいようである。ちなみに、30年以上前を想い返すと、小生の住んでいたところは、平気で家々を練り歩いていたのだから、長屋付き合いのような感覚が向こうの国でもあったということだ。今の日本の都心じゃ難しいかもしれない。

Wikipediaから、

<各国の現況

文化圏によってかなり扱いが異なっている。世界を見渡すと、興味を示している地域と、興味が無くほぼ無視している地域があるのである。

現代でハロウィンが大々的に行われているのは主に英語圏であり、例えばアイルランド、イギリス、およびイギリスが進出・侵略して植民地化するなどして「イギリス帝国」の一部に組み込みイギリス流の文化を広めた場所(米国、カナダ、ニュージーランド、そしてオーストラリアなど)に広まっている。>

小生はカナダのフランス語圏にいたが、英語圏文化のハロウィンがいつからか浸透していったということなのだろうか。

Wikipediaから、

<日本とハロウィン

日本ではあまり馴染みのなかったハロウィンであるが、後述の1990年代後半より始まった東京ディズニーランドのイベントを筆頭として、各地でのハロウィンイベントの開催が増えたこと、さらに2000年代後半より菓子メーカーが相次いでハロウィン商戦に参入したことなどを契機としながら、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及にも後押しされて市場規模が拡大、近年では店頭・街中でのハロウィン装飾が見られるようになったほか、特に20代の成人による仮装・コスプレのイベントとして日本式にアレンジされたハロウィンが定着した。

日本では「夜にコスプレをして街中を闊歩しても恥ずかしくない日」と位置づけられているが、大概の人物がハロウィンがどういう日かというのは具体的に説明できない。

また、ハロウィン前の9月あたりからお菓子会社などかカボチャ味のお菓子を期間限定で販売したり、包装をハロウィン風にすることが多い。そのため「ハロウィン=カボチャを食べる」と勘違いしがちだが、ハロウィンにカボチャを食べる習慣はない。また、家でカボチャを顔のように切り抜く習慣がなく、海外のようにハロウィンにカボチャが売れることはない。>

 結局、本来の意味は誰も関心なく、お菓子業界が売り上げのために食い付いたイベントということだろうか。何だかさもしい。 小生は介護業界に身を置いているが、クリスマスやバレンタインに引き続き、そろそろデイサービスなどでは、ハロウィン行事を催しているのかも知れない。高齢者にとっては、何のこっちゃと云うところだろうが。

 これから毎年、秋が来るたんびに、あのハロウィンの想い出がよみがえってくると思うと少々憂鬱である。(むろ よしゆき)

         
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