宮崎 正弘
<平成27年(2015)10月31日(土曜日)通算第4710 号>
〜EU反独禁法委員会(公正取引委員会)が香港大富豪の投資認可
OP−02 李嘉誠が1900億円で買収成立へ〜
EUの公正取引委員会は30日に開いた会合でかねてからの懸案、香港の大富豪、李嘉誠率いる長江和記(ハッチソン・グループ)が提案していた汎欧州通信事業のOP―02の買収を認可した。
買収金額は123 億香港ドル(邦貨換算1900億円前後)。 先にも英国へ乗り込んだ習近平は7兆円の商談をもちかけ、王室と政界は熱烈歓迎したが、マスコミと市民の反応はじつに冷淡だった。とくに原子炉建設に中国が技術ごと出資することに反対論が集中した。
ドイツではVWの不正データによる販売不振の痛手から立ち直るべく、メルケルはまた財界を率いて北京へ乗り込み、ついに中国のVWへの融資を勝ち取る。
しかしドイツのマスコミは従来あった中国礼賛論調がすっかり影を潜め、英国マスコミ同様な中国経済懐疑論があふれているという。
こうした環境変化の中で、EU市場の通信事業の根幹を担う英国系の企業買収は、決して歓迎されているわけでないが、目先の資金不足に背に腹は代えられないというわけだろう。まして買収者は中国ではなく、香港の富豪という安心感もある。
また英国とドイツは証券市場を中国にも開放し、人民元建ての中国国際の取引を開始する。
これは中国へのおもねりで危険とする懸念の声もあるが、問題は利率であり、中国国債の格付けは低く、金利がよほどの魅力でもない限り、南ア債、ハンガリー債クラスの評価しか受けないだろう。
であるとすれば90年代にロシア国債が24%もの高利をつけて、ファンド筋が投機しさっと売り抜けたように、最後にババを引くのは庶民投資家ということになるのではないのか。