2015年11月23日

◆トルコは「プーチン型」強権めざすのか

村上 大介



大方の世論調査の予想に反して、トルコのエルドアン大統領が実権を握るイスラム系の与党、公正発展党(AKP)は、今月初めのやり直し総選挙で議席の過半数を回復した。

政権の座に就いた2002年以降負け知らずだったAKPは今年6月の投票で、第一党とはなったものの、初めて過半数を割り込む敗北を喫していた。

これに対し、エルドアン氏は、連立政権交渉の不調を理由に、強引に再選挙に持ち込み、きわどい賭けに勝った。

 強烈なカリスマ性をもつイスラム主義者のエルドアン氏は、低迷していた経済の改革を進め、その恩恵を受けた多くの国民の支持が長期政権を支えてきた。

 政教分離が国是だったトルコにあって世俗主義勢力の警戒と反発を呼んだが、欧米からは「中東における穏健イスラムと民主主義の融合モデル」と称賛もされた。

しかし、03年から首相、大統領としてトルコに君臨してきたエルドアン氏は、強権的な政治手法を露骨に取るようになり、内外から批判的な目も向けられている。

欧州連合(EU)は、エルドアン大統領が憲法の規定を超えた権力を行使していると懸念を表明。トルコ政府に人権を尊重し、報道規制をやめることを求めるに至っている。

6月の敗北は、エルドアン氏がいっそうの権力を握ることを多くの国民が警戒したためだ。

だが、その後、過激組織「イスラム国」によるとされる首都アンカラでの大規模テロが発生し、少数民族クルド人の非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」との戦闘も再燃した。

シリア内戦の混乱にも絡む国内の治安悪化は、「強い指導者」を求める有権者の心理につながり、エルドアン氏とAKPへの追い風となった。

とはいえ、今月16日にトルコ・アンタルヤで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合では、政権に批判的なメディアへの取材許可証の発行を拒否するなど、強圧的な姿勢は相変わらずだ。

野党系有力紙が6月、トルコ情報機関がシリアの反政府イスラム勢力への武器密輸を手助けする現場とされる映像を公開した際には、エルドアン氏は「代償は高くつく」と怒りをあらわにした。

野党側は、政府を批判する記者の逮捕・拘束やメディアの接収が続いていると非難する。
13年に明るみに出た与党の大規模汚職事件では、エルドアン氏が息子に資産隠しを指示した会話とみられる音声データがネットに流出し、オンライン検閲などネット規制を強めた。

産経ニュース【一筆多論】2015.11.21
 
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