Andy Chang
11月30日に2020年以降の地球温暖化対策を話し合う「国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)」がパリで開催された。議長国フランスやドイツ、中国、ロシアなどが「拘束力のある合意」を呼びかけたが、オバマは拘束力に言及しなかった。議長国フランスのオランド大統領は「テロと温暖化の戦いは分けることはできない」と述べた。今日(12月3日)の最新ユースでは、木曜日12月3日の朝にCOP21の合意文の修正原稿が提出されたと言う。温暖化対策の最終合意がはたして拘束力のあるかどうかは未定である。
もともと地球温暖化については疑問も多い。人類の活動が温暖化に一役買っていることは間違いないがそれだけではない。人類の生活活動で排出する炭酸ガスが温暖化の主因であると言われているがこれには疑問もある。地球温暖化と寒冷化は地球の歴史で何回もあった。地球の温暖化で北極や南極の氷が融けて海面が上昇し、陸地が没すると言われているが、太陽の活動周期をもとにした別の研究では15年後に地球はミニ氷河期を迎えると言う。
大気中の炭酸ガスが温暖化の原因とされているが、地史の研究では石炭紀、白亜紀などの期間に大気中炭酸ガスの含量が現在よりはるかに高かった時代が何度もあった。つまり地球温暖化についての論争は結論がついていないのである。
諸国が一致して温暖化対策を取ることに異論はない。しかし私は温暖化対策よりもはるかに差し迫った問題は海洋汚染の浄化対策であると考えている。
海洋汚染は人類を含むすべての生物に不可逆的影響を与え、汚染のために絶滅する生物もある。土壌汚染と海洋汚染は100%人類が齎したものであり、地球温暖化よりはるかに切羽詰まった問題である。地球汚染は人類が犯した罪であり、人類だけでなく生物全体の危機となる。早急に対策を取らなければ地球汚染は増え続ける。
●人間がゴミを生み、ゴミを捨てる
地球上の生物で環境汚染を招くゴミを生産し、ゴミを捨てるのは人類だけである。国によってはゴミの処理に熱心で、汚染を軽減する努力を取っているが、中国のように人々がゴミを捨てても平気な国もある。中国人の旅行者がタバコの吸い殻ポイ捨て、ペットボトルやちり紙を捨て、部屋の中でも絨毯でも所かまわず痰を吐くなどの報道で地元の住民が嫌がるが、中国国内ではもっとひどいと言われている。
各国の河川に漂うゴミが問題化しているが、河川のゴミはいずれ海に流される。世界各地の海岸に漂着するゴミが問題化しているが、陸地に漂着しないゴミは永久に海洋に留まる。
よく知られたように海流は陸地沿岸をめぐってゴミを運んでいくが、これらのゴミは海流によって太平洋のど真ん中に集中して漂い、直径数百キロのゴミの塊が太平洋に浮かんでいるのである。この厖大な量のゴミを早急に掬い上げなければゴミが海を汚染し続けるのは間違いない。
ペットボトル、プラスチック、発泡スチロール、漁具や漁網などが太平洋のど真ん中に漂っているのだ。これらのゴミはだんだんと細かく粉砕されたり、環境ホルモンが日差しや波で水中に溶け出して土壌や海水を汚染したりする。また、細かく粉砕されたプラスチックは魚が食べる。ロスアンジェルスタイムスが報道した研究では、鰯やアンチョビーなど小さな魚の腸を調べたら、細かいプラスチックがたくさん入っていたと言う。この小魚を大きな魚や人間が食べる。人間は大きな魚の腸を捨てて食べないが、アンチョビーの腸に含まれたプラスチックやゴミ、金属類などはそのまま魚と一緒に処理され、これを人間が食べる。小魚を食べたマグロの刺身を人間が喜んで食べる。ヒトを食べる動物は(吉田茂は特別)いないから、小魚から大型の魚まで食べて最終的に汚染されるのは人間である。
●化学薬品の垂れ流し
ゴミよりもっと直接な汚染は化学薬品の垂れ流しである。各国の政府がいくら取り締まっても大小の工場が出す廃棄薬品の垂れ流しを止めることが出来ない。
天津市で大きな爆発があったことはいろいろ報道されたが、爆発のあと渤海湾で大量の魚が死んで浮かんでいたことが報道されている。爆発の処理で消防隊が放水した水が海に流れ、どんな化学薬品が含まれていたのかは不明だが、大量に死亡した魚は海に浮かび、これを他の魚が食べる、その魚を人間が捕って食べる。
垂れ流しの化学薬品だけではない。東日本大地震で起きた福島の原発事故で海洋に流された放射性物質は今後数百年も太平洋をめぐり、動植物に影響を与えるのである。
地球温暖化の影響と海洋汚染を比べれば、海洋汚染の方が生物に与える被害がはるかに早く、しかも長い。海洋汚染は世界諸国が同時にゴミ処理や汚染物質の垂れ流しを中止する全体的計画が必要で、国連や諸国の合作が必要である。公徳心の無い中国や発展地上国の汚染に対する人々の教育と取り締まりを急ぐべきである。
数年前に私がアジア平和連盟(PASEA)の提案をしたことがあったが、太平洋の海洋浄化はアジアの諸国が合作すべき問題で、温暖化よりはるかに切迫した問題である。
安倍首相が率先提案し、APEC諸国が数隻ずつ船を出しあって太平洋のど真ん中に浮かぶ大量のゴミを掬い取って処分すれば、オバマがレガシー作りで炭酸ガス削減を叫ぶよりもはるかに有益である。