2015年12月07日

◆「イスラム教」早分かり(3)

平井 修一



甲斐静馬著「中近東」の紹介を続ける。

*イスラムの影響

イスラムは仏教、キリスト教に比し、遥かに大きな影響をその信徒に与えた。それはイスラムが信徒の信仰生活はもちろん、その実際生活のほとんどあらゆる部分、極端に言えば箸の上げ下げにいたるまで、厳しく支配する仕組みになっていたからである。

イスラムがどんな影響を与えたかを知るためにはイスラムの体系をのみ込まなければならない。

イスラムの聖典はコーランである。コーランは仏教の経典やキリスト教のバイブルとは違い、単なるお経の本ではない。信徒の義務、道徳的規範、イスラム法、禁断戒律などを含み、宗教的文献にとどまらず、社会的規律をも律しているのが特徴である。

コーランはイスラム文献の全部ではなく、これを補充するものとしてスンナ(慣行)とハディス(伝承)がある。

・スンナ:マホメットの言行やイスラム社会の習慣を集めたもの。

・ハディス:マホメットが行ったものとされる行為、見解などについての説話を集めたもの。

コーランは原始共産制が崩壊し、奴隷制度が生まれた時期に発生したが、その後の封建制度の発達や、アジア、アフリカへの拡散という変化に合わせるためにスンナとハディスが生まれたわけである。

ハディスは創作が多く、一時期は60万の説話があったが、選り分けにより2762に絞られた。今でも時々選り分けられている。

コーラン、ハディス、スンナを基礎としてシャリア(聖法)が制定さらたが、これは多数の細々した規定によって、信徒の全生活のあらゆる面を規制している。

シャリアは宗教、倫理、法律の体系であるばかりでなく、同時に刑法であり、また結婚、離婚、宗族などに関する身分法でもある。

シャリアの運営を司るのがウレマで、シャリアを通じて信徒の全生活に対して絶対的な影響を行使した。シャリアはその後の時世の進歩とともに管轄が漸次縮小されたものの、身分法としては今日多くの国で残っている。特にサウジアラビアのごときは、法律と言えばシャリアだけである。

(平井:米国は、世界の原油取引の通貨をドルに限定すれば、サウジの政体を保障すると提案し、両者は合意したという。シャリアに基づき定期的に公開処刑する異様な国が欧米からまったく非難されずに旧態依然として存続しているのは、この合意が奏功しているためだろう)

こうしてイスラムは、他の宗教と比べものにならない強い拘束力を持っていた。

したがって「神の前におけるすべての人の平等」という革命的な思想によって積極的な影響を及ぼした反面、すべてをアッラーに帰する徹底的な宿命論が既存の社会秩序を擁護し、社会の進化を頑強に阻む反動的役割を発揮したことは否定できない。

そのもっとも著しい例として、奴隷制度の承認と、婦人の隷属的地位をあげることができよう。これはユダヤ教、キリスト教に比較して、イスラムの最も著しい特徴をなしている。

マホメットの時代には、アラビア全土にわたって、都市でも、ベドウィン族(遊牧民族)の間でも奴隷制度が栄えていた。それは奴隷売買が極めて有利な商売であったばかりでなく、社会機構、特に家事の管理が奴隷労働に基礎を置いていたからである。

こうして奴隷制度が極めて大きな重要性をもっていたので、コーランは奴隷を人道的に取り扱うよう命じたにとどめ、その廃止は敢えて要求していない。

1300年たった今日、実際はまだ奴隷制度は完全に廃止されていない。この制度はアラブ、アフリカ諸国では事実上、最近まで存在していた。アフリカから紅海を越えてアラビア半島に送り込まれる奴隷は毎年約5000人と推定された。

さらにヨルダンのベドウィン族の酋長の家庭には召使、あるいは護衛としてかなりの数の奴隷がおり、他のイスラム国でも状態はヨルダン以上であろうと言われた。(続く)

平井思うに、宗教は己の信仰するものを至上のものとするからこそ宗教であって、他の宗教は劣っているものと思うのも当たり前だが、「己の宗教は全的的な善であり、他の宗教は絶対的な悪である、殺して当然、奴隷にして当然」と思うようになると、これはほとんど狂気である。

小生はなんでも疑ってかかるが、自分自身さえ怪しいものだと思っている。それくらい警戒していないと鳩や菅になってしまう。一方で宗教は自由な考察、自由な言論がないから変化も進化もしない。中共も同じだろう。遂には内部から腐っていき、自滅するのではないか。

日本の仏教はサンスクリット語の原書と離れて奇怪な解釈になった支那仏教の亜流で、遂には宗教というよりおまじない、呪術のようになってしまった。商売、産業に近い。お寺の住職は最早家業で、信仰を広めるよりも寺院経営に必死である。雑誌「月刊住職」はとても人気だとか。

殺し合いをするイスラム教より遥かにいいし、仏教の宗派を超えて先日はみんなで靖国に参拝した。こんな宗教は世界にないだろう。政治に夢中になるタレントもどきの尼さんもいるが、ま、これはこれで商売なのだろう。

神道伝説に基づく天皇・皇室制度、そして武士道、五箇条の御誓文。日本の背骨だ。これがある限り日本は世界の良き人々ととも世界秩序に貢献できるだろう。(続く)
(2015/11/30)

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